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■ 『残光』 東 直己 著 角川春樹事務所/2000.09 発行 かつての恋人の息子を救うため、伝説の男は再び現れた。(〜帯より) 可能性と確率を間違えると、お父さんが、 「それは違うぞ、恵太。言葉はちゃんと使いなさい」と言う。 この場合は、確率ではなくて、可能性だ。僕が間違っている可能性。 そのことを、どうやって確かめればいいのだろうか。 自分が、見た、と思っていることと、 みんなが言っていることが違う時、 どうやって確かめればいいのだろうか。 長編小説 日本推理作家協会賞受賞作 『フリージア』の続編で、尚かつ 他シリーズの登場人物も客演している ■ 『流れる砂』 東 直己 著 角川春樹事務所/1999.11 発行 誰も触れるな、誰も近づくな もう、誰も喪うな その事件は、些細なマンションの苦情から始まった 次第に拡がる現代の深い闇(〜帯より) 「必要だ、というのと、欲しい、というのは違うよな」 「そうだな」 「必要、ってのには目的がある。欲しい、というのは目的がない。 俺は目的のない、無意味な人生が嫌いなんだ」 長編小説 畝原シリーズ第二段(の筈) ■ 『探偵はバーにいる』 東 直己 著 ハヤカワ文庫/1995.08 発行 札幌の歓楽街ススキノで便利屋をなりわいにする<俺>は、いつものようにバーの扉をあけたが……今夜待っていたのは大学の後輩。同棲している彼女が戻ってこないという。どうせ大したことあるまいと思いながら引き受けた相談事は、いつのまにか…(〜裏表紙より) 「あなたは神様を信じますか?」 俺がそう言うと、おばさん面は縦長になり、左右に細かく動く。 「俺もだ、でも確信はないんだ」 長編小説 ススキノシリーズ第一段 何カ所か不自然なところもあるデビュー作 ■ 『フリージア』 東 直己 著 ハルキ文庫/2000.09 発行 過去を隠し、人目を避けて山奥で暮らす榊原健三の許に、かつての暴力団仲間が現れた。その男が見せた数枚の写真には、髪型をかえて容貌は変わったが、健三が決して見間違うはずのない多恵子の姿が写っていた。(〜裏表紙より) 「まぁ、……ちょっと転職を考えてます。 興味があって入った業界なんですけどね。 仕事自体は好きですし、お客様の笑顔を見ると嬉しくなるんですが、 ……これはあれです、ありふれた決まり文句じゃないですよ。 実際に仕事をすると、そんなような、 平凡な感想が妙に実感を持ってくるんです」 長編小説 あえてジャンルわけすると 痛快ハードボイルド ■ 『沈黙の橋』 東 直己 著 ハルキ文庫/2000.02 発行 日本共和国(南日本)の情報機関所属の諜報工作員・岡田隆は、東日本で捕捉された潜伏工作員の救出のため、東西に分断された札幌へ向かった。(〜裏表紙より) 自由な精神を持つ人間が、肉体に限定され、 時間と空間のたったひとつの「点」に固定され、 どこかほかの時と場所へ移動するにも必ず連続していなければならない、 ということ。 これはどうしても不合理としか思えない。 長編小説 架空の国が舞台 この設定ではこの長さが限界か ■ 『待っていた女・渇き』 東 直己 著 ハルキ文庫/1999.12 発行 八年前、卑劣な罠で新聞記者を追われた畝原は、以来探偵として一人娘の冴香を養ってきた。ある日、畝原は娘の通う学童保育所で美貌のデザイナー・姉川明美と出会った。(〜裏表紙より) 「どこかおかしい。ひとりじゃとてもこなせない量の仕事が降りかかってくる。 なのに、それをふたりでこなそうとしても、 その仕事のギャラではふたりは食っていけない。 だから、仕事を増やす。するとふたりじゃこなせなくなる。 だからひとり雇うと、今度は三人じゃ食えなくなる。 どこかで、誰かが我慢しなきゃならねぇんだ。なんでだ? みんな、こんなに頑張って働いてるのに」 長編小説 北海道を舞台にしたハードボイルド 畝原シリーズ第一段 ススキノシリーズと比べ硬質 ■ 『六番目の小夜子』 恩田 陸 著 新潮社/1998.08発行 私たちの学校には三年に一度必ず行われる『行事』がある。他愛のないしきたりだった。なんの意味もない。どこかで表彰されるとか、栄誉を与えられるというわけでもない。それでもその『行事』は行われた。 ふだんさ、街の中でもさ、 この道は海に続いてるんじゃないかって思う道ない? 長編小説 今更ながらに再読 これが原点だとするなら 最近の恩田作品は進化それとも退化? ■ 『図書室の海』 恩田 陸 著 新潮社/2002.02発行 ある地方に伝わる奇妙なゲーム。秘密裏にゲームを引き継ぐ<サヨコ>のほかに、鍵を渡すだけのサヨコがいた−−−。(〜帯より) こうしてぼんやりと車窓からの風景を眺めるのが、私の至福の時だ。 頭を空っぽにしていると、普段の生活の下にしまいこまれていた さまざまな追憶の波が押し寄せる。 叫びだしたくなるような記憶、 切なくなるような記憶、 いつのものかも分からない記憶。 この状態に快楽を感じると同時に、恐れも感じる。 ずっと何日もこうしていたら、 いつか自分の追憶に飲み込まれてしまうのではないか、と。 自分の意識下にあるものに閉じ込められて、 永遠にこの電車に乗ったまま夢を見続けているのではないか、と--- 短編小説集 『六番目の小夜子』・『麦の海に沈む果実』の番外編を含む 短編はどうも苦手 ■ 『麦の海に沈む果実』 恩田 陸 著 新潮社/2002.02発行 ---湿原の真中に建つ全寮制の学園に、二月の終わりの日に転入してきた水野理瀬。彼女を迎えたのは、様々なしきたりや、奇妙な風習が存在する不思議な学校だった。(〜帯より) そう、私たちは皆、灰色の海にゆらゆらと漂っていた。 不確かな未来と、信じることのできない自分という波のはざまに。 長編小説 恩田さんお得意の内に閉じた学園もの 2月前半に読んだ『殺人鬼の放課後』に続編あり ■ 『陰陽師飛天ノ巻』 夢枕 獏 著 文春文庫 「童子のあやかしが出没し、悪さを働いているようだな、博雅」「よし。では、ゆくか晴明よ」。われらが都を魔物から守れ。(〜裏表紙より) 「おれは、本当は臆病なのだよ、(中略) 臆病なのだが、その臆病な自分を許したくない自分がいるのだよ。 その自分が、いつもおれを、 怖い方へ怖い方へと追いやってしまうような気がするのだよ。 それは、うまく言えないのだが、 自分が武士というものであるかららしいのだよ」 短編小説集 陰陽師シリーズ第二段 前作より人物がしっとり描かれている ■ 『呪禁官』 牧野 修 著 祥伝社ノンノベルス 殉職した父の遺志を継ぎ呪禁官になるべく葉車創作(ギア)は、養成所で授業、訓練に励んでいた。「呪術」が政治的経済的にも重要視される今日、呪禁官は違法呪的行為を取り締まる捜査官だった。(〜裏表紙より) 言い訳全然しないで黙っちゃうと、。 格好はつくかもしんないけど、誤解されるぞ スーパー伝奇小説 東洋西洋の呪術や魔術等満載 挿し絵は必要なかったんじゃなかろうか ■ 『空の境界(上・下)』 奈須 きのこ 著 竹箒 三月の終わり。雪の夜、僕は彼女に出会った。 そして長い昏睡から両儀式は目覚めた。後遺症として生まれた、物の死を視る眼。ナイフだけであらゆる物を”殺す”琴ができる力は、式を昏い世界へと誘っていく。(〜裏表紙より) 子供の頃はお化けが恐かった。 竹林の影が妖怪に見えて怯えたものだ。 けれど今は人間が恐い。 恐いのは誰かが竹林に潜んでいるんじゃないか、という錯覚だけだ。 ……いつから僕らは正体不明の存在が、 ただの見知らぬ他人なのだと知ってしまったのだろうか。(上巻より) 長編小説 実は初めて読んだ同人誌 少し極端かなと思う部分もあるが概ね良好 ■ 『貴婦人Aの蘇生』 小川 洋子 著 朝日新聞社 伯父さんの死から2ヶ月後、父が死んだ。経済的な問題から母と弟は父の実家に身を寄せることになり、私はユーリ伯母さんと一緒に住み面倒をみることを条件に学費を出してもらうことになった。 これは私の錨のようなものなのです。 これがないとふわふわして、 きちんと定まるべき場所に停泊できないのです 小説 老いとか、生とか、死とか、幸せってなんなんだろう ■ 『密やかな結晶』 小川 洋子 著 講談社文庫 記憶狩りによって消滅が静かにすすむ島の生活。人は何をなくしたのかさえ思い出せない。何かをなくした小説ばかり書いているわたしも、言葉を、自分自身を確実に失っていった。(〜裏表紙より) 世の中が引っくり返ったって、 これは絶対にわたし一人の所有物なんだと信じている物でも、 実は案外あっさり自分から離れていってしまうのかもしれません。 身体をばらばらにし、他の人のと混ぜ合わせて並べ、 「さあ、自分の左目玉を探しなさい」と言われても、 きっと正解するのは難しいでしょう。 小説 上のような文を引用しておいてなんなんだが どろどろじゃなく ひんやりさらさらとした空気が流れている ■ 『シュガータイム』 小川 洋子 著 中公文庫 三週間ほど前から、わたしは奇妙な日記をつけ始めた---。春の訪れとともにはじまり、秋の淡い陽射しのなかで終わった、わたしたちのシュガータイム。(〜裏表紙より) 彼は必ずわたしに何かの”感じ”をもたらす。 その”感じ”がたとえ淋しさや悲しさに似ていても、 わたしな決して苦しくない。 苦しいどころか、じんと震える自分の気持ちをゆっくり大切に味わっている。 小川洋子初めての長編小説 自身があとがきで記しているとおり 「満足に熟さないで落ちてしまった、固すぎる木の実」のような作品 ■ 『妊娠カレンダー』 小川 洋子 著 文春文庫 出産を控えた姉と一緒に暮らす妹を描いた芥川賞受賞の表題作の他、二編を収めた作品集。 義兄のそういう不調を、姉は優しさだと思っているようだ。 無理矢理クロワッサンを飲み込んでいる姉の背中を撫でながら、 義兄は青ざめた表情で自分の胸を押さえている。 二人は傷ついた小鳥のように寄り添い、 早くから寝室に入って朝まで出てこない。 わたしには、義兄がとても惨めに見える。 彼には、気分が悪くなる理由なんて一つもないからだ。 弱々しい彼のため息を思い出すと、苛立たしい気持ちさえする。 つわりでげっそりしているわたしのそばで、 フランス料理のフルコースを残さず平らげるような人を 自分は好きになりたい、とふと考える。 短編小説集 「妊娠カレンダー」での妹と姉の関係は 女流作家にしか描けないであろう 「ドミトリィ」も秀作 ■ 『バーにかかってきた電話』 東 直己 著 ハヤカワ文庫 いつものバーで、いつものように酒を呑んでいた<俺>は、見知らぬ女から、電話で奇妙な依頼を受けた。伝言を届け相手の反応を観察してほしいという。(〜裏表紙より) 俺たちは、生まれる環境も、生まれる国も、生まれる時代も、 自分の体も、自分の脳ミソすらも自分で自由に選べないのに、 いきなり生まれさせられて、そして自分の人生の責任を押しつけられる。 それで楽しくやれる人間はそれでいいけれど、 ついて行けない人間はどうすればいいのだろうか。 小説 ススキノシリーズ第三段 ギムレット、アラスカ、ピンク・ジン、ボヘミアン ほろほろと悔し涙を流すハードボイルドの主人公なんて 初めてお目にかかった ■ 『向う端にすわった男』 東 直己 著 ハヤカワ文庫 ある夜<俺>のところに、結婚詐欺にまつわる依頼が舞い込んだ。詐欺を仕組んだのは元一流商社マンの伊野田という男だという。(〜裏表紙より) バーテンダーのほかには自分しかいない、という酒場では、 時間が止まる。時間ばかりか季節も歴史も止まってしまう。 また、そうじゃなければ、バーじゃない。 などというようなことを考え始めるのは、相当酔ってきた証拠だ。 それはわかっているのだが、グラスの露はいくら眺めても見飽きない。 一方、岡本も多田も、グラスやタンブラァをいくら磨いても磨き飽きないらしい。 自由、というのはこういうことだ。平等と博愛のことはよくわからないけれど。 短編小説集 ススキノシリーズ第二段 マティニ、ギムレット、ハワイアン・ライン 拙さがありながらも、人とのやりとりが鮮やかに描かれている ■ 『消えた少年』 東 直己 著 ハヤカワ文庫 学校では問題児扱いだが映画が大好きな中学生、翔一と知りあい意気投合した<俺>。(〜裏表紙より) うるせぇな。 誰でも、自分の傷を自分で縫い合わせて 生きて行かなくちゃならねぇんだよ。 ガタガタ抜かすな 小説 ススキノシリーズ第4段 ギムレット、ピンク・ジン、ハワイアン・ライン、ベルモット・リンス 今まで読んできたハードボイルドとは確かに違う雰囲気をもつ作品 どうしようもない”暗闇”だけでなく 何とも言えない”明るさ”が書かれているからだろうか ■ 『風に桜の舞う道で』 竹内 真 著 中央公論社 いつまでも遠くならない記憶がある。あのころ僕達は分かれ道にいた。あれから十年、いろんなことがあったけど、僕らは今も歩き続ける(〜帯より) みんないろいろ言ってはいるけれど、 批判してるだけでどうなるもんでもないだろ? とりあえず批判しとけばいいみたいな記事って、 読んでて納得もするんだけど、 批判だけで完結しちゃってる気もするんだよね 青春小説 ■ 『ウロボロスの基礎論』 竹本 健治 著 講談社ノベルス 実在のミステリ作家らを襲う奇想奇天烈な”うんこ事件”。竹本健治の連載ミステリに混在する眩惑と戦慄の物語。綾辻行人、小野不由実、笠井潔、新保博久、法月綸太郎、摩耶雄嵩、山口雅也が推理合戦を展開、小説ジャックまで強行される。世界は朦朧胡乱の淵に転落した!(〜裏表紙より) ただ、作家にとって読者というものは、 最大の味方であると同時に、 どうしようもなく最も憎むべき敵なのだ。 小説 『ウロボロスの偽書』に続く第二段 現在『ウロボロスシリーズ』第三段が連載中 前回と比較すると、バランスがとれすぎている ■ 『クビキリサイクル』 西尾 維新 著 講談社ノベルス 絶海の孤島に隠れ住む財閥令嬢が”科学・絵画・料理・占術・工学”、五人の「天才」女性を招待した瞬間、”孤島×密室×首なし死体”の連鎖がスタートする!(〜裏表紙より) 後悔するという行為には心を休ませる意味があるらしい。 とりあえず後悔だけしておけば、 今目の前にある問題から逃げることができる。 悪いのを全部昔の自分にしてしまって、 だから、それは、とりたてて自責てわけではなくて。 後悔している間は正しい自分でいられるから。 推理小説 第二十三回メフィスト賞受賞作 「京都の二十歳」としてデビューだそうだ 正直なんだかよくわからない ■ 『殺人鬼の放課後』 恩田陸他 著 角川スニーカー文庫 殺人鬼こそ本格ミステリの主役!?湿原に建つ全寮制の学校。悪意のゲーム『笑いカワセミ』に挑むのは、美貌の少年ヨハン!(〜裏表紙より) ねえ、解決するなら早くしてね、名探偵。 前にも言ったことがあるけど、 あたし、登場人物のほとんどが死んでから解決する名探偵が大嫌いなの ミステリ・アンソロジー 恩田陸、小林泰三、新津きよみ、乙一が参加 印象的なのはやはり乙一のものか ■ 『陰陽師』 夢枕 獏 著 文春文庫 平安時代。闇が闇として残り、人も、鬼も、もののけも、同じ都の暗がりの中に、時には同じ屋根の下に、息をひそめて一緒に住んでいた。阿部晴明は従四位下。大内裏の陰陽寮に属する陰陽師。(〜裏表紙より) ものの根本的な在様を縛るというのは、名だぞ 短編小説集 今更ながらに読んでみた 無難に楽しめる作品 |
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