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アンケートから

神奈川県域支部
山口美はと

 私たちはこのシンポジウムのために19項目と、1項目(意見、質問)にわたるアンケートを実施しました。県域支部、全国から240通の回答が寄せられ、その結果を集計し分析し、講師講演趣旨と一緒に冊子を作りました。
『教育について』普通学級に通わせたかったが、迷惑をかけると思い、できなかったという回答がありました。「迷惑をかける」、そう思わざるをえない現状を 考えたいと思います。また、知的障害のためゆっくり成長を待つ。幼稚園は普通学級に通っている。「生きられてよかった」という回答が印象的でした。重複障 害があっても積極的に手術をされたのでしょう。
『就労について』厳しい実状の中で、特に知的障害と重複のある方からの就労は私たちの課題だと思います。
『医療機関からのサポート』についてはメンタルなケアを必要としている回答が多数を占めました。また「手術をすれば普通の人並みになれるのか」という質問がありました。普通とは、人並みとは何をさしていうのでしょうか。考えたいと思います。
『行政からのサポート』の要望は守る会が運動の課題としていることと同様の回答が返ってきました。中でも印象的だったのは、ダウン症のお子さんをお育ての お母さんからそれまで支えられてきたが、これからは同じような立場の人にできるだけ接していきたいというものでした。これは守る会活動の原点だと思いま す。
『胎児診断』については、胎児診断を受けたい、受けたくないは、ほぼ同数の返答でした。「受けたい」という回答の中で、お子さまを亡くされた方から、一方 では「子どもをなくしているので二度と同じ思いをしたくないから」そして一方では「次の子どもも心臓病だとしても今度は死なせることなく育てていきたい」 印象的な回答でした。
 胎児診断の是非については、「受けて心臓病とわかっても生むつもり」「診断を受けてわかっても受けない場合も選択肢は同じだから受けない」という意見が 多く、同じ理由で出てくる選択が(「受けたい」「受けたくない」)に分かれるという結果でした。回答の中に「子どもに障害があるという事実を受け止めるの は非常に難しかったが、生まれた我が子を愛することはたやすいことだった」という母親からの言葉がありました。これは、先天性の病気を持つ子どもに対する イメージは、心疾患の子どもが生まれてから変化しましたか、という質問にも顕著に現れました。持つ前のイメージはかわいそう、大変、特別なことだというも のが多数でした。しかし、子どもを持ってからはそれが普通のことに変わります。この結果だけでもアンケートを取った意味を感じました。  多くの親は子ど もが育つまではどのように成長するか想像もつかないでいます。教育、就労も不安だけがつのります。そうした成長の過程でのクッションが守る会ではないかと 思います。が、生まれる前から先天性の病気、疾患があるということは全ての人に関係のあることとして理解してほしいと思います。
 実際の病気は手術で改善ができたり、重複障害があってもその子の可能性は広がっていることは、それに関わった人のみしかわからず、知らないという「わからない恐怖」はとても大きいものだとわかります。
 胎児診断で病気をもって生まれてくるということを知って生むのは、大変な試練だと想像できます。胎児診断には十分なサポートがなければ個人に大変な苦し み、決断をかすものとなります。胎児診断でわかった人からの相談も現実にあります。染色体異常のお子さんも守る会には大勢います。まず私たち患者団体が正 しい知識を得て、理解していくことが必須ではないかと思います。アンケートで上がってきた会員の皆様の声を大切にこれからも子どもたち、お母さんたちから いろいろなことを学びたいと思います。
(アンケート集計も含めた冊子は各支部事務局に送付)

第一部終わりに
司会 黒木良和先生
 このアンケートは単に心臓病のことだけでなくて、育児とか、障害をもった子ども、親を知るという上で非常に重要なことと思います。
 アンケートの中に「障害があることは不幸ではないと思ってほしい」という回答がありました。これは非常に重要で、障害、病気があっても生きていくことが 素晴らしい、障害があったもけして不幸ではない。ということを、我々自身が考えながら医療にあたる必要があることを、反省させられたことでした。


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