早いもので二本松での協力隊訓練合宿開始から2年が経った.
残りの任期もあと3ヶ月となったが,同じ班だったメンバーもそれぞれの任地で順調に活動を行っているようである.
これからも今まで同様,病気怪我に気をつけて元気な姿で日本で再会したいものである.
ところで,協力隊訓練開始から2年経ったと言う事は,自分の後任の訓練が始まったと言う事になるのだが,これがどうやら女性らしい.
自然な流れとして彼女は自分が今住んでいる家にそのまま入るのだが,実はこれがなかなかの代物.
なにしろ,同任地の女性隊員が調整員(隊員の活動をサポートするJICA職員)に「あの家に女性を住まわせるのはちょっと可哀相だから他の家を探しては?」と提案するくらいなのだから.
自分は「これでも問題無く住めるんじゃないのかな」くらいにしか思わないのだが,確かに他のTangaの隊員宅から比べると「ちょっと不便に思う事がある」のは事実である.
と言う事で,今回は後任のあなたのために我が家について書いてみたいと思う.
まずは,地理的特徴を挙げてみると
1.学校まで2km
2.一番近い市場まで3km弱
3.一番近い海まで500m
4.住宅街なので車通りがとても少ない
となるのだが,これらに関しては特に問題は無い.
自転車を貸与される前は,市場までの野菜の買い出しが大変だったが今は全くそんな事は無く,むしろ海が近い上に車通りが少なく静かなので,この点に関しては他の隊員に比べて良い立地条件なのではなかろうか.
次に家自体についてだが,まずは
<1人で住むには大きすぎる>
日本に住んでいる時には「大きな家に住みたい」といつも思っていたものだが,さすがにこの家に1人では大きすぎる.
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図にするとその広さがわかり易くて良いのだが,防犯上の事もあるのでそれを使わずに説明すると
1階
・居間 約4m×5m
・ダイニングルーム 約5m×4m
・台所 約3m×4m
・食器洗い場 約2m×3m
・その他 洗面台1,トイレ1
・2階
・寝室 約4m×5m
・ゲストルーム 約5m×4m
・旧寝室 約3m×4m
・その他 トイレ2,シャワールーム1,バスタブルーム1
と言った感じになる.その大きさがわかってもらえただろうか?
隣人は同じ家の造りに「大人2人,子供6人」も住んでいるのに我が家は大人1人,ねずみ約10匹,やもり約10匹しかいないのである.
<水まわりがとにかく悪い>
すでにこのコーナーでも取上げたが,この件に関しては他のTanga隊員に比べてかなり条件が悪いと言う事は認めざるをえない.
結局6月に破裂したトイレの配管(赤×箇所)はねじのところが完全に錆びており交換不可能なので,必要な時に外のバルブを開けて自家製タンクに水を供給しなくてはならない.
それだけならあまり問題は無いのだが,もし水圧が高い時にバルブを閉め忘れタンクが満タンになってからもそのままにしておくと,それまで供給されていた水の行き所が無くなり2階の廊下の天井から水が漏れてくると言う不具合が最近発見された.
と言う訳で,外のバルブを開けておけばシャワーから水が出るのだが,そういう訳にも行かず,しかもその水も少し濁っているので溜めて水浴びに使う訳にも行かず,今は毎回1階の自家製タンクの水をバケツに汲んでそれを2階に運んで使っている.
トイレの水も配管が通っていないのでもちろん同様の方法である.
台所の水も流れていかないので,料理もなかなか面倒.
魚をさばいたりタコやイカを解体する時には水が飛び散るのでそこでは出来ず,そういう時は猫に注意を払いながら外の水道を使ってやっている.
こんな感じなので,専門家や他の隊員宅に行くと
・シャワーから水が出ている
・トイレの水を流したら自動的に水がまた溜まる
・台所の水が流れていくので,気を使わずに魚をさばいたり肉を切ったりできる
と彼等が気にも留めないような事にいつも感心してしまうのである.
週に半分くらいはどこからともなく猿の群れがやって来るのもここの特徴である.

子猿が母親猿のお腹にしがみついて歩いている姿や,子猿同士が追いかけっこや,えさの取り合いをしているのを見るのは結構面白くて良いのだが,窓の鉄格子から家の中を覗いたり,2階のベランダで遊びまわったり,朝の暗いうちから目覚まし時計代わりに音を立てながら木を移動するのは出来れば止めてほしいと思っている.
更に雨期には一晩中かえるが大合唱をして寝かせてくれないし,夜家に帰るのに近道をしようとすると暗闇の中で草をはんでいる大きな牛や山羊に驚かせられる事もあるし,洗濯をする時には隣の家で飼っているあひるや鶏を追いやりながらしなければならない.
緑色のきれいな毒蛇もいるし本当にのどかなところである.
ただ一つ残念なのは果物の木が庭に無いと言う事だろうか.
こんな感じで,確かにこの家は便利ではないのだが,自分の生活に大きな支障をきたしている訳でもないし,実際ここの初代隊員は女性であったので女性が住めない訳では決してない.
ここでの生活を楽しいものにするか否かの鍵は「どこまで今までの価値観を変えて現状を受入れられるか?」と言う事だけである.
まぁ,気軽な気持ちで来て下さい.