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■13.08 『上と外6』読了 篠田 真由美 著 講談社ノベルス 二十世紀に起きた最大の地震と言われるのは、一九六〇年五月二十二日に発生したチリ地震である。現地時間一五時十一分、チリ南部沖合でマグニチュード九.五を記録した地震は、一千キロに亘って地殻変動を引き起こした。 どんな目に遭っても、前進するためには 頭を切り替えて考えることが大事なのだ、 落ち込んだり悩んだりしている時間があるというのは贅沢なことなのだ、 ということが身体に刷り込まれていたのである。 また、その反面、彼女はこうやって泣いたりわめいたりすることも 必要なのだということを本能的に感じ取っていた。 とにかく泣きわめくということにはカタルシスがある。 感情を爆発させるという行為には鎮静効果があって、 なぜかは分からないが、そのあとで考えたことは それ以前の自分より進んでいるような気がした。 長編?冒険小説 トリプルかと思いきや結 ■13.08 『上と外5』読了 恩田 陸 著 幻冬舎文庫 犬が吠えている。 それも、一匹や二匹ではない。うちで飼っているトトの声以外にも、何匹かの犬が神経質に吠えているのが聞こえる。 要するに人間は何にでも慣れるのだ。 どんなひどいことにも、その時は最悪だと思っても、 見方さえ変えれば最悪に底はない。 長編?冒険小説 二回転半 ■13.08 『上と外4』読了 恩田 陸 著 幻冬舎文庫 千華子はオレンジ色の夢を見ていた。彼女の意識はこれが夢だということをどこかで承知していたが、どこでその夢を見ているのかという点で混乱していた。千華子の意識からは、家族でG国に来てクーデターに遭遇し、ジャングルに取り残されて過酷な時間を過ごし、今もまだ引き続きハードな状況にあるという認識がすっぽり抜け落ちていた。 「よい」「わるい」というのは一つじゃないってことさ。 時によって、場所によって、相手によって、 どんどん変わっていくし、 学校の規則みたいにいつも定まってるわけじゃない。 長編?冒険小説 転 ■13.08 『上と外3』読了 恩田 陸 著 幻冬舎文庫 かつて起きたことを想像するのはとても難しい。例えばTVでニュースを見ていたとする。どこかで火事があったらしい。二階建ての家屋が昨夜遅く全焼しました。焼け跡から四人の遺体が見つかりました。この家に住んでいた一家四人と見られています。 いつからだろう。どこが分岐点だったのだろう。 長編?冒険小説 承 ■13.08 『上と外2』読了 恩田 陸 著 幻冬舎文庫 AP通信によると、中米G国にて九日午前、軍事クーデター発生。詳細は不明だが、かねてより軍内部で深刻な派閥闘争があり、過去十年間にも数回のクーデター未遂事件が発生しており、そのいずれかのグループが今回決起したものと思われる。 女は女の美しさに嫉妬するのではない。 女だって美しい女が好きだ。 自分と違うタイプの美しさであれば、たいていは受け入れられる。 美しいひとがいればそばに行って鑑賞したいと思う。 素直に綺麗ねと驚嘆することができる。 女が女に嫉妬するのは、彼女の受けるであろう幸運や、 彼女を待つであろう素晴らしい未来に嫉妬するのだ。 長編?冒険小説 起〜承 ■13.08 『上と外1』読了 恩田 陸 著 幻冬舎文庫 科学の進歩は必ずしも人間を幸福にするわけではない。 この今さらSFアニメでも使わないような手垢の付いたフレーズを、これほど身に染みて実感させられるはめになろうとは、楢崎練は夢にも思っていなかった。 後悔っていうのはこの世で一番くだらないもんの一つだ。 何も生み出さないし一銭にもなりゃしない。胸糞悪くなるだけだ。 成功も失敗も一つの過程、一つの結果に過ぎないんだよ。 そこでおしまいじゃない。 長い長い流の途中なんだ。 成功と失敗に人は一喜一憂するが、どちらにも必ず原因がある。 後悔したり愚痴を言ったり自慢する暇があったら、 じっくり冷静に原因を考えるんだな。 長編?冒険小説 起 ■13.08 『スメルジャコフ対織田信長家臣団』読了 村上 春樹 著 朝日新聞社 「なあなあ、おむっちゃん。聞いた?」園児を送り出して日報も書き、ロッカールームで帰り支度をしている時に、わたしの背後に忍び寄ってきてそう囁きかけてきたのはもちろん野坂先生だった。 友達は決して永遠ではありませんし、 恋人に必ず別れが来るとは限りません。 こわがらずに前に進んでください。 それしかないじゃないですか。 後ろを振り返っていたら、どこに行けません。 もう元に戻れないのなら、しっかりと前に進みましょう。 読者とのメールのやりとり ■13.08 『人形はライブハウスで推理する』読了 我孫子 武丸 著 講談社ノベルス 「なあなあ、おむっちゃん。聞いた?」園児を送り出して日報も書き、ロッカールームで帰り支度をしている時に、わたしの背後に忍び寄ってきてそう囁きかけてきたのはもちろん野坂先生だった。 他人に知られても平気なことが、 家族だと恥ずかしかったりするのはなぜなんだろう? 短編推理小説集 久々の人形シリーズ キャラが力を持ちすぎているような気がする ■13.08 『凍りついた香り』読了 小川 洋子 著 幻冬舎文庫 ウィーン・シュヴェヒャート空港からプラハへの乗り継ぎ便は、五時間遅れた。どうしてそんなことになるのか、誰に尋ねても本当のことは教えてくれなかった。うんざりしたように首をすくめるか、私の知らない言葉を早口で並べ立てるだけだった。 過去はそこなわれません。 決定されたことが覆せないのと同じように、 誰かが勝手にいじることなんてできません。 そうやって記憶は保存されてゆきます。 たとえその人が死んだあとでも 長編小説 狂おしいほど愛した人を突然なくした主人公の気持ちが しんしんと伝わってくる ■13.08 『月蝕の窓』読了 篠田 真由美 著 講談社ノベルス 『栃木県下で起き、現在まで犯人が逮捕されていない迷宮入り事件のひとつに、印南家事件がある。この事件は一九八六年三月二十六日、那須高原の一角に建つ明治時代の洋館で勃発した。犠牲になったのは三谷圭子(二十八歳)と小笠原フク(六十一歳)の二女性である。』 人が意志をもって出来ることは、限られている。 長編推理小説 蒼がいつでてくるのか期待して読み進めていたら オイ! ■13.08『原罪の庭』読了 篠田 真由美 著 講談社文庫 薄墨色の暗がりを背景にして、ほの白い顔が浮かんでくる。顔といってもくせのない前髪が長く垂れかかってそのほとんどを覆い隠し、見えるのは絖のようにすべらかな細い顎と、きつく結ばれた口元だけだ。ぼやけた世界の中で、それ自体が淡い光を放っているかのように鮮明な像を結んでいる、顔。その映像はいまでもときおり、ぽっかりと一枚の絵のようにぼくの中に浮かんでいる。 でも、身勝手に一方的に思いこんで、 他人に期待して、相手がそれから外れたといって、 裏切られたと騒ぐような、甘ったれた真似だけはしたくないんです。 そんな醜態を晒すくらいなら、 傲慢だと非難される方がはるかにましです 長編推理小説 目次の後についている建物の 立面図と屋根伏図のあまりの出来に絶句 ■04.08『泣く大人』読了 江國 香織 著 世界文化社 自分の人生に予定をたてた覚えはないのだが、予定外だ、と思うことはしばしばあって、可笑しいと思う。予定がないのに、予定外はあるのだ。 雨と暮らし始めたのも、そんなふうにしてだった。雨というのは犬の名前。雨は健康で、おどろくほど性質がまっすぐだ。 ・一人ぼっちの淋しい女みたいに犬を溺愛するんじゃない。 犬はいずれ死ぬ。 そのとき、孤独なヒステリー女みたいに泣いたり騒いだりしないでくれ。 父はそう言った。 ・ すべて知れないからといって、知る努力をしないのは、 怠惰というんじゃないかな 最も早いもので1991年から現在までのエッセイをちらほらまとめたもの タイトルは『泣かない子供』と対になるような形 考えるとわたしじしんも泣かない子供時代をすごし 泣く、泣いてしまう、泣ける大人になってきた |
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