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2001年6月に読んだ本
 new昔、火星のあった場所 超・殺人事件 九つのメルヘン殺人 ←new
 妖都 船上にて 豚が飛んだら いくつもの週末  
 この世界のぜんぶ 村上ラヂオ クララ白書1
 きみにしか聞こえない ぶたぶたの休日    
 *実験続行中。本文の一行目を
 あらすじのかわりに抜粋させてもらうことにしました。 





25.06『昔、火星のあった場所読了
北野 勇作 著 徳間デュアル文庫
いつのまにか、それが何を意味しているのか、わからなくなってしまった。だからといって別に困っている訳でもないんだ。すこしは寂しくはあるけれどね。ま、そんなのも悪くはないだろうさ。うまくいけば、物好きな女の子が同情してくれたりするかも知れないし、もっとうまくいけば、他にもいろんなことをしてくれたりするかも知れない。

 風の強い夕暮れどきに、
 それらが喉の鳴るような音をたてて
 揺れるのを歩道橋のうえから眺めるのは、なかなかいいものだ。
 そんなとき、例えば女の子の肩を右手でだいていたりすると、
 なおさらいいのだった。
 それだけで、淋しくてなにやら物悲しい感じを楽しむことができる。


長編ファンタジー
『かめくん』と同じく世界のあちら側とこちら側が
テーマに描かれているお話なのだけれど
こちらの方が話しに入りやすく分かりやすい

24.06『超・殺人事件読了
東野 圭吾 著 新潮社
『氷の街の殺人 第十回』
ついにここまで来たかと、芳賀は旭川の駅前に立って、思った。逸見康正は、この街のどこかにいるに違いない。雪に覆われた路地には、無数の足跡がついていた。その中には逸見のものもあるのではないかと、ふと彼は思った。

 今の世の中、のんびりと本を読んでいられる
 余裕のある者などいやしない。
 本を読んでいないということに罪悪感を覚える者、
 本好きであったという過去に縛られている者、
 自分を少々知的に見せたい者などが、
 書店に足を運ぶにすぎない。
 彼等が求めているのは、本を読んだ、という実績だけなのだ。


短編小説集
笑わせて貰ったけれど
誇張されて描かれてはいるものの
こんな状態でいいのか
出版業界及びそれを取り巻く人々!
と考えさせられた

23.06『九つのメルヘン殺人読了
鯨 統一郎 著 光文社カッパノベルス
僕はマスターが酔い始めていることに気がついた。<世界一統>を頼んだのに<東一>が出てきている。それとも酔ったのは僕の方なのか?あまり自信はない。無口な僕が少し喋りたいと感じ始めている。ここは渋谷区にある日本酒バー。日本酒をワイングラスに注いで客に出す嫌みなバーだ。

 

短編連作小説
『邪馬台国はどこですか』の流れにある作品

17.06『妖都読了
津原 泰水 著 講談社文庫
黄昏。たそがれ−−−。
賑やかな街が廃墟の顔を見せる瞬間がある。ふとした拍子にだれもいなくなる。車の行き来も途絶える。真空に放りこまれたように一切の音が消える。動きがやむ。都市という巨大な生命が、悠久の果てを夢みるひとときだ。

 目を見開き、耳を澄ませるのは、危険だ。
 あらゆる人間が未必の故意のなかで生きている。
 常に社会への不徳や自然への造反に肌を接している。
 それに自分が気づけば、沈黙は罪となる。
  安全なのは、気づかないこと、知らないこと。


小説
ホラーというより幻想小説とよびたい
血みどろのシーンより登場人物の脆い美しさが印象的

16.06『船上にて』読了
若竹 七海 著 講談社文庫
川村静馬がこの道を歩くのは、ほぼ七年ぶりになる。大学への道であった。彼が通っていた当時は、人通りこそ多いものの、なんとはなしに寂れていて、くすんだような色あいの店が連なっていたように思う。もっともそれは、大学在籍当時の彼の気持ちを反映した記憶なのかもしれなかった。就職も決まらず、片思いの相手に男ができてしまった当時の。

 十一月っていやな月ね、というセリフの出てくる小説が確かにあった。
 わたしはその言葉に全面的に賛成する。


短編小説集
かなり前(といっても8年ほど前)に書かれた文章が集められている
作者の感覚にひやりとさせられるものが多かった

12.06『豚が飛んだら読了
ロビン・シスマン 著 ソニー・マガジンズ
フレイヤは素早く服を脱いで下着姿で立ちつくし、鏡に映った自分の姿をじっくりと見つめた。今夜はマイケルに最高の自分を見せたい。家に帰って着替える時間がないので、オフィスの階下の狭苦しい女子トイレで間に合わせなければ。

 あの子を見ていると、
 大枝によじ登って帰れなくなった猫を思い出す。
 でもわたしは助けに行けないからね


小説
今時の売れ筋小説らしい出だしとでも申しましょうか
さくさくした感じで読めますがそれだけって感じ

11.06『いくつもの週末読了
江國 香織 著 集英社文庫
大きな公園のそばの小さなマンションに引越して二年になる。春には近所じゅうに溢れるように桜が咲き、秋には紅葉がいい音で風に揺れる、きれいだけれどちょっと不便−−−駅が遠く、食料や日用品を買うお店も遠い−−−な住宅地だ。

 甘やかしたり甘やかされたりするのは大人の特権だ


エッセイ
結婚して数年後にもう一度読み返してみたいかも

09.06『この世界のぜんぶ読了
池澤 夏樹 著 早川 良雄 絵 中央公論社

 酒

 「飛光よ
 飛光
 いっしょに
 飲もうや」

 李加は黄色い砂漠に立って
 色の薄い高い空を飛んでゆく光に
 呼びかける
 砂の上に対座して
 酌みかわす冷たい酒
 肴はいらない
 女もいらない
 談論風発
 人生は短すぎるという嘆きを
 彼らは百年あまり語り合った

 飲むならそういう酒がいい


詩集
旅に出たくなる
風を感じたくなる
誰かと一緒にいきたくなる

09.06『村上ラジオ読了
村上 春樹 著 マガジンハウス
このあいだクローゼットの服を整理していたら、スーツを5着も所有していることが判明した。ネクタイも20本くらいあった。でも記憶をたどってみると、過去3年の間にスーツを着たことなんてたった一度しかないし、ネクタイだって年に数回しめるかどうか。なのにどうしてこんなにスーツを持っているんだろうなと、自分でも首をひねってしまった。

 でも10代後半くらいの少年少女の恋愛には、
 ほどよく風が抜けている感じがある。
 深い事情はまだわかってないから、
 実際面ではどたばたすることもあるけれど、
 そのぶんものごとは新鮮で感動に満ちている。
 もちろんそういう日々はあっという間に過ぎ去り、
 気がついたときにはもう永遠に失われてしまっている
 ということになるわけだけれど、
 でも記憶だけは新鮮に留まって、
 それが僕らの残りの(痛々しいことの多い)人生を
 けっこう有効に温めてくれる。


エッセイ
すごくさらさらと書かれている文章
掲載されていた雑誌『anan』の読者層を意識してのことか?

08.06クララ白書1読了
氷室 冴子 著 コバルト文庫
姉さん、元気ですか。パパやママ、建ちゃんもお変わりないでしょうね。

小説
かつて一世を風靡したジュニア向け小説が
装いを新たに発売されたもの
主人公たちが素直でいいね 
わがままじゃなくて

02.06きみにしか聞こえない読了
乙 一 著 角川スニーカー文庫
わたしはおそらくこの高校で唯一の、携帯電話を持っていない女子高生だ。その上、カラオケにも行かないし、プリクラも撮ったこともない。今時こんな人間は珍しいと、自分でも思う。 校則では禁止されているけれど、携帯電話なんてだれでも持っている。正直なところ、教室でクラスメイトがちらつかせるたびに、平静でいられなくなる。

 絶望は苦しかった。
 生きるのも辛く、この世のすべてが憎く感じた。
 一切のものが私を否定し、
 自分だけ巨大な暗闇に取り残された気がした。


短編小説集
けっこうなペースで作品を発表してはりますね

30.05『ぶたぶたの休日読了
矢崎 在美 著 徳間デュアル文庫
今日届ける予定の荷物をチェックしながら、樋口新一は一つの箱に目を留めた。日付指定−−−つまりは今日六月十七日に届ける予定の薄くて軽めの荷物だ。別に怪しいものではない。問題は、その受取人名だ。
山崎ぶたぶた様

 何かが目の前に開けること
 −−−輝かしい未来があるなんて、信じていた頃が、なつかしい。
 それはその頃の自分にとって、約束された未来だった。
 そうなって当然のものだと思っていたのだ。
 けれど今は、その約束された未来と、
 自分が勝手にあきらめていた行く末が、さほど変わらない気がしてきた。
 それは両方とも、それしかない、そうでなければ自分は幸せではない、
 と思うことから始まっているからかもしれない。


中編連作小説集
ぶたぶたさんに会いたい


 
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