調査結果考察


    1)目的:
	 タンザニアの生活環境,文化,宗教などは明らかに日本のそれとは異なっている.
	 今回,幸い中学校時代の恩師の協力を得ることが出来たのでアンケートを行い,タンザニア−日本
	人中学生の意識の違いを調べてみた.

    2)対象:
	@Mkwakwani Secondary School(政府校)
		2000年度Form1	108名(男子54名,女子55名)
		2001年度Form1	147名(男子75名,女子72名)
	AY市立A中学校
		2000年度中学1年生	131名(男子68名,女子63名)

    3)内容:
	 以下の2つの質問をした.
		a.中学校(高校進学予定の人は高校)を卒業したらどうしますか?
		b.10万タンザニアシリング(50万円)もらったらどうしますか?

    4)結果および考察
	 全結果は表3,4に示す.

	a)中学校(高校進学予定の人は高校)を卒業したらどうしますか?
	  それぞれのトップ3は以下のようになった.
日本
 
タンザニア
高校進学 41   医者 64
大学進学 23   先生 63
就職 17   パイロット 27
日本の1位は質問で「高校進学予定の人は高校を卒業したら」としているにもかかわらず,「高校 進学」.2位の大学進学もあわせると約半数が「進学」と答えている. 本来,勉強することは社会に出るまでの通過点のはずなのだが,この結果を見ると目的地に なってしまってはいないだろうか? 「勉強をしながら将来について考える」という立場もわかるが,タンザニア人のように 実現できる かは別にして,その時その時で将来の展望を持つことが大事ではなかろうか? b)10万タンザニアシリング(50万円)もらったらどうしますか? それぞれのトップ3は以下のようになった.
日本
 
タンザニア
貯金 83   学用品 62
欲しい物,好きな事に使う 49   学費 42
学校の制服 30   洋服,遊ぶ 11
タンザニアは学校のために,日本はプライベートのために,と両極端な結果 が得られた. 日本の学費,教科書は無料という違いはあるが,学校で必要なものは簡単に親が与えてくれる日本 とそうでないタンザニアの現状を表す興味深いものとなった. 日本の1位「貯金」は文化といえばそれまでなのだが,子供なのだから別の答をして欲しかったと いうのが正直なところである. c)総合 以上の結果をまとめると,タンザニアの答はどれも具体的であるのに対し,日本のそれはあいまい であるという非常に興味深いことがわかった. 例えばa.の質問において,日本の答は6位までが具体的ではない.またb.においての2位「欲しい物, 好きなことに使う」,3位「遊ぶ」というのも同様である. 「進学してどうしたいのか?」「どういう仕事をしたいのか?」「欲しい物何なのか?」「何をして 遊ぶのか?」という事を質問しているのだが,それに対しての答が全く明確にされていない. この原因について考えてみると, 「明確な答を持っているのだが今回のような答になってしまった」 「本当に漠然とそう思っている」 のどちらかになるはずなのだが,いずれにしても自分は問題であると思う. 前者だとすると「自分の意見を言うことができない」ということになる.いくら勉強ができて立派 な考えを持っていても,人前でそれを表現できない人物は社会では通用しない. ましてや「これからは国際化の時代」と言われているのだから,受験科目以外のこういうことも学 校で教えていく必要があるのではなかろうか? 後者だとするとさらに深刻である. 確かに日本はタンザニアと違い多くの職や物があるのでひとつに絞りきれない立場もわかる. しかし,前述したようにその時で実現可能かは別にしてはっきりとした目的や意思を持って生きる ことが大事ではなかろうか? タンザニア人の答と比べると,自分には日本人は自分の力で生きているのではなく,親やまわり の人に生かされているように見えてならない. 以上のことからこれからの日本は大丈夫なのだろうか?というのが,この調査を 通して一番感じたことである. また,タンザニアの答の中に「ひでのような先生になりたい」という生徒が3人おり,そのうちの 一人は今年のForm1で一番成績の良かった女性とであることを考慮に入れると「タンザニアの前途は 洋々である」ということを最後に付け加えておく.
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