3年B金八生Y 1


第1話『不気味な転校生二人』01.10.11放送

 待望の第6シリーズ。ホンマさん(クイズ研OB)あたりはビデオに撮っていることだろう。公式ホームページも第5シリーズの時より見やすくなって期待が高まる。まあ、放送前に幸作が白血病にかかるという飛びっきりのネタをバラしてしまったというのはいただけないが……。しかし、新3Bの生徒役のコ(特に女子)には、これまで芸能界である程度の実績があるメンバを何人か入れている(毎回そうか)ということで、結構ややこしい展開になることも考えられた(それだけ細かい演技が要求されるから)。まあ、僕が「知っている」コが多いだけで、以前もそういうコを集めていたのかもしれないが。

 さて、放送開始。オープニング映像が空撮だったのには驚いた。過去何度も放送されているシリーズだが、オープニングが空撮だったのは初めてだ。しかし、「外国人女性ランナー」や「川で練習するボート部」といった“お約束”はキッチリ押さえられており、さすがといった感じでマニアにはたまらない(マニアなのか)。主題歌の『まっすぐの唄』だが、昔ながらの海援隊のメロディに、現代風のアレンジを加えたような、今までの海援隊の曲とは少し違うような気もするが、それでもやっぱり海援隊のメロディラインだという面白い曲。特に歌詞がいい。欲を言えば、もう少しテンポに波が欲しいかな。ちょっと平坦な感じがした。まあ、聴いていくうちに馴染んでいくだろう。

 ホームページを見たり、新聞のテレビ欄を見たりしていると、ある程度の展開は事前に分かってしまうが、それでもまあ楽しめる。これも初めてであろう、3Bに転校生がやってくる。成迫政則(東新良和)と鶴本直(上戸彩)だが、2人とも暗い。成迫の暗さの原因(姉がレイプ殺人の被害者となり、教師の父は無実の教え子を刺殺)は今日の放送で分かるが、鶴本直の壁の原因は何か身体に関係があることではないか……くらいしか分からず、今後に含みを持たせている。おそらく、そのトラウマが今後の話の展開の中心になるのであろう。つまり、「体に触れられることを嫌がる外面的な原因が分かる(ex.火傷や暴力の痕がある)→プライバシィに関わるレベルで原因が分かる(ex.かつて襲われた経験があるとか父親が暴力的だ等)→金八がその心の苦しみを理解しケアをする」という感じか。あああ、先読みをしてしまうなんて、何てつまらない視聴者に成り下がったのだろう、俺は!

 もう一つ、話の展開の軸になる幸作の白血病だが、いきなり倒れられたので、こちらも細かいことはこれからなのだろう。息子を失うという危機に直面した金八の苦悩が描かれることになるが、よくよく考えれば、金八はこれまで生徒の苦しみを一緒になって苦しんであげるという立場が多かったわけだが、今回は自分自身が苦しむという立場になった。これもこのシリーズには珍しいケースで、脚本家小山内美江子の意気込みが感じられる。安井院長(柴俊夫)から幸作の病状の説明をされるときや、そこから帰宅して妻の遺影に独白し、遅く帰ってきた乙女を平手打ちするシーンなどに、金八の苦悩が嫌というほど表現されている(だが、それに対して僕は「嫌」とは言わない)。

 もちろん、教員の社会研修つかみどころのない子供(例えば、生徒から金を奪う今井儀(斉藤祥太)もいたね)といった教育の時事問題についても取り上げ、理想かもしれないが、今回も一つの解決案を示してくれる作品になるだろう。とりあえず今回は初回ということもあり、今後の展開に対する伏線を張りまくった感じ。管理的な千田校長(木場勝巳)に関しても何かありそうだな。

 キャストや設定についても触れておこう。何といっても“カンカン”こと乾友彦先生(森田順平)である。前シリーズで恋が芽生え、今回はめでたく結婚してしまっている奥さん乾英子(旧姓小椋。原日出子)とのラブラブぶりに、「こんなのカンカンじゃない!」とテレビの前で叫んだ視聴者も多かったことだろうと推察する。こういった場合「実際に“叫ぶ”わけないじゃん」というツッコミが入るのが常だが、今回は実際に叫んだ人がいたはずだ。一見、真面目でクールな人ほど、人を愛するときは情熱的だという良い見本である。ところで、今回は珍しく前シリーズの教員のほとんどが残留している。しかも、AETや非常勤講師までいて、いっそう現実の教育現場に近くなっているように思う。しかし、小田切誠(深江卓次)の髪型はいかがなものか

 生徒だが、今回も「ガリ勉くんは窓際の前から2番目」「学級委員は、廊下側から2列目の前から4番目と、3列目(真ん中)の3番目」「廊下側から2列目の前から2番目はチョコマカ」「うるさい生徒は最後尾」「クールな女子は真ん中の列の後ろから2番目」といった、席に関するお約束が踏襲されていたのが嬉しいところ。今回の生徒は見た感じ、今までの生徒たちに比べると幼い気がする。これまでよりも言動が中学生っぽい感じだ。もちろん、まだ顔と名前が一致してはいないが、学級委員青沼美保役の本仮屋ユイカの名字は何と読むのか気になるところだ。と言うか、彼女のようなキャラは今までなら学級委員をやっていないのだが……。一方の学級委員“コボ”小堀健介(佐藤貴広)も、珍しく気弱な学級委員だ。ところで、ガリ勉くん近藤悦史(杉田光)の2つ後ろに座っていて、いつも知恵の輪をいじっている山田哲郎(太田佑一)の存在はどうなのだろう。まだはっきりとどうだと分かったわけではないが、若干知的障害のある役のように見える。普通校にいることができるくらい軽度の障害なのか、それともまったく障害などはないがああいった言動をする生徒なのか、まだ見えてこない。このコは今後のストーリィに絡むのか?今井儀の板の間稼ぎを目撃して脅される江藤直美役の鈴田林沙は、読売新聞日曜版『あたしンち』で見たような気が(笑)。このコも話の中心に絡みそうだ。それにしても、公認のカップルがいたのは新しいパタン。どうなるのだろう、この嘉代正臣(佐々木和徳)と本田奈津美(谷口響子)の2人。まあ、現時点で「目をつけた」生徒はまだいないが、前シリーズの関恵美(木舘雪恵)や米田真規子(倉沢桃子)がゲスト出演していたのにはにこにこ。まあ、まだちゃんと芸能活動をしているメンバを呼んでいるのだろうな(第2話に出ているメンバも含む)。

 坂本乙女役の星野真里だが、数週間ほど前に『プラトニック・セックス』での性的に軽い役を観てしまっているため、どうしても比較をしてしまうところがある。まあ、それを抜きにしても、大学生ということで夜が遅くなったり、そうかと思うと講演会やらシンポジウムやらに出席する真面目さも残していたりして、家庭から自立しつつあるということが分かる。坂本幸作(佐野泰臣)だが、相変わらずデカイ。その身体がベッドの上から動かせない役というのが泣けてくる(実際は泣かないけど)。特に、金八が荷物をまとめるために幸作の部屋に入ったとき、机の上に安井ちはる(岡あゆみ)の写真をまだ置いているところなんか、「まだ叶わぬ恋を想っているのか」と泣けてくるし(実際は泣かない)、その下にコンドームを隠し持っていて(と金八は言ったけど、隠し/れてないだろアレ)1個使った形跡がある(女のコ相手じゃないみたいだけど)なんてのも、「そうか〜そんな年頃だよなあ、もう」と思えて、金八が今回の授業で言っていた「一寸の光陰軽んずべからず」という言葉が伏線として理解できたりする。今回はもう第6シリーズということで、まさに「光陰矢のごとし」だ。だが、金八の髪が長くなっていたり(柳井Pのお達しらしい)、やたら「バカチン」という言葉を連発していたりと、復古主義的なものも感じる。ちなみに、幸作の机の上に置いてあった、健次郎・ちはるとのスリーショットの写真は、かつて読売新聞のzipzapという別刷りテレビコーナの1面に乗っていた写真ということは、マニアなら押さえているだろう(マニアなのかっ?)。僕もどこかに持っていたと思ったが、さてどこにやったか……ヤスコ(クイズ研同期)にあげたような気もするし、あげていないような気もするし……。

 それにしても『金八』シリーズは良い。2時間観ても長く感じない。それどころか、こんなに長々と(3000字弱)印象が書けるのだ(この量を維持できるかは不明だが)。このホームページを始めた時は、まさか2シリーズの感想を書くことになるとは思わなかった(じゃあ書くなよ>っておい)。今回のテーマは何だろう?「志学」だろうか。以前日記にも書いたが、確かに『金八』は理想の世界だ。だが、ドラマだからこそ理想を描いてほしいじゃないか。ドラマにすら理想がなくなったら、誰もドラマを観なくなるだろう。

第2話『ボクの心の闇は深い』01.10.18放送

 今日は成迫政則(東新良和)に関することにやや重点が置かれている感じ。鶴本直(上戸彩)や幸作(佐野泰臣)に関しては若干薄い。ところで、鶴本直役の上戸彩の「好きな異性のタイプ」の条件の一つには、「自分を特別あつかいしてくれる人」というのがありますな。何様じゃお前!

 直の長いスカートに関する校長室のシーンだが、ここではっきりと国井美代子教頭・坂本金八vs.千田校長・北尚明という対立構図が描かれており、今後見られるであろういさかいの対戦チームが提示されたという感じか。まあ、相変わらず北先生の「寄らば大樹の陰」という腰巾着っぷりが見られて笑える(笑い事か?)。しかし、前回クラスに向かって言った「(直のスカートが長いのは)校則違反ではありません」ということを、なぜ金八は校長に向かって主張しなかったのだろうか?千田校長のような管理主義者にとっては、それだけに一番の武器となる(=言い返せなくなる)理由だと思うのだが……。ところで、この千田校長、名前を「喜朗」というらしい。「喜朗」といえば、早稲田出身の某ダメ首相の名前って確か……?

 ねえ、今シリーズの金八って、やたら「ばかちん」を多用してない?

 でも、やっぱり直は身体に外見的なキズがありましたね(予想通り!)。まあ、母親(りりィ)の申告だけなので事実かどうか分からないけど。しかも直のシャワーシーン(女のコだぞ)では映っていなかったし。それにしても、その直前の、ジョギング中の直が荒川の土手で呆けている信太宏文(辻本祐樹)と交流するシーンは重要。少なくとも、第2回までの放送分の中では、クラスメートに最初に心を開いたシーンなのだ。これまでの中で一番喋っているなあ(突き放したような口調は不慣れみたいだけど)。ちなみに、「『野郎』というのは男に言う言葉だろ」は適切。女に言うのであれば「めろう」(漢字は忘れた)。

 幸作の病気のことに関して、遠藤達也先生が小田切誠先生を付き添いに坂本家を訪れるシーンだが、ここは少し感動もの。はっきり言って、あそこまで真面目で真剣な遠藤先生を見たのは初めてだ(当然そうあるべきシーンだが)。まあ、相変わらず乙女(星野真里)に色目を使っているのは御愛嬌。脚本家の小山内美江子氏のポリシィなのだろう、毎シリーズ何かしら興味深い本を提示してくれるが(例えば前シリーズでは大平光代氏の『だからあなたも生き抜いて』)、今回はまず、書店で研修中の遠藤先生が持ってきた『種蒔く子供たち』(佐野律子・編)だ。ガンや白血病にかかった子供たちに関する本らしいが、前シリーズの『だから〜』がその後爆発的なヒットをしたことを考えると、この本もかなり良さげな感じがする。しかし、乙女用に用意した2冊目(金八用とは明確な区別があるらしい)には何か挟んであったのか?ただ、「まかり間違えば『弟』って呼べる間柄になるかも知れませんし」は、「まかり間違えば」と言うところに、半分あきらめている現状が見え隠れ(笑)。その時の金八が顔を上げるスピードが速かった……。

 しかし、いくら情報があったからって、チャリで走っているだけの山越崇行(中尾明慶)を自転車泥棒扱いして中学に届ける大森守巡査っていかがなものか。しかも、その後行方不明になった政則に関しては、金八に個人的に連絡して引き取らせるという、何かしっくりこない矛盾(笑)。何より、制服が古いきがするけど、冬服?実際の警察官もこうなのですか?

 それにしても、今までのクラスに比べると今回の3Bは、かなり崩壊しているような気がする。文化祭での出し物を決める学級会のシーンだが、今までだったら、「めんどくせーよ」「やりたくねー」「何でもいいよ」という言葉が出る程度のレベルで止まっていたように思う。しかし今回は、使えない意見が結構出た上、隣のクラスから流れてきた音楽に合わせて踊りだすという無法地帯。しかも、それを鎮めるのが長谷川賢(加藤成亮)のリコーダによる『運命』って一体……。変なクラス!

 政則の心の傷はかなり大きいということが、この第2回のメインテーマなのだろう。父親が事件を起こした直後のマスコミ報道の幻を見たり、死んだはずの父・姉の姿を仲睦まじい父娘の姿に見たり、それが他人だと分かった時は嫉妬・悔しさ・悲しさ・苦しさなどが入り混じって邪魔(並んで歩く2人の間を割って入り、2人が一緒に持っている1つの買い物袋を落とした)をしたくなったり……。この失踪の連絡を池内先生から受けた金八が発した一言は、今シリーズの中でも「名言」として残るであろう。それは「1人の生徒の心をつかめないで、30人の生徒の心はつかめんでしょ」という言葉。ベタっていえばベタな言葉だが、だからこその重み。え?細かいですか?今回は、できるだけ細かく記録・ピックアップすることを目指していたりしますのでね。ところで、東新良和って、ジャニーズらしくない顔だね。

 で、この政則を確保した大森巡査だが、上ではああ書いたが、今回はかなり優しく、物静かで、大人っぽいところ(うまく表現できない)が見えた。金八に個人的に連絡して政則を引き取らせたが、実は金八も大森巡査のことを信頼して、成迫家の事情(は警察だから知っているのは当然だが)と、その家の息子であることを彼に教えていた節があったようなのだ。金八は大森巡査に頭を下げたし、大森巡査も、必要以上のことは言わずにあっさり政則を引き渡した。しかも、幸作のことを心配したりして、まさに2人は「好敵手」という言葉がピッタリくる関係だ。でも、「(政則は)誰もケガさせてねぇし、物も盗ってねぇ」と大森巡査は言うが、何やらビンを割ったような音はしていたぞ

 その直後、金八が親として子供の心配をする心境を、連れて帰る政則に愚痴っていた。親として子供にかける愛情は限りなくとも、実際にしてあげられることには限界がある。幸作と成迫先生のことを考えると、その情けなさに涙が出るのだという。しかし、「(政則には)俺がついてる」親として子供にかける愛情と同じ愛情を、他人の子供にもかけられるというところが金八の素晴らしさだろう。

 最後に、テストの答案を返却してからの国語の授業があったが、やることは漢字(“へん”によって、同じ“つくり”でも意味が変わるという内容)とことわざ。金八って、漢字とことわざの授業が多いよね(他の内容もやったことはあるけど)。たまには文章読解もやってほしいものだ。しかし感心するのは、バカな反応が生徒から返ってきても、キレたり怒ったりしないという点だ。教壇に立ったことがある人はもちろん、テレビに向かって「んなわけないだろ!」とツッコミを入れたことがある人なら分かるだろう。教壇に立っている以上、怒ったりしないで寛容に流し、面倒だと思ってもちゃんと説明するということがどれだけ難しいか。特に、「寛容に流し」という点で、しかも「うまく」流さなければならない。だけど、「踏まれた花にも花が咲く」ということわざは、「侮辱を受けても負けるな政則!」という意味が込められているのだろう。目が輝いていたからなあ政則。