1999.11.27 無念のJ2降格から1年。敗者しかいなかった浦和市駒場スタジアムに、勝者の歓喜の雄叫びが響いた。
2000.11.19 J1で川崎フロンターレのJ2降格が決定した翌日、浦和市駒場スタジアムには2万207人の大観衆が詰めかけた。チケットが手に入らなかったサポーターは、自宅で、REDS SQUAREで、そしてRED VOLTAGEで浦和レッドダイヤモンズのJ1昇格を願って声援を送り続けた。
試合は今季の苦闘を象徴するかのように対戦相手のサガン鳥栖の攻勢に晒され、序盤の気迫溢れるパス回しが途絶えたまま前半が終了。
後半開始早々、鳥栖ディフェンスラインのパスミスから途中出場のFW福永(10)がボールカット。ボールコントロールを誤って鳥栖DFと共に潰れたこぼれダマを、FWアジエル(35)が拾ってそのまま切れ込み左足で先制ゴールを叩きこんだ。
しかし、この得点を活かし切れないのが今季の浦和レッドダイヤモンズであった。先制直後、浦和の右サイドからのクロスボールを、GK西部洋平(16)の目の前でDF西野努(12)がクリアミス。ゴールへと向かったボールを鳥栖のFWルシアノが押し込んで同点に追いつかれる。
さらに浦和はディフェンスラインのミスから鳥栖FWに独走を許し、後ろから追いかけたDF室井市衛(21)がペナルティエリア内でファウル。これで室井は退場となり、さらにPKを献上する。しかしこれをルシアノが外し、浦和は窮地に一生を得る。
両チーム決定力を欠きもつれ込んだ延長戦。浦和は神速FW岡野雅行(7)を投入し、勝負をかける。岡野は延長戦開始早々、そのスピードを活かしたチェイシングを見せ、チームに喝を入れる。
私は浦和レッズの直営店RED VOLTAGEにいた。この店は試合がデイゲームでテレビ中継があった場合、店内の大スクリーンで放送するので、スタジアムに行くことが出来ないサポーターが集まる場所として知られている。しかし、スタジアムでない分だけ盛り上がりには欠ける点もあった。
しかし、この日は違った。正規の90分の間はおとなしくしていたが、大分で大分トリニータが大宮アルディージャに対して1−0の勝利を収めたことを知ったサポーターは、黙っていなかった。誰かが始めた選手とチームのコール。それは店中を巻き込んだ大合唱となった。
そして迎えた歓喜の時。ゴール右からのMF阿部敏之(20)のFKが鳥栖の人壁に当たり、跳ね返る。高く浮いたボールは、左サイドにいたMF土橋正樹(4)の目の前へ落ちてくる。土橋はこれをワントラップし1歩前へ。土橋はそのまま豪快に左足を振り抜く。選手・チーム関係者・サポーターの想いが詰まったボールは、ドライブがかかって逆サイドのネットに突き刺さった。
その瞬間、日本全国でどれだけの人が叫んだだろうか。
どれだけの人が「1999.11.27」を思い出して感涙にむせんだだろうか。
どれだけの人が今季1年間の苦しさに思いを馳せただろうか。
そしてどれだけの人が来季の浦和レッドダイヤモンズに喝を入れただろうか。
だが、今はこの昇格の喜びに浸っていよう。RED VOLTAGEでも、「浦和レッズ!浦和レッズ」「J1浦和!J1浦和!」「We are REDS!!We are REDS!!」コールが響き、土橋のゴールシーンのリプレイでは私も「正樹!正樹!」コールの音頭をとった。
J1昇格おめでとう。
浦和レッドダイヤモンズ