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■ 『翼はいつまでも』 川上 健一 著 集英社/2001.07 発行 「この11年、どういう事情で筆を断っていたのか、私は知らない。突然ゲラが送られてきて大変嬉しかった。そうあのである。本書は実に久々の、川上健一の新作なのである。すごいぞ、これが、本書のミソは中学3年の夏休みが描かれる第二章だ。十和田湖で過ごす数日の出来事が初恋と友情と旅立ち、という中学生小説の王道に読者を案内する。目頭が熱くなる感動的な野球小説であると同時に、これは元気のでてくる中学生小説なのである」/北上次郎(〜帯より) 早く大人になりたい。 ぼくは本気でそう思った。もう命令も服従もうんざりだ。 長編小説 本の雑誌が選ぶ2001年度ベスト1 確かに「本の雑誌」が好きそうな本である 確かに過ごした筈の中学時代を思い返しながら (忘れていることが多いなあ) 大人の理不尽さにむかっぱらをたてていたころ (自分も大人になっちまったよ) を思い出しながら読む ■ 『第四の扉』 ポール・アルテ 著 ハヤカワポケットミステリ/2002.05 発行 オクスフォード郊外の小村に建つダーンリー家の屋敷には、奇妙な噂があった。数年前に密室状態の屋根村部屋で、全身を切り刻まれて芯だダーンリー夫人の幽霊が出るというのだ。その屋敷に霊能力を持つと称するラテイマー夫妻が越してくると、さらに不思議な事件が続発する。(〜裏表紙より) 中編推理小説 フランス語で書かれたイギリス舞台の小説 二転三転する結末と「謎にみちた」小説 ■ 『ふたり探偵』 黒田 研二 著 光文社カッパノベルス/2002.05 発行 北海道の取材を終えた向河原友梨らムック本の取材班は、寝台特急<カシオペア>に乗る。だが友梨は、取材旅行の直前、同僚の笹川耕平が失踪したことに不安を感じていた。彼はシリアルキラーJに関してある予言をしていたのだ。(〜裏表紙より) 長編推理小説 わたしも某有名寝台列車で旅行したことがある 関係者に聞くとあれは不倫列車というらしい 誰がどう出入りしようとようわからんもんねえ ■ 『物語が、始まる』 川上 弘美 著 中公文庫/2001.10 発行 くまにさそわれて散歩の出る。川原に行くのである---四季おりおりに現れる、不思議な<生き物>たちとのふれあいと別れ。心がぽかぽかとあたたまり、なぜだか少し泣けてくる、うららかでせつない九つの物語。デビュー作「神様」収録。デュマゴ文学賞、紫式部文学賞受賞。(〜裏表紙より) 好きっていうのは、好かれたいことよ 短編小説集 こうやって追っていくと 上手いだけあっていろんな賞をとってはるなあ と感心する そうかそうなるのかと、すとんと納得させられる ■ 『神様』 川上 弘美 著 中公文庫/1999.09 発行 いつもの暮らしのそこここに、ひっそり開いた異世界への扉---公園の砂場で拾った<雛形>との不思議なラブ・ストーリーを描く表題作のほか、奇妙で、ユーモラスで、どこか哀しい、四つの幻想譚。芥川賞受賞作家の初めての短編集(〜裏表紙より) 黙っている間は、何も考えていなかった。 婆の言う通りだった。 黙っている人間は、何も言う言葉がないから黙っているのだった。 しかし、黙っていない人間が言葉をたくさん持っているかというと、 そういうわけでもないのだった。 短編小説集 最初の一文だけでもぐいぐいと引き込まれる世界 とてもとても愛おしい ■ 『ブラック・エンジェル』 松尾 由美 著 創元推理文庫/2002.05 発行 一枚のCDから突然黒い天使が現れた!?カルト的な人を誇るアメリカのロックバンド<テリブル・スタンダード>のファーストアルバム、その中ほどに収録されているインストゥルメンタルの「ブラック・エンジェル」が流れた時、いきなりそいつが現れて、マイナーロック研究会の仲間を殺してしまったのだ!ミステリとファンタジーと青春小説が渾然一体となった著者の代表長編。(〜裏表紙より) 僕自身の表面、それが僕 長編小説 なんだかよくわからないものが出てくるだけでなく 登場人物たちの抱える不安が混ざり合っているからか 怖さを感じた小説 ■ 『夏のロケット』 川端 裕人 著 文春文庫/2002.05 発行 火星に憧れる高校生だったぼくは、現在は新聞社の科学部担当記者。過激派のミサイル爆弾事件の取材で同期の女性記者を手伝ううち、高校時代の天文部ロケット班の仲間の影に気づく。非合法ロケットの打ち上げと事件は関係があるのか。ライトミステリの筋立てで宇宙に憑かれた大人の夢と冒険を描いた青春小説。(〜裏表紙より) いつも前進していたいんだよ。ライク・ア・ローリングストーン。 この歳でコケむすのはゴメンだからね 長編小説 98年第十五回サントリーミステリー大賞優秀作受賞作 でもこれはミステリじゃないからその点を期待して読まないように 正しくは主人公になりきれない主人公の青春小説なのだ ■ 『あたしのマブイ見ませんでしたか』 池上 永一 著 角川文庫/2002.04 発行 カジマイの季節。オバァ初枝のもとに一人の少女が訪れる。冷たい肌をした少女はこのあたりでは見かけない顔。つかの間の沖縄の冬、少女との交流を通じてオバァの見たものは……(〜裏表紙より) 理子は占いの結果が不満だった。 恋の相手は、路に迷っているのか、はたまた野垂れ死にしてしまったのか、 二年前から遅刻してやってこない。 その待ち時間のあいだにも先月を含めて、 通算九人が理子のもとに辿り着けないでいる。 また、予言された数々の不慮のアクシデントも理子のもとに訪れていない。 彼女はかんがえる。ある日、今まで詰まっていた九人分の彼と、 十二回ものアクシデントが一挙にやってきたらどうしようと。 短編小説集 一九九九年に実業之日本社から刊行された『復活、ヘビ女』を 改題、加筆したもの 八つの短編が収められているが、やはり 「復活、へび女」が秀逸か 沖縄のあたたかだけでなく”今”も感じられる ■ 『クビシメロマンチスト』 西尾 維新 著 講談社ノベルス/2002.05 発行 鴉の濡れ羽島で起こった密室殺人事件から二週間。京都、私立鹿鳴館大学。「ぼく」こと”戯言遣い・いーちゃん”が級友・葵井巫女子とその仲間たちと送る日常は、古都を震撼させる連続殺人鬼”人間失格・霊崎人識”との出会いによって揺らめき脆く崩れ去っていく−−−。(〜帯より) ……他人の敷いたレールの上を走る人生なんて つまらないって言うけれどさ……、 自分の敷いたレールの上走るのでも、 どっちにしたって途中で嫌になったら同じだよな。 かと言って今更やめられないし。色々しがらみってもんがある 長篇小説 「京都の二十歳」の第二作 一作目と比べれば随分読みやすく わかりやすくなっていて、その変わりぶりに驚かされる 読んでいてふと思ったのだけれど 作者は実は女の子なんてこと、ないよねえ ■ 『朽ちる散る落ちる』 森 博嗣 著 講談社ノベルス/2002.05 発行 土井超音波研究所の地下、出入りが絶対に不可能な完全密室で、奇妙な状態の死体が発見される。一方、地球に帰還した有人衛星の乗組員全員が殺されていた。数学者小田原長治の示唆で事件の謎に迫る瀬在丸紅子は、正体不明の男たちに襲われる!(〜裏表紙より) そんな有限の中で、 人間は無限への畏怖を抱き、 有限の生の儚さを懐かしむ。 この傾向は、そもそも誰が仕掛けたプログラムだろうか。 長篇推理小説 Vシリーズ……え、もう第9弾? 今回は前作『六人の超音波科学者』にリンクしている話し 謎ときより恋話の方が印象的 ■ 『冬の旅人』 皆川 博子 著 講談社/2002.04 発行 十九世紀末、帝政露西亜。十七歳の川江環は、日本人で初めて画学生として留学をゆるされる。がんじがらめの女学院を抜け出し、混乱のペテルブルグ、流刑地シベリアと憑かれたように彷徨い、それぞれの土地で絵筆を執り続ける環。露西亜という船に運命を託した環は、やがて革命の大きな渦へと呑み込まれてゆく---(〜帯より) 敵がいるって、いいことよ 長篇小説 本年度上半期指3本に入る作品 すごいのひとことにつきる ■ 『サロメの夢は血の夢』 平岩 貴樹 著 南雲堂/2002.04 発行 ---以下の物語ではいわゆる「内的独白」の方法を試みて、登場人物たち各人が見聞きしたり心に思ったりしたことを、適宜そのまま記している。………心の中で嘘をつく人はいないから、人物たちは恒にありのままを言葉にしてしまう。極端に云えば、犯人は心の中で、自分こそ真犯人であると、気兼ねなく呟きだすかもしれないのだ。探偵小説では人物たちの心の中をむやみに覗くことは危険なのである。今回、そうした危険を何とかやり過ごしながら、本格的な犯人推理の物語を提供することが、私にとってはいくらかひねくれた、興味深い挑戦となった。---作者敬白(〜帯より) このナンセンスな時代、おちゃらけの時代に、 小さな心一つ、生命一つが、 こんなに重く沈み込んで人を支配するなんて、 笑止の沙汰じゃないか。 長編推理小説 ニッキ・サラシーナがワンシーンだけ登場していた 問いに対する答えは提示されるものの それ以外の謎は謎のままというのが良い ■ 『アイルランドの薔薇』 石持 浅海 著 光文社カッパノベルス/2002.04 発行 詩人・イェイツが薔薇にたとえたアイルランドの自由。その鍵を握る武装勢力NCFの副議長が、スライゴーの宿屋で、何者かに殺された!悲願のアイルランド和平実現を目前に控えた政治的な理由により、警察への通報はできない。外部犯の可能性も消えて、泊まり合わせた客は、NCFの手によって拘束された。誰が、なんのために---(〜裏表紙より) ぼろぼろの状態でなおかつ戦う。 これは一見格好がいいが、どう考えてもそれでは負けてしまう。 辛いときは素直に逃げ出して、英気を養ってから 再度戦い直した方がいい。 そうしたら逆転で勝つこともあるんだ 長編推理 西澤保彦さん推薦の作品 カッパノベルスから「カッパワン」というタイトルで 産み出された第一段で出版社側の力の入れようがうかがえる ■ 『江國香織とっておきの作品集』 江國 香織 著 マガジンハウス/2001.08 発行 フェミナ賞を受賞した処女小説「409ラドクリフ」を初収録。珠玉の中短篇小説とファンタジー、そしてビートルズ訳詩集、さらに異色絵本『夕闇の川のざくろ』もカラーで完全収録。父・江國滋の「香織の記録」と妹・晴子の「夢日記」も初公開。(〜表紙より) ほんとうのことをいうと、私は夕焼けがあまり好きじゃない。 情緒豊かすぎるのだ。 未発表作品集 「409ラドクリフ」は彼女らしさの良く出ている作品だったし 家族による香織への視点も収録されているので 作家として人間としての江國香織に興味のある人にはお薦め |
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