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■03.08 『灰色の砦』読了 篠田 真由美 著 講談社ノベルス 1995年12月31日、大晦日の午後三時。俺、すなわち栗原美春二十六歳男子は、こたつにずっぽり足をつっこんで、動かすのはみかんの皮を剥いては口に運ぶ手ばかりという、伝統的な日本の冬の快楽を、至極のんびりと満喫していた。 そういう寒いところなら、生きることに必死でいられるからさ。 ぼおっとどうでもいいようでいたら生きていけないところなら、 必死になって生きたいって思えるじゃねえか。 そんで自分が間違いなく生きてるってことが、 あらためて感じられるじゃねえの。そういう思いがしてみたいのさ。 長編推理小説 ライトねえ。 ■02.08『翡翠の城』読了 篠田 真由美 著 講談社文庫 記憶の中で世界は、どこまでもあかい。赤。そして金。山の端にかかった落日の投げる、部屋いっぱい、目眩いばかりの朱赤の光。 長編推理小説 建築のお勉強しましたっという感じが にじみ出ている ■27.07『玄い女神』読了 篠田 真由美 著 講談社ノベルス がらんとした部屋の中央、古びて半ばつぶれかかた籐の寝椅子に仰向けて倒れて、男は死んでいた。手足はだらしなく四方に投げ出され、足の先には黒いゴム・サンダルが、脱げたままの場所に放り出されていた。 自分を弱者と呼んで、 そこに座りこむことで誤魔化せるくらいの苦痛なら、 いっそ初めから口になどしないがいい 長編推理小説 建築探偵ってサブタイトルがついているわりに 建築ネタが出てこない ■26.07『誰もわたしを愛さない』読了 樋口 有介 著 講談社 光の中を桜の花びらが軽快に散りさわぐ。花びらはベンチに散り、コンクリートの舗装面を流れ、子供たちの靴にけられて悠長に舞踏する。 「真理というのは意外に論理とは無関係な場所にあるものです」 長編推理小説 女子高生について考えよう ■21.07『フリッカー式』読了 佐藤 友哉 著 講談社ノベルス 過去を振り返る、或いは時間を遡ると云う行為に対して『弱い』とか『後ろ向きだ』とか野次を飛ばす人間が意外と多いこの世の中だが、しかしその誘惑には誰一人として逆らえない。だから僕は人生最後の幸福期として記憶に焼きついたその日を、物語の一番最初に話そうと思う。 女性心理ほど、適当で嘘吐きで聡明で綺麗なものはないと感じた。 長編推理小説 おしゃれもトレンドもそこそこ知ってるらしいんだけど そういう記述箇所だけ浮き気味 ■21.07『硝子細工のマトリョーシカ』読了 黒田 研二 著 講談社ノベルス 初めてその部屋に足を踏み入れた人間は、大抵同じ表情を見せて凍り付く。だらしなく半開きとなった口。大きく見開かれた目。異世界に飛び込んできたかのような、大袈裟なリアクション。その表情はやがて、怖気と軽蔑の念がないまぜになった複雑なものへと変化していく。そんな思いを表面に出してはいけないと慌てて取り繕う様相が、また無性におかしかったりもするのだが、この日やって来た青年は、これまでのパターンかかかずいぶんと逸脱して、僕を激しく困惑させた。 長編推理小説 劇中劇 マトリョーシカってタイトルから 臆して知れ ■14.07『夜のフロスト』読了 R.D.ウィングフィールド 著 創元推理文庫 老女の名前は、ヘインズ夫人といった−−−メアリー・ヘインズ。だが、彼女のことをメアリーと呼ぶ人は、今ではもうひとりもいなかった。何年もまえに、夫に先立たれてしまってからは。七十八歳の彼女は、自宅の玄関先に立ったまま、恐ろしさに震えていた。 この仕事をしていると、胸くそ悪くなるようなことを、 それこそ山のように眼にするんだよ、坊や。 そのたびに深刻に受け止めて、 くよくよ考え込んでたりした日には、 いずれ突っ走ってきたバスのまえに身を投げる羽目になる。 マレットはさぞかし悦ぶだろうけど、 それで被害者が救われるわけじゃない −−−だから、おれは冗談を言う。 冗談を言ってりゃ、因果な仕事の因果な部分を引き受けるのが、 いくらかは楽になる。けど、気に障ったんなら謝るよ 長編推理小説 たくさんの困難な仕事を一時に抱えてつつも(抱えるが故に) 次々と解決していく姿はなんともいえず羨ましい ■14.07『海泡』読了 樋口 有介 著 中央公論新社 雲は発泡スチロールのように白く、空気には太陽が匂っている。 東京の竹柴桟橋を出航してから二十六時間、小笠原丸は茫洋と二見港に入っていく。舷側を小型漁船やプレジャーボートが出迎え、七月末から一ヶ月、島はささやかな状況を展開する。 平凡に生きる美しさって、評価されにくいけどな。 でも自分の人生を評価するのは、他人じゃなくて、自分だ 長編小説 この人の作品には気怠げな美人がよくでてくるけれど タイプなんでしょうかね ■04.07『カレーライフ』読了 竹内 真 著 集英社 人は死ぬものなのだと知ったのは、カレーライスを食べた後だった。その死が僕とカレーを結びつけ、もう一つの死が僕の背中を押した。長く奇妙なその旅に、僕の平穏な生活は丸ごとのみ込まれていた。それでも僕は、カレーライスが大好きだ。僕らみんなが、何か大きなものに包まれているような気がするのだ。 ゼロになるのが恐いんだったら何かになりゃあいい。 簡単なことじゃん。 長編小説 わたしもカレーライス大好きです 若い著者の若い作品 これからが楽しみ ■03.07『ミドリノツキ 上』読了 岩本 隆雄 著 ソノラマ文庫 「ほんとにとぶの?ナオくん」幼稚園の制服を着た馨が、瞳を輝かせて言った。「はね、ないのに、とべるの?」「ピョンだて、なね、ないだろ」自信満々で答えた尚顕は、小高い緑に覆われた岡の上から見下ろした。こんなに綺麗な、広々とした、空が近い草原を見たのは生まれて初めてだった。 結局、人って自分が考えたいようにしか考えないのかもね サイエンスフィクション 『星虫』から始まるシリーズ3部作以降10年近く作品を 発表されていなかったのが 復活! |
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