Sura ya 42 Which time? (後編)

 前回のAfrican Timeについての話でわかったと思うが,ここは明らかに日本の価値観はそのまま通用しない別世界である.
 そういう世界を羨ましく思う一方で「こんなに時間にいい加減でよくこの国は平和に機能しているな」と変な意味で感心してしまっているところもある.
 ある意味Tanzaniaは日本よりもすごい国なのではなかろうか?!

 と,前置きはこのあたりにしておいて本題に入ると.
 今回も主題は"Which time?"である.
 前回Tanzaniaに存在する3つの時間表示方法について書いたが,実はもう一つSwahili Timeと言うものがある.

 African timeは少しギャグみたいな存在だが,このSwahili timeは由緒正しい存在なので,もしデートや接待などの重要な場面で話題に困ったら是非ネタに使ってその場を凌いで欲しいと思う.

 さて,まず上の画像はスワヒリ語で書かれた(銀行の)業務時間お知らせボードである.
 スワヒリ語がわからなくても時間は数字で書かれているので,ある程度推測はつくと思うが,これを見てすぐに納得する人はまずいないと思う.
 数字の部分だけを見ると「2:30-9:00」「2:30-6:30」なので「Tanzaniaの銀行は夜中の2:30から営業しているのか」と思う人がいるかもしれないが,いくらTanzanianの朝が早いからとは言えそんな訳はない.
 それぞれの時間の前に「1」を置けば(例えば,2:30→12:30)一応,常識的な時間になるので「それ(「1」)が消えてしまっただけ」とも考えられるがそうでもないし,書き間違えた訳でもない.
 では,一体どういう事なのだろうか?

 それぞれのスワヒリ語の意味は
   Saa za kazi:業務時間,Asubuhi:朝,Mchana:昼
   Jumatatu:月曜日,Ijumaa:金曜日,Jumamosi:土曜日
 なので,直訳すると

    業務時間;
      月曜日−金曜日 朝2:30〜昼9:00
      土曜日       朝2:30〜昼6:30

 となるのだが,それでも糸口はさっぱりつかめないと思う.
 しかし実はすでにヒントを出していたのだが気付かれただろうか?
 もしまだならば前回の話の画像を見て頂きたい.

 今回の画像と全く同じ内容が英語で書かれていると言う事がわかると思うが,それもそのはず両者は銀行の入り口の左右にそれぞれ掲げられている業務時間ボードなのである.
 と言う訳で,両者を比較してSwahili timeの定義がわかってもらえただろうか?

 Swahili timeとは?>
   表示の前にsaa(スワヒリ語で「時間」と言う意味)をつけて,時計が指している時間から
        ・1〜 6時は「6」を足す
        ・7〜12時は「6」を引く
   のである.

 つまり,今回の画像には"2:30 asubuhi"としかないが,一番最初に"saa"と書いてあるのでSwahili time表示とみなし"朝の8:30"と解釈しなくてはいけないのである.
 特にTanzaniaは同じスワヒリ語を使うKenyaUgandaとは違い「第1公用語が英語ではなくスワヒリ語」なのでこの表現を使う機会が多く,最初は本当に途惑い,聞き返す事も多く苦労させられた.
 なにしろ,時計は"8:30"を指しているのに"2:30"と表現しなくてはいけないのだから・・・

 これで,我々から見たら,このちょっと不思議なSwahili timeについての大筋はわかってもらえたと思うが,最後に「何故この様な表現方法が使われているのだろうか?」と言う事について書いてみる.
それを知って「なるほど!」と感心される方もきっと多いのではなかろうか?

 実は,Swahili timeでは1日の始まりを「明るくなってから」としているのである.
 つまり,この国は赤道に近いので日本とは違い,日の出は朝の5:30(くらいだと思うがそんなに早起きはした事は無い)〜6:30と一定なので,一年を通して完全に明るくなる7:00をsaa1:00(asubuhi(朝))としているのである.
 ちなみにこの定義を夜にも当てはめると,夜7:00つまりsaa1:00(usiku(夜))が夜の始まりとなるのだが,確かにここでは6:30遅くとも7:00前には暗くなり始める.
 ゆえに,朝と夜では少しニュアンスが違うのだがSwahili timeではそれぞれの視覚的な意味での始まりを1:00としていると言う事がわかると思う.

 世界の日付は夜中の12時から変わっているが,自分はこのSwahili timeの定義の方が感覚・時間表現の両方から1日の始まりが感じられて良いと思うと同時にSwahili文化も侮れぬ!と感じるのだがどうだろうか?

 と言う訳で,2回に渡って時間に関する事について書いてきたが,もう一度Tanzaniaで時間を訪ねるに当たっての注意を下記すると

英語や他の言語の様に「何時?」をそのままスワヒリ語に訳して"Saa ngapi?"と訪ねたら,答は"saa〜(〜は数字)"とSwahili timeになるので我々はそれから6を足したり引いたりしなくてはなりません!
 それでも最初のうちは慣れないと思うので,そういう時は恥ずかしがらずに聞き直しましょう!

  "Which time is this?
     English time, Swahili time or African time?"



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