ひみつの印日記


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2003年08月05日(火)

色々と、ブラジルでネタが復活したり新ネタの種ができたり井田が面白そうな種を持ってきたりソンチャンが何やら妖しげな事をいってたりで忙しい毎日だ。


ブラジル行ってる間に出てた くりす君のイベントジェネレータの論文、「さーてどうやって俺様の論文ひいてるのかなー」と鼻歌まじりで眺めたら完全黙殺。 (こっちの論文のが先でより完全に調べているのに、後から出てしかも間違ってるKMの論文だけひいてやがる。) もー怒り心頭で3人にメール送ったら(いちおう丁寧に書くように心がけたが)、ウェッバーのやつ「もうすぐ出る新しいマスター方程式を使ってるんだ。これでもs=1/2と1でちゃんとKMに帰着するんだ」とか抜かす。 テメエ自分でチェックしたのか?(今回はこっちがあってて向こうが間違ってる確信があるので強気。だいたいマーチラッセルの計算が[以下自粛])

こういう、論文引くときとかに、おともだちコネクションを科学者の良心に優先させる奴は心底軽蔑する。屑だな。

(こういう手合いはけっこう多くて、先に出してるのに日本人がやってるというだけで無視されたり後から引かれたりしている仕事は多い。今まで日本人が「事を荒立てるのも大人げないしね」とか「相手のレベルまで降りることはないし」とかなんとかいってちゃんと抗議してこなかったから、その蓄積で舐められとるんちゃうか。ぷんぷん。←先輩方にまでやつあたり)

もーリオの会議のプロシーディングスでボロクソ書いてアーカイブに出しちゃろかしらん。(売られた喧嘩は買う。途中で降りない。あともう一個なんだっけ?[意味不明])

(追記:あかん。KMも間違ってたがこっちにも信じられんようなtypoがあった。ノートはあってるのにぃ!(泣) 痛み分けや。(8/6))

(追記の追記:もうちょっというと、KMは 結果自体はこっちが間違ってると思ってるほどには間違ってなかった。typoのせいで勘違いしてたわけ。教訓・反省としては率直に「こっちの方が先により完全にやってるんだからこっちのもひけ」とだけいっときゃ良かったのに「この場合は違ってます」と言ったので、相手も行きがかり上「新しいマスター方程式」とかいうことになった。まーおかげでtypoが見つかったわけだが。ちなみにこの「新しい〜」は我々のやり方でa=0の場合に再計算したモノだということをイオタが説明してくれた。彼女には迷惑をかけて悪かった。(8/10))


2003年08月14日(木)

あちいよ〜とかいってうだってるうちにすっかり躁状態が終わってしまった。もうちょっと長続きさせるようにできないといかんな。

よく知らなかったが欧州全体が熱波に襲われてるそうですな。ミュンヘンも36度とかいってたらしい。なんせ平年夏でも涼しいせいで冷房がない。 あたしゃKEKでも坂口さんとならんで冬でもガンガン冷房かける派だったのでかなりきつい。

が今日から雨が降って暑いシーズンも終わるらしい。めでたい。


えさこもとりあげてたBelleB→φKs朝日にも記事あり)。 本当なら大発見ですな。もっとデータがたまって確認されれば日本の素粒子からまたノーベル賞がでる。 めでたい。

なんせトラペによるとKEKB(Belle)の結果が

sin(2φ_1) = −0.96 ±0.50(+0.09/-0.11)
(一個目が統計エラーで二個目がシステマティック) でSM(標準模型)の予言値が +0.731 ±0.056 。 3.5σ離れておる(SMは99.95%で棄却される)。 つかそもそも符号がひっくりかえっている。スゲエ。

んが、話はそんな簡単じゃなくてもういっこババーというアメリカの実験があるのですな。ここの去年の結果が

sin(2φ_1) = −0.18 ±0.51 ±0.09
でやっぱり符号がひっくり返ってて、こりゃすげえKEKBと一緒じゃん(ちなみに去年のBelleの結果は −0.73 ±0.64 ±0.22)、と思いきや今年の結果が
sin(2φ_1) = +0.45 ±0.43 ±0.07
というとこまでトラペに書いてあるのだな。 符号がひっくり返って婆はSMとコンシステントになってしまった。 (こんなにでっかく変わったのは1σの統計揺らぎに起因する、とトラペには書いてある。)

うーむ・・・

というわけで「もうちょっと統計がたまらんといかんねぇ」がアンジェ(専門家)のおことばであった。


最近山形浩生にハマっている。いやーおもろいおっさんやねえ。こういう文系メディアに発言の場を持った科学に明るい人がでてきたんなら、もう立花隆に目をつぶる必要もないのかなw (いやどのみち素粒子に関して立花隆がヘンな事言った記憶はないけど、どうも「せっかくの数少ない応援団なのに」ってかんじで科学の人からは批判しにくい雰囲気じゃない?)

プロジェクト杉田玄白、いいねー。 ディラックの量子力学の教科書(名著)でも訳して貢献するか、と思ったら彼が死んだのは80年代だった。残念。誰だ翻訳権持ってるやつは。とっとと訳せ。 (と書いた後でアマゾンで調べたら原書と書いてあるのに朝永振一郎翻訳という奇怪な本があった。なんだろう。) しょうがないから、マックスウェルかローレンツあたりの論文をそのうちなんとか手に入れて訳してみる予定。

ポールクルーグマン、おもろいおっさんやねえ。 「復活だぁっ! 日本の不況と流動性トラップの逆襲」のをリオにいく飛行機の中で読んでみたが、オモロイねぇ。 マスコミで「インフレターゲット」とは聞くもののいったいどういうリクツなのかちっとも解説がないので気になってたが、これか、というかんじ。 (しかしIT'S BAAACK! ってこれこのまんまのタイトルで論文雑誌に載るの? カコイイ) しかしこの論文読んで思ったんだが、経済学ってのは、なんつーか経験知の蓄積からくる深い洞察で先に結論を出しちゃって、モデルはあとからそれにあうのを適当にもってきてるようなかんじでない? 時間がt=0と1のディスクリート2値しかないモデルでそうなります、と言われても、どれくらい説得力があるんだかわからん。

クルーグマンさんニューヨークタイムズにもコラム書いてるそうなので、マニュエルに聞いてみた。(彼はよくwebで読んでる。) ニヤリとわらって「あああのレフティッシュガイか」だって。 (マニュエルはヘソ曲がりなのでなるべく周りの世論と違うことを言いたがるのだ。 新聞もスイスのドイツ語紙をとっている。 ドイツの新聞は全部イラク戦争反対派なので「やっちまえどうせ困るのはアメ公だ」派(←たった今勝手に命名)の彼にはあわないそうなw) まーそれはどうでもいいんだが、思ったのは、「インフレターゲット」とお題目だけ唱えてまるで解説のない日本の新聞と、となえてる経済学者本人がコラムを書いてるNYTでは随分とレベルの違いが、やはりあるのであるなぁ、ということでした。

アサダの壺。笑った。 (大学時代、したり顔で愚にもつかないニューアカ本を読んでる阿呆が一人いて死ねよと思っていたのでね。黒木さんのとこ辿ってみたらもうそういうのは完全に息の根を止められているのを知って痛快。) 菊池和徳さんの反論だけど、これって結局京大アバンギャルディズム研究会(笑)の「トーラス(=アサダの壺)で十分じゃん」という嘲笑は跳ね返せないんじゃないのかしらん。(もっと細かく書こうかと思ったがこの辺にも御本人達の議論があったのでいいや。)


山形浩生から辿って森山和道さんのNetScience Interview Mail。いいねぇ(ウットリ)。 なんだか読んでて心が洗われるような気がする。 おいらもまたがんばろっと。


ま最近の私はそんなかんじですわん。


2003年08月19日(火)

やっと夏も終わり空気が冷たくなった。論文の山を整理したりして体勢を立て直した。やるよーん。


先週の木曜の夜に父が一泊して文藝春秋(9月号)諸君(9月号)を置いてった。 久々の日本の雑誌だったので金土日の連休でつまと隅々まで読んでしまった。

諸君は相も変わらず黴の生えたような言説を垂れ流していてツマランかった。 左翼的言説が力を失って何年も経ってるんだから、カウンター的にあえて過剰に反左翼的な事をいうということにも何の意味もなくなってるということに気付かんのかね。 敵を失って自己満足的なふやけたシロモノに堕してしまっている記事が多い。 そもそも書き手の人選からして緊張感が感じられない。

福田和也が以前出した「作家の値打ち」は最高に面白かったが(元々福田和也はわりと好きなのだ)、最近「総理の値打ち」とかいう本を出したという事を知って失笑。 そのネタもからんでなんか諸君や文春に出づっぱりで、大丈夫かいな?と心配。 自分の蓄積してきたものを出し終わっちゃって、このままでは仕入れてはすぐ垂れ流す自転車操業のブンヤ稼業に堕してしまうぞえ。 総理の見識を云々するなら経済のお勉強ぐらいしてからの方がいいんでは・・・

井上章一の阪神タイガースの記事は最高に面白かった。今月の諸君中唯一のレベルの高い記事ではないか。 いやーしかしせっかくの阪神の健闘をテレビでみられないのは残念だな。まるで実感がわかない。 前優勝したときは僕が中一で、その時も東京にはニワカ阪神ファン(含私)が大増殖して六甲颪が吹き荒れていたのであった。 「次の優勝は来世紀」という冗談がほんとになるとは思ってなかったが(´・ω・`)

意外にも(失礼)文藝春秋は面白かった。 道路公団の藤井氏追及のキャンペーンとかは「いかにも」なガンバリがかんじられるし、 玄侑宗久・斎藤環・石川結貴・重松清の「12歳の殺人」特集の記事はどれも読んでて面白かったし[注]、日本の黄金時代1964-74特集のアンケートもつまと二人で楽しく読んだし(なんとなくその時代の空気が感じられてよかった)、芥川賞受賞作のハリガネムシは陳腐だったけど選考委員の選評は面白かったし(だいたいいつも選評の方が面白い)。これからもがんばってくださいな。

[注]でも坪内祐三の、子供が子供を殺すのなんて昔からあった事だという、30年前の立花隆の文春記事を引用しての指摘の方が面白かった。僕も賛成。ある一定の非常に小さい割合で遺伝とか生育環境とかがuncontrollableに複雑に絡み合ってそういうキチガイが出てきてしまうのは当たり前の事で(そうじゃなきゃいかんとまでは言わんが)、社会全体としてそれがおこらないようにするのは不可能だと思う。 もちろんソレを減らす努力が無駄だとは思わないけど。 で、そういう個別の事例に意味を読み取ろうとするのはあまり意味がないと思う。


んで昨日つまの友達のアスカさんとその彼氏が泊まりに来て、頼んどいたアエラ(03.8.18-25 No.35)SPAを持ってきてくれた。

アエラは相変わらず、金出して買うのはもったいないけど只ならそれなりに面白い程度のウスさが心地よい。(敬愛する斎藤美奈子さんの記事がなんかやる気ない投げやりでチョト心配。)

SPAも相変わらずのバカさでウレシイ。雑誌版毒男板といったノリは健在であった。 ←この板(つーか2ch自体)半年ぶりくらいに見たが、相変わらずスレタイを眺めるだけで「あぁ全てを失ってもオレはここに帰ってくればよいのだ」的癒しの波動(負)に満ちていて、なんかなごんだ。


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