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■24.04『一流建築家と家を建てるには』読了 齋藤 浩美 編/著 用泉社 わたしがこの本を書いた理由は三つある。ひとつは、これは単純な話で、日頃の仕事を通じてさまざまな建築家との出会いがあり、そのなかで、わたし自信がすっかり彼ら、彼女らのトリコになってしまったことである。つくられた作品のすごさ、建築家の人間的な魅力、そして家のつくり手として、これほど確かな存在はないと思った。 ノンフィクション 家を建てようと決意したとき 建築家に設計を依頼する人の思いが かいま見られる ■24.04『中野本町の家』読了 後藤 暢子 他著 住まいの図書館出版局 あの「中野本町の家」は、じつは、わたくしの生活に大きな変化の生じたときにつくられたのです。夫が一年半ほど入院生活を送った末に亡くなって、その直後に建てた家です。ふたりの娘は、その頃、小学校の三年生と四年生でした。 後に振り返れば、 イメージは最初から存在し、 思考はひたすら直線的に進行したかのように思われる。 だが設計の始まりはいつも空白だ。 魚のいない水の中へ釣りざおを何度も投げているようなものだ。 何かの拍子にピクリと糸が引いたときから にわかにイメージが作動し始める。 ノンフィクション 建築家伊東豊夫とその実姉が依頼して建てた家に まつわる話し 家を建てること 暮らすことについて しんしんと考えさせられる本 ■23.04『スタジアム虹の事件簿』読了 青井 夏海 著 創元社推理文庫 「一回表、守ります東海レインボーズの選手を紹介いたします。ピッチャー・金城、背番号18……」場内アナウンスのソプラノとともに、マウンド上の金城投手が、レインボーズ球場自慢のアストロビジョンに大写しとなる。 僕たちが頭だけでこしらえ上げた謀なんて、 この現実に比べたら何てせせこましものだったのかってね。 短編推理小説集 ■21.04『心とろかすような』読了 宮部 みゆき 著 創元社推理文庫 ことの起こりは、諸岡進也だった。 これは非常に不正確な表現で、文法にも反しているかもしれない。が、俺はあえてそう言うことにする。 俺は常々、人間たちでも、俺たち犬族でも、煎じつめればきっちりと二種類に分けることができると思っている。その二種類とは、好むと好まざるとにかかわらず「ことを起こす」タイプと、起こったことを「あと始末する」タイプだ。 今までずっと、昼が主役で、夜は昼が寝ている間だけ、 昼の目を盗むようにやってくるものだと思っていた。 だが、本当は違うのじゃないか。 主役は夜で、真っ暗なのが本当で、 昼の光の方が夜をはばかりながら、 たまさかだ、俺たちを照らしてくれているのじゃないか。 短編推理小説集 下の『パーフェクト・ブルー』と同じく 元警察犬マサの活躍する小説集 主人公は同一だけれど小粒なりにも質の高さは かなりのもの ■20.04『パーフェクト・ブルー』読了 宮部 みゆき 著 創元社推理文庫 五月二十日、午前三時二十二分。夜明けにはまだ間がある。東京湾に臨む工業地帯は冷え冷えとした眠りに沈んでいた。目覚めているのは点在する各工場の守衛の詰所、工場の建家の赤い非常灯と、鉄の町の歩哨のように夜空を突いて立つクレーンのライト、そして星だけである。湾を横切って羽田に向かう航空機も、この時刻には絶えている。 何とかできたかもしれなかったのに、 という後ろ向きの希望は、 絶望より悪い。 長編推理小説 再読 今読み返してみると荒削りな部分が目に付く ■15.04『なみだ研究所へようこそ!』読了 鯨 統一郎 著 詳伝社ノン・ノベル 港区にあるビルに着いて、中に入ろうとした瞬間、ぼくの目の前を一匹の黒猫が横切った。嫌な予感がした。だが、まさかそんなことで職場放棄するわけにはいかない。かまわず中に入る。 短編連作推理小説 ■14.04『片想い』読了 東野 圭吾 著 文藝春秋 四年生の時のリーグ戦に話題が移ったので嫌な予感がした。どうせまたあの話になるんだろ、と哲朗は思った。俯き、ビールを飲む。少しぬるくなっていた。 「マスコミ嫌いだと聞いていました」 「信用してないんだよ。俺たちが何をいっても 自分たちの理解できる世界に封じ込めようとする。 俺たちは自分たちの言葉で話す。人には任せない」 長編推理 どう評価したらいいのか… ■13.04『黄昏の岸 暁の天』読了 小野 不由実 著 講談社文庫 その日、大陸北東に位置する戴国は、まだ浅い春の中にあった。山野を覆った雪は融けやらず、草木の芽も降り積もった雪の下で眠っている。 結局のところ、人は自己を基準に他者を推し量るしかない。 自分なら痛いから痛かろうと思う惻隠の心と、 それは同じ種類のものだ。 自己を基準に他者を量ること自体は否定できない。 −−−あとはもう、本人の有りようの問題に過ぎない。 長編小説 五年ぶりにでた十二国シリーズ最新刊 なのだけれど期待していた程楽しめなかったのは 今回の物語の語られ方になじめなかったからか ■12.04『謎亭論処』読了 西澤 保彦 著 詳伝社ノン・ノベルス 職員室に忘れ物をしてきた、と辺見祐輔が気がついたのは車の中でのことだった。すでに学校の駐車場を後にして夜の大通りを走行している途中だ。ひと恋しさを煽るイルミネーションが、女の艶然たる微笑のような残像とともに視野の後方へと流れてゆく。 明子は死ぬまで、 自分がほんとうは何を欲しているのか、 判らなかったのではないだろうか。 だからこそ、その時によって、 ”いいもの”は東京という土地に在ったり、 ライターという職業に在ったり、 そして開業医夫人にあったりと、 あっちにふらふら、こっちにふらふらと、 目移りばかりしていた。 他人が享受している”しあわせ”に 自分だけが乗り遅れてしまうかもしれない、 という強迫観念に、かられながら。 まって、わたしにも、その”いいもの”をわけあたえて、 みんなして、かってにしあわせに、ならないで……。 短編連作推理 一見そうは見えないのに 容赦ない切り口が良い ■22.03『人間の幸福』読了 宮本 輝 著 幻冬舎文庫 世の中では、あっちこっちで起こっているらしいのだが、身近では滅多に遭遇できない殺人という事件が、杉の下マンションからほんの目と鼻の先で勃発してから五時間がたった。 人を傷つけたくないという言い訳は、 つまるところ自分が傷つきたくないのであって、 それは一歩まちがうと、他の多くの人を巻き込むはめになる……。 そんな気がした。 長編小説 ■22.03.02『蛍・納屋を焼く・その他の短編』読了 村上 春樹 著 新潮文庫 昔々、といってもたかだか十四、五年前のことなのだけれど、僕はある学生寮に住んでいた。僕はその頃十八で、大学に入ったばかりだった。東京の地理にはまったくといっていいくらい不案内だったし、おまけにそれまで一人暮らしの経験もなかったので、親が心配してその寮をみつけてくれた。 僕以外の誰かが痛みを感じていて、 それを僕が見てるとするね。 それで僕はその他人の痛みを想像してつらいと思うね。 でもさ、そんな風に想像する痛みって、 本当にその誰かが経験している痛みとはまた違ったものだよね。 短編小説集 ■18.03『少年時代』読了 ロバート・R・マキャモン 著 文春文庫 「コリー?」起きろよ、おい時間だぞ 「みんな大人になったように見えるかもしれませんよ」と彼女はつづけた。 「だけれどそれは見せかけにすぎないの。 男も女も、心のずっと深いところではいぜんとして子供なんです。 大人たちも飛んだり跳ねたりして 遊びまわりたいと思っているのだけれど、 重い粘土のせいでそれができないの。 世の中が押しつけてくるいろんな束縛をふるい落としてしまいたい、 腕時計をはずし、ネクタイを取り、日曜日用の靴なんて脱いで、 裸になって川の淵で泳いでみたい。 たとえ一日でもいいから、と思っているの。 自由を楽しみたい、そして家に帰れば 無条件に自分を愛してくれる お父さんとお母さんがいるとわかっている。 そうであったらどれほどいいか、そう思っているんです。 長編小説 誰もが経験したあのころが いきいきと描かれている大作 ■16.03『パン屋再襲撃』読了 村上 春樹 著 文春文庫 パン屋襲撃の話を妻に聞かせたことが正しい選択であったのかどうか、僕にはいまもって確信が持てない。たぶんそれは正しいとか正しくないとかいう基準では推しはかることのできない問題だったのだろう。つまり世の中には正しい結果をもたらす正しくない選択もあるし、正しくない結果をもたらす正しい選択もあるということだ。 他人のことと僕のことは別問題だ。 僕は自分の考えに従って定められた熱量を 消費しているだけのことさ。 他人のことと僕とは関係ない。はすにも見ていない。 たしかに僕は下らない人間かもしれないけれど、 少なくとも他人のじゃまをしたりしない 短編小説集 |
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