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■25.06『昔、火星のあった場所』読了 北野 勇作 著 徳間デュアル文庫 いつのまにか、それが何を意味しているのか、わからなくなってしまった。だからといって別に困っている訳でもないんだ。すこしは寂しくはあるけれどね。ま、そんなのも悪くはないだろうさ。うまくいけば、物好きな女の子が同情してくれたりするかも知れないし、もっとうまくいけば、他にもいろんなことをしてくれたりするかも知れない。 風の強い夕暮れどきに、 それらが喉の鳴るような音をたてて 揺れるのを歩道橋のうえから眺めるのは、なかなかいいものだ。 そんなとき、例えば女の子の肩を右手でだいていたりすると、 なおさらいいのだった。 それだけで、淋しくてなにやら物悲しい感じを楽しむことができる。 長編ファンタジー 『かめくん』と同じく世界のあちら側とこちら側が テーマに描かれているお話なのだけれど こちらの方が話しに入りやすく分かりやすい ■24.06『超・殺人事件』読了 東野 圭吾 著 新潮社 『氷の街の殺人 第十回』 ついにここまで来たかと、芳賀は旭川の駅前に立って、思った。逸見康正は、この街のどこかにいるに違いない。雪に覆われた路地には、無数の足跡がついていた。その中には逸見のものもあるのではないかと、ふと彼は思った。 今の世の中、のんびりと本を読んでいられる 余裕のある者などいやしない。 本を読んでいないということに罪悪感を覚える者、 本好きであったという過去に縛られている者、 自分を少々知的に見せたい者などが、 書店に足を運ぶにすぎない。 彼等が求めているのは、本を読んだ、という実績だけなのだ。 短編小説集 笑わせて貰ったけれど 誇張されて描かれてはいるものの こんな状態でいいのか 出版業界及びそれを取り巻く人々! と考えさせられた ■23.06『九つのメルヘン殺人』読了 鯨 統一郎 著 光文社カッパノベルス 僕はマスターが酔い始めていることに気がついた。<世界一統>を頼んだのに<東一>が出てきている。それとも酔ったのは僕の方なのか?あまり自信はない。無口な僕が少し喋りたいと感じ始めている。ここは渋谷区にある日本酒バー。日本酒をワイングラスに注いで客に出す嫌みなバーだ。 短編連作小説 『邪馬台国はどこですか』の流れにある作品 ■17.06『妖都』読了 津原 泰水 著 講談社文庫 黄昏。たそがれ−−−。 賑やかな街が廃墟の顔を見せる瞬間がある。ふとした拍子にだれもいなくなる。車の行き来も途絶える。真空に放りこまれたように一切の音が消える。動きがやむ。都市という巨大な生命が、悠久の果てを夢みるひとときだ。 目を見開き、耳を澄ませるのは、危険だ。 あらゆる人間が未必の故意のなかで生きている。 常に社会への不徳や自然への造反に肌を接している。 それに自分が気づけば、沈黙は罪となる。 安全なのは、気づかないこと、知らないこと。 小説 ホラーというより幻想小説とよびたい 血みどろのシーンより登場人物の脆い美しさが印象的 ■16.06『船上にて』読了 若竹 七海 著 講談社文庫 川村静馬がこの道を歩くのは、ほぼ七年ぶりになる。大学への道であった。彼が通っていた当時は、人通りこそ多いものの、なんとはなしに寂れていて、くすんだような色あいの店が連なっていたように思う。もっともそれは、大学在籍当時の彼の気持ちを反映した記憶なのかもしれなかった。就職も決まらず、片思いの相手に男ができてしまった当時の。 十一月っていやな月ね、というセリフの出てくる小説が確かにあった。 わたしはその言葉に全面的に賛成する。 短編小説集 かなり前(といっても8年ほど前)に書かれた文章が集められている 作者の感覚にひやりとさせられるものが多かった ■12.06『豚が飛んだら』読了 ロビン・シスマン 著 ソニー・マガジンズ フレイヤは素早く服を脱いで下着姿で立ちつくし、鏡に映った自分の姿をじっくりと見つめた。今夜はマイケルに最高の自分を見せたい。家に帰って着替える時間がないので、オフィスの階下の狭苦しい女子トイレで間に合わせなければ。 あの子を見ていると、 大枝によじ登って帰れなくなった猫を思い出す。 でもわたしは助けに行けないからね 小説 今時の売れ筋小説らしい出だしとでも申しましょうか さくさくした感じで読めますがそれだけって感じ ■11.06『いくつもの週末』読了 江國 香織 著 集英社文庫 大きな公園のそばの小さなマンションに引越して二年になる。春には近所じゅうに溢れるように桜が咲き、秋には紅葉がいい音で風に揺れる、きれいだけれどちょっと不便−−−駅が遠く、食料や日用品を買うお店も遠い−−−な住宅地だ。 甘やかしたり甘やかされたりするのは大人の特権だ エッセイ 結婚して数年後にもう一度読み返してみたいかも ■09.06『この世界のぜんぶ』読了 池澤 夏樹 著 早川 良雄 絵 中央公論社 酒 「飛光よ 飛光 いっしょに 飲もうや」 李加は黄色い砂漠に立って 色の薄い高い空を飛んでゆく光に 呼びかける 砂の上に対座して 酌みかわす冷たい酒 肴はいらない 女もいらない 談論風発 人生は短すぎるという嘆きを 彼らは百年あまり語り合った 飲むならそういう酒がいい 詩集 旅に出たくなる 風を感じたくなる 誰かと一緒にいきたくなる ■09.06『村上ラジオ』読了 村上 春樹 著 マガジンハウス このあいだクローゼットの服を整理していたら、スーツを5着も所有していることが判明した。ネクタイも20本くらいあった。でも記憶をたどってみると、過去3年の間にスーツを着たことなんてたった一度しかないし、ネクタイだって年に数回しめるかどうか。なのにどうしてこんなにスーツを持っているんだろうなと、自分でも首をひねってしまった。 でも10代後半くらいの少年少女の恋愛には、 ほどよく風が抜けている感じがある。 深い事情はまだわかってないから、 実際面ではどたばたすることもあるけれど、 そのぶんものごとは新鮮で感動に満ちている。 もちろんそういう日々はあっという間に過ぎ去り、 気がついたときにはもう永遠に失われてしまっている ということになるわけだけれど、 でも記憶だけは新鮮に留まって、 それが僕らの残りの(痛々しいことの多い)人生を けっこう有効に温めてくれる。 エッセイ すごくさらさらと書かれている文章 掲載されていた雑誌『anan』の読者層を意識してのことか? ■08.06『クララ白書1』読了 氷室 冴子 著 コバルト文庫 姉さん、元気ですか。パパやママ、建ちゃんもお変わりないでしょうね。 小説 かつて一世を風靡したジュニア向け小説が 装いを新たに発売されたもの 主人公たちが素直でいいね わがままじゃなくて ■02.06『きみにしか聞こえない』読了 乙 一 著 角川スニーカー文庫 わたしはおそらくこの高校で唯一の、携帯電話を持っていない女子高生だ。その上、カラオケにも行かないし、プリクラも撮ったこともない。今時こんな人間は珍しいと、自分でも思う。 校則では禁止されているけれど、携帯電話なんてだれでも持っている。正直なところ、教室でクラスメイトがちらつかせるたびに、平静でいられなくなる。 絶望は苦しかった。 生きるのも辛く、この世のすべてが憎く感じた。 一切のものが私を否定し、 自分だけ巨大な暗闇に取り残された気がした。 短編小説集 けっこうなペースで作品を発表してはりますね ■30.05『ぶたぶたの休日』読了 矢崎 在美 著 徳間デュアル文庫 今日届ける予定の荷物をチェックしながら、樋口新一は一つの箱に目を留めた。日付指定−−−つまりは今日六月十七日に届ける予定の薄くて軽めの荷物だ。別に怪しいものではない。問題は、その受取人名だ。 山崎ぶたぶた様 何かが目の前に開けること −−−輝かしい未来があるなんて、信じていた頃が、なつかしい。 それはその頃の自分にとって、約束された未来だった。 そうなって当然のものだと思っていたのだ。 けれど今は、その約束された未来と、 自分が勝手にあきらめていた行く末が、さほど変わらない気がしてきた。 それは両方とも、それしかない、そうでなければ自分は幸せではない、 と思うことから始まっているからかもしれない。 中編連作小説集 ぶたぶたさんに会いたい |
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