Namba Tano (14.May.2000) こんにちは. 風薫る5月.如何お過ごしでしょうか? 優駿牝馬(オークス)に東京優駿(ダービー)と続くこの時期は,今までの自分がそうであったよう に,きっとみなさん仕事が手につかないことと思います. その気持ちはよーくわかりますがくれぐれも周りに迷惑をかけない様に気をつけて下さい. 一方こちらはと言えば,早いものでタンザニアに来て5ヶ月が経ちました. 来タンした当初の猛暑も収まり昼間でも「かなり涼しくなって来たな」と思い,先日気温を計った ところ,何と35℃.しかし朝晩はかなり涼しくなってきた(26℃くらい)ので過ごし易くはなって きています. 季節的には雨季の最中で先週までは日中も雨が降っていましたが,それでも一日中降っている日は 2,3日程度.大抵は夜中に目が覚めるくらい,ものすごい音を立てて降り,朝には晴れていると言う のが最近のパターンです. そろそろ雨季も終わりなのでしょうか? 体調の方は相変わらず万全で毎日元気に過ごしているのですが,先月末生活を大きく変える出来事 がありました. とうとう我が家の水道が使えるようになりました!!!!!!!!! (隣のママに聞いたところによると何とこの家の水道が使えるようになったのは1946年以来とのこと (本当かな?)). 台所に洗面所にシャワー.どこの蛇口をひねっても水が出てきます. 最初に水がちょろちょろ出て来た時は本当に興奮してしまいました. これで雨が降っても外で(時々すぐ横で牛が草を食んでいるのでどきどきします)傘をさし,しゃ がみながら米や食器を洗わなくて済みます. 夜暗くなってからでも炊事ができ食器も洗えます. 毎日18リットルのバケツを持って片道30mの道のりを2往復しなくて済みます. 日本では当たり前のことですが ”家の蛇口から水が出ると言うことは何と素晴らしいことなんだろう!”としみじみしてしまい ました. 翌朝. うきうきしながら顔を洗うために洗面所に行って蛇口をひねったところ「スーッ」と言う音だけで 水が出てきません. ”まだ寝ぼけてるのかな?” と思いもう一度ひねりましたが,また「スーッ」と音だけ.「しょうがないな.もう詰まったのか」 と思い台所に行くとこれまた音だけ.「・・・」 そうです.早くも壊れてしまいました. 外に行くと見事にパイプが外れて水が噴き出しています. 自分で直そうと思いましたが,パイプのつなぎ箇所のネジ溝が殆ど無いところを強引にねじ込んだ だけだったので,きちんと溝を彫らないと修復不可能な状態です. やはり世の中そんなに甘くはないようです. その幸せは”蝉の一生”よりも短かく儚いものでした・・・ ”あ〜 しあわせに〜 なりたい〜”と内田有紀唯一のヒット曲「しあわせになりたい」と口ずさみ ながら学校に向かうのでした. funji ya kutengeneza bomba(水道職人)が再び来るのを,今か今かと待ちわびる今日この頃です. さて,前置きがとても長くなってしまいました. 今回は「学校の先生と生徒について」書こうと思いましたが,新聞に興味深い記事がありました ので,それを踏まえてTanzaniaと日本の環境の違いについて書いてみたいと思います. まずそのコピーを以下に置きます. ------------------------------------------------------ ■心の東京革命――「させる」に潜む教育観 毎日きちんとあいさつさせよう。子どもに手伝いをさせよう。先人や 目上の人を敬う心を育てよう……。 こんな標語をやがて、東京都内のあちこちで目にするようになるかも しれない。 石原慎太郎知事が提唱した「心の東京革命」論に基づく具体策づくりが 始まった。社会全体で子どもの育成に取り組もうというもので、都はその 素案を公表している。6月には基本方針と行動案をまとめる予定だ。 素案は、次のように現状をとらえる。 いまは、自己中心的で社会性に欠ける子どもが増えている。そうなった 背景には、少子化や情報化、物質的な豊かさ、個人主義と平等主義の はき違えなどがある――。 そこで、社会環境の変化によって低下した家庭や学校、地域の教育力 を取り戻そうというのが「心の東京革命」のねらいだ。冒頭の標語も、 そうした運動の一環である。学校には道徳教育の徹底を求めている。 素案が示す現状認識を含め、公共心や他人への思いやりにあふれた 子どもが育つことに異議を唱える人はあるまい。問題はそれをどのよう に実現していくかだろう。 子どもをどう育てていくのか。多くの親は悩みながら手探りを続けている。 何よりもまず、各家庭が時代や社会と向き合い、しつけや子育てをしっかり 考えることが大切だ。 学校も、地域の実情や子どもたちの実態に応じてそれぞれ日々の教育 に取り組んでいる。「道徳教育の徹底」といった表現で、行政機関である 都が教育現場に一定の方向性を押しつけるようなやり方は好ましくない。 素案を読んで気になるのは、「させる」という表現が目立つことだ。 そこには、子どもに教え込もうとする姿勢だけが先走っている。子どもを 一個の独立した人格とみなし、その心身両面での健全な発育のために、 社会全体が協力していくという発想が乏しい。 子どもたち自身が体験を重ねながら、自分で考え、判断力や倫理観を 身につけられるように促すことが、何よりも大事だ。 いまの子どもたちは、幼いときから大量の情報に囲まれて育つ。消費 社会の中で、欲望をかき立てられることも少なくない。そんな状況下で 多くの親が子育てに自信を失い、立ちすくんでいるのが実情ではなかろうか。 悩む親たちに、どう具体的な援助の手を差し伸べるかが問われている。 都が、約460人の都政モニターを対象に、「心の東京革命」についての 意見を募ったところ、実際に子育てしている母親たちからは、いつでも 親身な助言が得られる相談機関や、親子で安心して出かけられる場所 などの整備を求める声が多く寄せられた。 父親と子どもがもっと触れあえるよう、サービス残業の根絶や週休 2日の実現を訴える声もあった。問題点の多い受験制度や、不登校児 が12万人にのぼる硬直した学校教育のシステムを見直すことも必要だ。 これらに全力を挙げて取り組むことなしに、いくら家庭や学校の責務を 強調しても、掛け声はむなしく響くだけだろう。 ------------------------------------------------------ 上の記事を読んで ”なんで今更こんなことを・・・”と言うのもありましたが,それよりも”Tanzaniaでは普通に行わ れていることを日本が標語にしようとしている”ことに驚きました. まずは記事の冒頭の ”毎日きちんとあいさつさせよう。子どもに手伝いをさせよう。先人や目上 の人を敬う心を育て よう……。” と言う箇所について. あいさつに関しては個人差がありますが,”手伝い”と”敬う心”に関してはかなり徹底されいる と思います. 前者に関しては,畑仕事,薪集めをしている子供はたくさんいます. その他にも,ピーナッツ売り,コーヒー売り,靴下売り,わけのわからない雑貨売りなどをして家計 を助けているようです. またSecondary schoolくらいの歳になると,家にお手伝いさんがいない限り女の子は家事一切をママ の代わりに行うと言うのが普通のようです. 後者に関しては,Tanzaniaには”Shikamoo!”という目上の人に対する挨拶の言葉があります. 自分に対しては外国人と言うこともあり人それぞれですが,Tanzanian同士ではまず間違い無く ”Shikamoo!”から会話が始まります. そういう言葉の存在で”目上の人を敬まおう”ということを徹底させようとしていることがわかると 思います. もう一つは, ”子どもたち自身が体験を重ねながら、自分で考え、判断力や倫理観を身につけられるように 促すことが、何よりも大事だ。” と言う箇所について. Tanzaniaでは年の差を越えた子供同士で遊んでいる姿がとても目につきます. 近所の子供達は,上は15歳下は4歳の子供が一緒になって自分の家の裏で遊んでいます. お兄さんが妹に自転車の乗り方を教えています. 5歳くらいの子供が2歳くらいの弟をおんぶしている姿もあります. こういった行動の中でタンザニアの子供達は上下関係,やって良いこと悪いこと,どのくらいの力 でぶったら痛いか,相手の表情から気持ちを読み取ることなどを大人に教えられること無く学んで いっています. 記事では触れていませんが,あかちゃんをおんぶして育てることも大事だそうです. そうして小さいうちから大人と同じ目線で物事を見せることで,そうしない子供と比較して精神的 に大人になるのが早くなるとのことです. 当然Tanzaniaにはベビーカーなんてものはありませんから,みんなお母さんやお兄さん,お姉さん におんぶされて育ってきています. こうして考えていくと,どれも昔の日本では行われていたことで実現不可能なことではないはず なのですがそれができない今の日本. その結果が,中学生による5,400万円恐喝,17歳少年によるバスジャックや殺す経験をしたかった だけの殺人だとすると,発展して便利になって行く事が本当に良いことなのか考えてしまう今日この 頃です. もっとも親と先生がしっかり毅然とした態度で子供に接すれば少しは変わると思うのですが・・・ 最後に,学校の掲示板で募集しているEssay Competitionのテーマを下記します. 明らかにTanzaniaと日本の親の考え方が違うことがわかると思います. -------------------------------------------------- Write a short story which include the following sentence. said my mother "I don't know why you did it." "but you're going to be given punished !" -------------------------------------------------- 日本では否定されている体罰がTanzaniaでは肯定されています. 自分の学校でも当然行われていますが,それを見ていると先生による体罰を完全には肯定できません. その理由については次回にしたいと思います.( to Top / to Namba Sita )