第3回ガダルカナル島残砲弾処理報告記
(平成10年8月26日〜9月4日)
根生乃塾 夏井辰徳 
残暑厳しい中、皆々様におかれましては益々御清祥の事とお慶び申し上げます。さっそくではありますが、まずは第3回目のガダルカナル島における旧日本軍と連合国軍双方の残砲弾処理より、根生乃塾夏井辰徳・CAPKO代表幹事正田暢鍵・横山ひとしの3名は無事に戻りました事をここに御報告申し上げます。

結論から申し上げますと、昨年の約2倍にあたる61個(旧日本軍・連合国軍の物含め、迫撃砲・手榴弾等)を探索・回収。そして、今回の主目的である自らの手による爆破処理5個(全迫撃砲)。更に昨年同様に残り56個をソロモン政府による爆破処理許可を受けた駐留軍爆破処理隊に渡し、同隊よる爆破処理を見届けて参りました。
 
 【回収した全残砲弾61個】
 
一昨年の調査以来、民間現地人との汗(体温)と情念を基軸にした交流を礎に「正直言って、我々は間違いなく親日派だが、戦後の我々の関係は悲しいかな“親銭派”になりつつある。しかし、あなたたちのような誇りある日本人がまだいたんだと、心から感動し、感謝する…。我々もあなたと共に命を賭けましょう―」の現地民間人をはじめ軍隊も同様の言葉に集約されるように、無様なりとも貧しい語学力を情念にまかせ放ち、汗という体を介して、まだまだではありますが僭越ながらこのような成果に至ったものと思われます。
 
私は、最も我が国に欠落してしまったものとは、イデオロギーとか宗教とか哲学とかいうものの以前に理として歴然とある死生観であろうと考えるものです。そこに私の足がしっかりと立脚している限り、人種や国境や観念などを乗り越え、必ずやこの想いが通づるものと信じて参りました。そこを基軸にしている以上、銭金だけをばらまいて戦後処理完了などと口を拭うようなことだけでは、決して我が国の将来は、いえ人類の将来は明るいものではないであろうと考えております。確かに、ソロモン諸島国は貧しい国で日本からの経済支援は感謝しています。しかし、一方では我々の“それだけ”の在り方をしっかり見ています。口には とも…。そして、我が国のあらゆる現状を、祖国を憂いて英霊となられた諸先輩方々は、いったいどのような思いで見つめていることでしょう。

あとは、この体を賭けるだけでございます。
 
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昨年同様に、首都ホニアラから車で約15分、ジャングルの麓のレレイ村に拠点を置き、連日ジャングル奥地への残砲弾の探索、そして、回収。(実は、これが肉体的には最も厳しいのです。日本ではまずお目にかかれないであろう40度級の壁、また壁…。悪路に次ぐ悪路…。足腰の筋力は元より、心臓の鼓動の限界を、肺や気管の呼吸の限界を思い知らされるのです。)そして、レレイ村までの残砲弾運搬。肉体の限界に精神の緊張が数倍に重く圧し掛かります。しかし、半世紀以上前の我々の先輩達は、同じ道を同じ想いで行ったのです。真っ直ぐに、ひたすら真っ直ぐに―



 
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