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2002年6月に読んだ本
 new→ 探偵くるみ嬢lの事件簿 法月綸太郎の功績
 まほろ市の殺人    
 樒/榁 笑殺魔 魔術探偵スラクサス  new
   落花流水 六月のうさぎ 十七歳のランナー
 妖霊星 溺レる おめでとう 
 
ワールドカップをみていた





 『探偵くるみ嬢の事件簿
東 直己 著 光文社文庫/2002.06 発行
暴力団の幹部が刺殺された!唯一の目撃証言が街中に与えたショックとは!?(「くるみ観音」)北海道さ来内別市は、原始林の中に突如出現したピンク街。安心して遊べる街だが事件も起きる。そんなとき警察が頼る名探偵が、人気風俗嬢・岸本くるみだ。明晰な頭脳と魅力的な身体で、今日も彼女が謎を解く!大真面目でユーモラス。爽やかな読後感保障つきの連作推理。(〜裏表紙より)

 
短編小説集
推理に期待してはいけない
東さんの作品だからといってむやみに買ってもいけない

 『法月綸太郎の功績
法月 綸太郎 著 講談社ノベルズ/2002.06 発行
殺人事件の被害者が残した「=Y」の文字は果たして何を意味する!?あのクイーンの『Yの悲劇』への愛あるリスペクトに満ちたダイイング・メッセージものの白眉『イコールYの悲劇』他、ロジカルかつアクロバットな推理が冴えわたる傑作ミステリ全五編を収録。法月綸太郎を超えるのは、やはり法月綸太郎でしかありえない!(〜裏表紙より)

 ずいぶん古くさいことを言いますね、お父さん。
 もう二十一世紀だというのに。
 フィクションさながらの荒唐無稽な犯罪は、
 現実にいくらでも例があるじゃないですか


短編小説集
ついに発売された法月作品
期待は裏切られることなく
今回も手堅い仕上がりとなっていた

 『まほろ市の殺人 冬
有栖川 有栖 著 祥伝社文庫/2002.06 発行
「真幌はどうかしている」冬になると、真幌の海に蜃気楼が現れる。満彦は五歳の頃、美しかった母に連れられて初めて兄弟たちとそれを見た。蜃気楼に手を振ってはいけない、と母に言われた。直後、こっそり手を振った長兄が事故死し、二十五年後の今、三千万円という金が残された兄弟の運命を翻弄する。(〜裏表紙より)

 
短編小説
神経質な主人公が登場する
これはかなり苦手な設定
しかし祥伝社さんはこの企画もうちょっと
練り直した方が良かったんじゃないか?

 『まほろ市の殺人 秋
麻耶 雄嵩著 祥伝社文庫/2002.06 発行
「早く乗せて!」非番の刑事天城勇の車に、女性が乗り込んで来た。真幌市在住の有名なミステリー作家闇雲A子だった。この春から十一件も連続して殺人事件が発生している。その「真幌キラー」をA子は追っているのだ。犬のぬいぐるみ、闘牛の置物、角材……。真幌市を恐怖のどん底に陥れる殺人鬼の正体とは?(〜裏表紙より)

 
短編小説
『まほろ市シリーズ』の中では
一番バランスが良かった作品

 『まほろ市の殺人 夏
我孫子 武丸 著 祥伝社文庫/2002.06 発行
真幌市に済む新人作家君村義一の許へファンレターが出版社から転送されてきた。送り主の住所も同じ真幌。執筆に行き詰まっていた君村は、四方田みずきとメールのやり取りで意欲もわき始め、まだ見ぬ彼女に恋をした。一度は彼女に会うことができたものの、彼女との連絡は突然とぎれ……。そして、思いを募らせる君村がとった行動が、思いがけない事件を呼ぶ!(〜裏表紙より)


短編小説
作品の長さと内容が上手くかみ合っていなかった

 『まほろ市の殺人 春
倉知 淳 著 祥伝社文庫/2002.06 発行
「人を殺したかもしれない…」真幌の春の風物詩「浦戸颪」が吹き荒れた翌朝、美波はカノコから電話を受けた。七階の部屋を覗いていた男をモップでベランダから突き落としてしまったのだ。ところが地上には何の痕跡もなかった。翌日、警察が鑑識を連れてどやどやとやって来た。(〜裏表紙より)

 
短編小説
これなら猫丸先輩を出してくれた方が良かったのに

 『樒/榁
殊能 将之 著 講談社ノベルズ/2002.06 発行
天狗を目撃したちおう宮司のいる荒廃した寺で、御神体の石斧が盗まれた。問題の”天狗の斧”が発見されたのは完全な密室の中。おびただしい数の武具を飾る旅館の部屋の扉を破ると、頭を割られた死体と脅迫状が。悲運の天皇、崇徳院を巡る旅の果てに事件と出遭ったかの名探偵の推理とは。謎と企みに満ちた本格!(〜裏表紙より)

 だが、小説のいったいどこに人間がいるというのだ。
 ここにあるのはたんなる文字の羅列であり、
 ページに印刷された無数の活字であり、
 たやすくデータに変換できる記号列であり、
 つまるところは白い紙の上の黒い染みにすぎない。
 そんなものになぜ心ときめき、思慕や情愛をいだくことができるのか、
 ぼくには理解しがたいことだった。

中編小説
これは講談社の密室本シリーズではないのだけれど
作者ならではの遊び心が良く出ていた作品

 『笑殺魔
黒田 研二 著 講談社ノベルズ/2002.06 発行
「私の笑顔は呪われているんです」。過去の悲劇に捕らわれたまま、笑顔を封印した一人の女。保母でありながら子供たち笑みをみせられない彼女にまたしても事件が……。<ハーフリース保育園>を舞台にした園児誘拐事件。犯人から現金運搬役に指名された彼女は、幼児図書の営業マン・次郎丸涼、保母の桜澤みどりらの助けを借りて、すべての悲しみに源に突きあたる。(〜裏表紙より)

 
長編小説
シリーズ物の第一作
非常に覚えやすいキャラクターたちが活躍する
「序」といった感じか

 『魔術探偵スラクサス
マーティン・スコット 著 ハヤカワ文庫/2002.06 発行
おれの名前はスラクサス。魔法の国トゥライの探偵だ。でぶで大食い、大酒飲み、借金だらけで女房には逃げられた。そんなおれのもとにある日、舞い込んだ依頼は、単純な王室スキャンダルのもみ消しに見えた。だが、次々と襲ってくる謎の集団、あちこちで発見される死体。どうやら、国中を騒がす魔法の赤布紛失事件に巻きこまれたらしい。けんかと推理力なら自信のあるおれは、相棒の超武人剣士マクリと立ちあがった!(〜裏表紙より)

 ふん、文明ってのはこんなものかね

長編SF小説
比較的読みやすい翻訳もの
探偵と銘打ってあるものの推理の部分は脆弱

 『落花流水
山本 文緒 著 集英社/1999.10 発行
1967年、わがままで甘ったれのマリ、7歳。12歳のマーティルとの日々が始まりだった。10年が経ち、また10年…そして2027年。あの時「一緒に暮らそう」と言ったマーティル。今ここで別れたらもう一生彼には会えない。しかし頷いてしまったら二度と家には戻れない---。何を得るのが幸福なのだろうか。捨てることが出発だったのか。(〜帯より)

 
長編小説
時間がどんどん飛ぶのについていけず
文体の軽さと作者の言いたいこととのバランスが
多分とれておらず、読むのに疲れた

 『六月のうさぎ
草薙 渉 著 集英社/1995.03 発行
昭和十一年。二・二・六事件。死。
1970年。三島由紀夫自決。死。
そして平成。この大義なき時代の激死を視よ。
生を突き抜ける者たちと、生を取り戻す男たちの息詰まる対決。(〜帯より)

 壁を見つめすぎてはいけないということだと思うよ。
 見つめていたら、壁は一年でも二年でもそこに存在してしまう


長編小説
30年代にむけて描かれた青春小説

 『十七歳のランナー
草薙 渉 著 中公文庫/1993.04 発行
青春だけが実現する奇跡の一瞬をあなたは今、信じられますか?(〜帯より)

 十七歳の楽しみを、十七の今、楽しめないっていうのも、
 大いなる不幸だと思うし


長編小説
この人は実にあっさりした書き方をする
登場人物たちは真剣に悩み戦っているにもかかわらず
さらりと読めるのはそのせいか

 『妖霊星
瀬川 こびと 著 徳間ノベルズ/2002.05 発行
なにゆえにか、花の都に、おぞましき阿鼻叫喚の奈落を描いた打掛を纏う、美貌の遊女ありき。室町幕府管領・細川勝元の愛妾・地獄太夫は、実は隠れ外法使いでもあった。(〜裏表紙より)
 

長編小説
瀬川貴次名義でジュブナイル系ファンタジーも書いている作者
日本ホラー小説大賞をとった『お葬式』でその名前を知ったが
作品を読むのは初めて
読みやすい文章だけれど馴染みにくい世界であった

 『溺レる
川上 弘美 著 文藝春秋/1999.08 発行
「アイシテイルンデス」、肝心なときに言えないのは、なぜだろう---『蛇を踏む』の芥川賞作家が描く大人の恋、八景。快心の傑作掌篇集(〜帯より)

 自分ではわからないところで何かの因果がうまれ、
 因果の行き先がたまたま自分であるのだろうか。
 そんなことは承知できないことだ。
 しかし承知しても承知しなくても、ものごとは起こってしまう。
 起こってしまったことを、いかにしょう。


短編小説集
女流文学賞・伊藤整文学賞受賞
人と人とにはいろんなまじわり方があって
愛もそのひとつ

 『おめでとう
川上 弘美 著 新潮社/2000.11 発行
きんめ鯛を手土産にしいタマヨさんを訪ねる”あたし”の旅。終電の去った線路で、男を思いつつ口ずさむでたらめな歌。家庭をもつ身の二人が、鴨鍋をはさんでさしむかう冬の一日。ぽっかりあかるく深々せつない12の恋の物語。書下ろしをふくむ待望の最新短篇集。(〜帯より)

 あたし、何回か死にたくなったわよ。
 そんなふうにショウコさんは言っていた。
 死にたくなるほど人を好きになったことなどなかったので、思いだしたのだ。
  言葉の綾なのかそうでないのか、死にたいとは只事ではない。
 只事でないことなど、この数年来自身にうあっただろうかと考えると、
 ショウコさんのことが少し羨ましいような気分にもなった。
 羨ましさのなかには、羨ましさだけではない余分な
 いくつかの気分も混じっていて、それは少々居心地の悪いものだった。


短篇集
せつなさということばも随分使い古されてしまった感があるけれど
この人のこの作品集には独特のせつなさがある



 
PAST
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01.2001
02.2001
3~4.2001
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