Sura ya 27 人の役に立てました!

26.Apr (Alhamisi) 晴れ一時雨 「そんなわけないじゃん!」
 朝の10時に専門家に迎えに来てもらい途中で先輩隊員を拾ってからKorogweに向かった.
 11時過ぎに病院に着いて早速作業を開始した.

 作業分担は先輩隊員が無線機の調整等をし,自分は彼女に指示に従いアンテナを張るというものであったが何しろ2人とも初めての作業で勝手が良くわからないので取敢えず始めてみた.
 まずは無線機を設置する場所であるが,これは看護婦か警備員が24時間いる入院患者のいる大部屋にあっさりと決まった.
 そこの窓からケーブルをつないで次はアンテナを張る場所であるがこれも村の病院の方向とアンテナを固定する場所から廊下の屋根の上に決まりいよいよ本格的な作業の開始.

 理論値ではアンテナの長さはケーブルコネクター(右画像の先輩隊員が持っているもの,灰色コードは無線機へ,緑色コードがアンテナ)から左右対称に15mずつであったが,あくまで理論値なので後から調整ができるように16mにすることにした.
 アンテナを切断する作業はあっさりと終わったが,次のアンテナを張るためのワイヤーを切断する作業が予想に反して手間がかかった.
 約0.5mmのワイヤーをより合わせた径約5mmのものだったので,その場にあったペンチとニッパを使って切断と言うよりはそれらで折り目を入れてから手でワイヤーを何度も折り曲げて切り離すと言う方法で1本につき約10分もかかってしまった.
 その後雨が降る中,先輩隊員の力も借りてやっとアンテナを建物の屋根からそれらのワイヤーを用いて固定する事ができた.
 取敢えず準備が終わったので測定器を用いて感度を調べてみることにした.

 スイッチを入れて用いる周波数に合わせてみると針がレッドゾーンを指し,しかもほとんど振り切れている状態になった.
 彼女の話だとこの測定器を借りる時に事務所の人に針がレッドゾーンに入っていれば感度良好と言う事だから,そうなるようにアンテナの長さや向きを調整しなさいと言われたとの事なので,これでアンテナ張りは問題無く終わった事になる.

 しかし2人とも初めての作業な上にアンテナの「張り方」「長さ」「場所(高さや周りの障害物)」についてとても良いとは思えない条件で,ある意味適当に取敢えずやってみましたくらいにしか思っていなく当然調整が必要と思っていたので,お互いその結果が信じられず「本当?これおかしいんじゃないの?」と言う事で意見が一致した.

 まずは「レッドゾーン=感度良好と言うのは彼女の勘違いでは?」と言う事で取扱説明書を見たがどうやらそれは間違っていないようである.
 次に「測定器が壊れいてるのでは?」と言う事で周波数を変えてみたが,そうする事によって針がちゃんと理論通り動くので測定器が壊れていると言う事もないらしい.

 これ以上疑う余地も無いので「アンテナはきちんと設置できました」と言う事になるのだが,それでも2人とも完全にはその事実を信じられず「明日,村に行きそこにアンテナを張って交信テストすれば駄目な事がはっきるするでしょう」と思いながら取敢えずアンテナ張り作業を終了させた.

 その後,もう一度交信周波数をこれから使うものに設定し直そうとしたがざっと取扱説明書(英語&何故か中国語)を読んでも良くわからないので取敢えず今日は帰る事にした.

 Korogweの町で夕食を採った後,今日は専門家の家に泊めてもらう事にした.
 友達から送ってもらった競馬ビデオを見ようとすると停電になったので仕方なく部屋に戻って寝たが1時間後に目が覚めると電気が復活していたので再びビデオを30分くらい見て久しぶりに上から落ちてくお湯(シャワー)を浴びてから寝た.

27.Apr (Ijumaa) 曇り一時雨 「嘘でしょ!」
 朝,学校によって試験の問題に間違いが無いかチェックした後にKorogweに向かった.

 まずは,無線機と電源をつなぐケーブルが足りなかったので無線機の中から直接電源を取れるように改造しその後今日の無線設置場所のBunguと言う村に向かった.
 そこへの道はものすごく悪いらしいので現地の人に運転で移動した.
 道が雨でぬかるんで滑りやすくなっている上に,時々崖を見るような形になるので転落する恐怖におそわれたり,凸凹なので頭をぶつけたり,途中で山羊に道を塞がれたりしながらも,1時間弱でどうにか目的地に着く事ができた.

 昨日の町の病院の様な適当な場所が無かったので,はしごの上でのアンテナ張り作業になった.
 少し高所恐怖症な上に,はしごは不安定でぐらぐら,枝も腐りかけており常に転落を意識しながらやった.

 今日はアンテナを支えるワイヤーをのみをあてハンマーで叩いて切断 すると言う画期的な手段を用いたので比較的短時間で終わらせる事ができた.
 取敢えずアンテナを張る事はできたが,十分な距離が取れなかったのでアンテナの端から昨日よりかなり長めの4mくらいのところをワイヤーで支え余ったところは宙ぶらりにしておいた.

 理論だとアンテナを張る際には
1.理論値の長さにして端をアンテナがたるまないように固定する.
2.もし距離が足りなかったらアンテナをたるませない事を優先するために端を宙ぶらりにするように固定する.この際宙ぶらりにした部分を木などに巻きつける事はしない.
 としなければいけないらしい.

 上記の事から考えると昨日より条件が悪いので「今日は駄目だろう」と思いながら感度を調べてみると今日も針は「レッドゾーン」を指している.
 宙ぶらりになっている部分を邪魔なので木に巻きつけてみても結果は同じ・・・
 「やっぱり測定器がおかしいんじゃないの?」と言う疑念を持ったが町の無線とテスト交信をしてみれば駄目な事がはっきりするだろうと言う事で実際に交信をしてみる事にした.
 期待と不安が入り乱れる中,町を呼んでみると雑音が多く返事らしいものは全く無い.

 「やっぱりアンテナの張り方が駄目で調整が必要なんだ」と変な安心感を持ったが,Bunguに来る前に町の病院の院長に約束したテスト交信をする時間を45分も過ぎたので電源を切ってしまっている可能性もある.
 と言う事で,今度はBunguの病院の人達に「我々が町に帰って18〜19時の間に無線でここを呼ぶから,その頃無線のスイッチを入れてここにいてくれ」とお願いして暗くなる前に町に帰る事にした.

 町に戻ると院長が外で待っていてくれたが挨拶をそこそこにして2人で病棟に行ってテストしてみると,やはり大方の予想通りBunguの時の様に雑音だけで返事は全く無かった.
 「まぁそうだろうな」と納得をしてその旨を専門家に報告しに行くと,なんと院長が数十分前にBunguとの交信に成功したと言っているらしい.
 しかもとてもクリアに聞こえ,あまりの嬉しさにその瞬間に彼が思わずガッツポーズまでしたらしい.

 一生懸命チューニングして交信可能になったのだったら素直に喜んだのだが,取敢えずなんとなく設置しただけだし,何と言っても成功したと言っているのがTanzanianだったのでとても信じられない.
 かと言って今日はこれ以上は何もできないので帰る事にした.

 3人で改めて車中で良く考えてみると,
   「無線機で交信ができた」と言う嘘をつく必要があるだろうか?
と言う疑問がわいて来た.

 「"交信できなかった"とか"感度が悪い"からどうにかしてくれ」と言う嘘ならば良くわかるのだが彼は全く逆の事を言っていた.
 町からBunguに交信した時に雑音しか聞こえなかったのも"その前に交信できる事がわかったからスイッチを切って帰ってしまった"と考えればつじつまが合う.

 Tanzanianのこの証言に,機器を用いた感度測定結果.
 普通ならこれだけで「設置成功」と思うのであろうが,実際に作業をした2人にとっては「無線をそんなに簡単に設置できるはずが無い」と言う感情の方が大きく,とてもそんな気持ちにはなれない.
 半信半疑のままTangaの雰囲気の良い豚肉屋さんに行って食事をして家に帰った.

28.Apr (Jumamosi) 雨後晴れ 「まるで電話みたい!」
 9時に家を出発した.
 道中はずっと雨が降っていたので"どうなる事やら"と心配したが,今日の設置場所のMagomaに行く時には止んでいた.
 道中,どろどろの道や汚れた川で洗濯や水浴びをしているママや子供達と言ったAfricaらしい風景を見ながら村に向かった.

 Magomaの病院は大きな雨水を溜めるための瓶が特徴でなかなか良い感じ.
 作業の方はさすがに3日目とあってスムーズに行った.
 しかしやはりはしごを使ったり木に登ってワイヤーを張る作業は相変わらず恐かった・・・
 ただでさえ高いところは得意じゃないのに専門家が「もう少し高くした方が良いんじゃない?」とプレッシャーをかけてきたり,屋根の下から出て来た蜂に刺されたりと散々な目にあったが,時間的にはそれまでの2日間よりははるかに短時間で終わらせることができた.
 興味深そうに見ていた村の子供達にも良い機会だったので簡単な作業は手伝ってもらった.

 感度を測定してみると,この2日間よりは多少悪くなっていたがそれでもレッドゾーンの範囲内.
 いよいよ昨日の証言が本当かどうか試される時が来た.

 まずは病院の院長にテスト交信をやらせてみたが,初めて無線を扱うのだろか?なかなか要領を得られなかったので看護婦さん(?)に変わってやってもらった.
 しかし,3,4回呼んでも返事が無いので「やっぱり・・・」と思っていたその時

 "Korogwe Korogwe"

 と,ものすごいはっきりとした(たしかこう言っていたと思うがあまりの感動にそのせりふを忘れてしまった)返事が無線から聞こえて来た.

 あまりの感動と興奮にその瞬間頬の辺りがぞっときて「おーっ」と思わず声をあげてしまった.

 その後も少しやり取りをした後に,専門家が「まるで電話みたいに良く聞こえるね」と感心した.
 たしかにドミトリーや隊員宅で聞く長距離無線はあまり良く聞こえなくてそういうものだと思っていたし,何度も書いているように素人がなんとなく設置しただけだったのであまりの鮮明さに自分も驚いてしまった.
 簡単に操作方法を教え,帰る時にみんなと握手をすると本当に嬉しそうにしてくれたので,こっちまで嬉しくなってきた.
 特に院長先生(画像のTanzanianの男性)の握手は力が入っていて本当に感謝の気持ちがこもっていたような気がした.

 人のために何かをして,これだけ感謝され,こっちもそれに興奮・感動したのは初めてである.

 きっと今日の出来事は一生忘れないだろう・・・
そんな事を考えながら雨の止んだ凸凹道をこの2日間とは違い気分良く引き返した.



〜 最後に 〜
 これは4/26〜28にかけてTanga地区の母子保健プロジェクトの専門家の手伝いをした時の話である.
 Tangaの街から車で1時間弱のところにあるKorogwe地区の町の病院を拠点にして,そこから更に山奥に車で1時間弱入ったところにある村の病院2ヶ所,計3ヶ所の病院に無線を設置することが出来た.
 今まで,村では手の施せない患者が出た時には数時間かけて人が町まで車を呼びに行ったり担架を作ったりして町まで運んでいたのだが,無線が使用可能になる事により簡単に町の車を呼ぶことが出来処置が早く施せるようになり,手前味噌になるがその効果は絶大であると思われる.
 人命を救う事もあるだろう.
 ただ今回,使用許可がおりている交信周波数に設定する事が出来なかったので現在使用禁止にしている状況にあり,現在その方法を無線機メーカーに問い合せ中である.

 KENWOODのカスタマーサポートセンターの職員の方々.
 ゴールデンウィークが明けましたらまず最初にこっちから送ったE-Mailを開いて早急に設定変更方法を連絡ください.
  村の人々が無線が使える日を今か今かと心待ちにしています!




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