ヤマニノボル(2005-7-10)

●「ヤマニノボル」とは(「名古屋の山の登り方」http://www.kissa-mountain.jp/より)

「喫茶 マウンテン」にて食事をすることをしばしば 登山 という。マウンテン(Mountain) が日本語で山だから…といった単純な発想ではない。そんなに簡単だったら、こんなサイトははじめから存在しなかっただろう。しかし、「マウンテン」を 山 と呼ぶことは、登山家 − 「マウンテン」で食事をする人 − の間ではすでに常識である。

また、「マウンテン」で食べられる料理を 山 と呼ぶこともある。

料理をすべて食べきることを 完食 あるいは 登頂 という。特に、一人で食べきることを 単独登頂 と呼んで区別する場合もある。逆に、食べきれず残すことを 遭難 という。遭難した場合、どこまで食べたかを言い表す言葉として 合目 がある。これは、全体を10とした場合の、食べた量の割合である。

冬山 あるいは 雪山 といえば、かき氷のこと。これを冬に単独登頂できる登山家は、そうそういない。

●というわけで、名古屋旅行のメインイベント(個人的に)として、B級グルメの雄、「喫茶 マウンテン」へ参りました。

「いりなか駅」から坂を登り、15分弱ほど歩く歩く。(駅から遠くにあるのに、全国から登山者が絶えないとは、恐るべしだぜ!)

む…あの看板は・・・

         

 デタ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!マウンテン!

どーん  

 

山小屋なのか、城なのか判らない建物。そして、絵心あふれる看板。我々はさしずめ、その独特の外観を前に、燃え盛る牛魔王城の前に立ち尽くす亀仙人のような心境だった(謎)。

我々同様の物好き…いや、登山者で、館内は混雑していた。席につくまでに、少し時間がかかる。

我等より先に店頭で並んでいた人々も、どうやら観光客のようだ。

しばらくして、席に通される。

茶色を基調とした内装。天井にとりつけられたファン。

予想以上に統一感がある室内だが、どことなく「ピンボケ」した雰囲気がするのは、なぜだろうか…。額縁が右落ち(広報用語)してるし(笑)

右の写真の奥に見えるのが、厨房。3人くらいの人が、ブツ(料理)を制作している。

最年長のおっさんが、マスクを装着してフライパンで何かを炒めている。まともに臭いを嗅げないものなのか…と、席から垣間見つつ我々に緊張が走る。

うちの学校の駒場の一食に生息してそうな兄ちゃんの店員が、オーダーを取りにくる。

ほぼ同時期に入店した周りの席の客が、名物甘口スパゲッティーの中の「バナナスパ」と「キウイスパ」を注文しているのを確認済みだったワタクシは、

旅の思い出に!人生勉強と思って!若気の至りと片付ける予定にして!愛と青春の旅立ちに!・・・(以下略)

「甘口シリーズの中」でも最難関とされる一品の名を、口に出した・・・…

「えーっと・・・あ・あ・甘口抹茶小倉スパ・・・にします。」

店員が厨房に向かう前に、少し気になったので、店員に尋ねてみる。

私「あの、抹茶スパと、ここに書いてある「おしるこスパ」は、どう違うんですか?」

店員「いやー、全然ちがいますね。何せこっち(おしるこスパ)は・・・しるこですからね。

(全然説明になっとらんだろうが!?)

心の中で突っ込みを入れつつ、「うーん、でもやっぱ、抹茶のほうがキレイかな?色が・・・。抹茶にします。」

と、引きつった愛想笑い(おそらく)で再度オーダーする自分であった。

食事が来るのを待つ間は、トイレチェッカーとして、恒例の「トイレチェック」を行ったり(西部劇の酒場のドアがトイレ全体の入り口についていたが、バネ具合が微妙で、入るとき胸部を軽く打ち、ぐえとなった)、恰幅の良い客が「ジャンボカキ氷」(マジでか!高さ30cmはあった!?)を残す様を覗き見したりしていた。

しばらくして、周りのテーブルに品々が運ばれてくる。「バナナスパ」を頼んだおしゃれ系の二人組、一口食べて箸が止まる。(つーかフォークの他に箸も出されるのだこの店は…)

その光景を見て、己に迫る身の危険を覚悟し、瞑想とブレストレーニングを始める私。同行者は、甘口スパを頼まなかった余裕からか、周りの様子を堂々と観察。

謎の緊張から、出された水を飲み干さんとしたその時、同行者あにきがオーダーした品が、テーブルに運ばれた。

まいたけととりのスープスパ(500円)

 

ワンコインという安さのくせに、なんだこの量は・・・

しかし、これから私のもとに来る「ブツ」のことを考えれば、いたって平凡ではないか。フッ…(拈華微笑)

「麺が太い!」と、新作カップメンのCMのように叫ぶあにきであった。このあと彼女は、「油が…!」と連呼することにもなる。

「油…やばいよ!油入れすぎだって!」と半切れな同行者からふと視線を外すと、店員が緑色の「アレ」を持って、こちらに向かってくるではないか。

…来た!(BGMはやはり「ジョーズ」で(笑))

「お待たせいたしました。甘口抹茶小倉スパでございます。」

甘口抹茶小倉スパ(800円)…こうなったらハイビジョンで!(単にデカイ写真なだけ。やけくそ)

 

麺が緑だ。ほんとに緑だ…

(かわい子ぶった外見なのに、こんなに畏怖の念を抱いたということは、どんな人間でもなかったぞ…)と、意味の判らんことを思いつつ、写真を撮る。

横の客も、「スゲ・・・」と呆れ、写真を撮ってきた(爆)

先ほどの瞑想で覚悟を決めたこともあるし、何より空腹ということもあり、早々にフォークを伸ばすことに。

 

(これは 甘味だ  スパゲッティーじゃなくて 甘味だ  都路里の抹茶パフェ  都路里の抹茶パフェ あれと同じだから・・・)

祈るように念じながら、一口目。

 

かなり温かい。抹茶ソースがなかなか濃い。

案の定面食らったが、こういうモノとして、食べ進めることに。

 

何口か食べていると、ふと、あにきのまいたけスパも気になってくる(何せ「油がー!」と叫びまくっているので)。

一口ずつ交換。

あー、普通だ(抹茶と比べれば)…

てか、油はともかく、そこそこの味じゃん?

もう一口もらう。もーぐもーぐ(きのこ好き)

しかし、これが良くなかった(ような気がする)。

自分の皿に戻って再び食べ始めるが、急に麺を受け付けなくなる。

(私のは 甘味だ 甘味なんだから 抹茶の味がするんだよ!)

意味不明にポジティブな暗示をかけるも、最早効き目なし。

テレビチャンピォンの赤坂さんの境地に達している自分に気づく(笑)。

 

ここからが、文字通り修羅場だったと記憶している。

一口食べては天を仰ぎ、

水を飲み、

あにきのスパゲッティーをつついて口直しをし、

壁にもたれ、

後ろの席で同じ品を食べている男性客が「あんこと絡めると、くえる」とのたまうのに同感したりしつつ、(いや、ホントに、餡子があると食べやすかったです)

ゆっくりとフォークを動かした。

しかし減らない。うぅ・・・伸びてるのか・・・

半分くらい減った・・・そろそろ視界がぼやけてきたぞ(何でだ!?)。

抹茶の味は好きなのに、かつてないほど抹茶味が気持ちわるう(泣)

ハワイに行ったときですら、「残すとアメリカ人に殴られる!」と一人怯えて、満腹なのに残さず完食したほど、食べ物をのこすことに罪悪感を感じる私だったが、

この後球場に行くこともあり、調子を悪くして同行者に迷惑をかけてはいけないので、

これ以上はムリ・・・と判断し、フォークを置いた次第でした。

食べ物を粗末にして、ごめんなさい・・・

いや、これを出してる店側にも責…ゴホンゴホン!(爆)

私が呆然としていると、周りの客も皿に幾らか残したまま、立ち去ろうとしていた。

我々は思わず、「おつかれさまでしたー!」と声をかける。

そこであにきはハッとし、「そうか・・・本当の山でも、すれ違う人にあいさつしたくなるもんな・・・」と感慨深げに締めてくれた(笑)

(同行者あにきの後日記より抜粋)
ワンコインを含め、一人で完食するには難しいメニューばかりであった。しかし注文した限りはなるべく食べようとするのは登山者共通の使命感・責任感とも言うべき概念であり、同じ努力をすることによって周囲といつしか仲間意識を覚えるようになる。事実、完食及びそれに相当する業績を残した人には称賛の言葉が自然と口から出てしまう。ここに山登りの真髄を見ることができるのではないだろうか。「山に入れば皆が友達」であるクライマー精神を感じられる、現代社会においては貴重な経験のできる喫茶店であると思われる。

というわけで、自分が満腹かどうかすらわからないまま、会計を済ませ店を出る。

私が挑戦した抹茶小倉スパがストラップになっており、挑戦記念に購入するか軽く迷うも、今回はやめとく(笑)

 

帰り道では、『注文の多い料理店』に出てきた、二人の紳士のように、ひたすらぽかーんとしながらも、

その一方で、何かをやり遂げた充実感のようなものを、互いに口にしあっていた・・・

●いやはや、貴重な体験をしました。

 

あ゛〜〜〜〜〜〜〜…後のコメントが、出てこないわ(爆)

 

「登っ」たものにしか判らない興奮と狂気が、「山」にはある気がします。

機会がありましたら、登られるのも一興と思います。

(おわり)

オリル