野外炊事
キャンプと野外炊事
最近のキャンプ場においては給食施設が完備され、キャンププログラム内の野外炊事に拘る時間が不必要ではないか?という風潮にある。そんな中でもう一度野外炊事というものを見直してみたい。
組織的教育キャンプでの
野外炊事のもつ役目
  1. 野外生活をより効果的にする。
  2. 野外生活における共同生活の場を認識させる。
  3. 野外生活における衣食住の“食”を受け持つ。
市こ連キャンプと野外炊事
前に述べた総合的にいうキャンプの野外炊事と、市こ連キャンプのような組織的教育キャンプにおける野外炊事とは、役割的には同じと言える。
しかし、本来的なキャンプの野外炊事と違った点があるとしたら、市こ連キャンプはキャンプを通して、またその内の野外炊事を逆に利用する事によってこども達に共同生活というもののだいじさ、又、その認識を深めることによって健全な青少年に育てるという目的を持っていることであろう。
目的と効果
市こ連キャンプのような組織的教育キャンプにおける目的や効果をみると次のようである。
  1. 作業を円滑に進めるには役割の分担が必要であるということを知る。(協力の必要性)
  2. ものを作り上げる喜びを知る。(完成の喜び)
  3. 創意と工夫を活かす機会である。(創造と工夫の喜び)
  4. 正しい食事作法を知る。
  5. 技術を身につける。
  6. 共同生活を通して協調性を身につける。

というようなものであるが、それは本来のこども会自体が持っている性格をうまく集約したプログラムと言えよう。

野外炊事を行なうときに教える技術と知識
  1. 火の付け方・消し方及び危険性。
  2. 火加減・水加減。
  3. 調理技術。
  4. 刃物の扱い方。
  5. 炊事用具の正しい使用方法。
  6. 食糧・薪等の保存及び管理方法。
リ−ダ−の野外炊事における役目
  1. 技術と知識を教える。
  2. 安全的・衛生的な仕方の指導。
  3. こども達に役割分担を教える(調理当番・竈当番・食卓当番・食事プログラム当番・etc.)。
  4. 炊事の楽しさを通しての仲間意識。
    さらに野外生活の楽しさを通しての共同生活の認識を深めてやる。
リ−ダ−の野外炊事における留意点
  1. 飯盒の柄などで火傷をしないように軍手を用いること(但しナイロン製は不可)。
  2. 日射と火による熱射により疲労度が激しいので充分気をつけること。
  3. 栄養素を損なわない調理法を心掛ける。
  4. 包丁やナタ等の刃物の扱い方に注意する。
  5. 衛生管理上、後片付けは充分にすること。
  6. 火傷、怪我等の事故に対する安全対策及び救急法を身につける。
  7. 煙や熱気等の過吸気症候群の発症に注意する。
  8. 火起起こし時の急激な過呼吸によるショックと、熱に対する生理不順からのヒートイグゾーストに注意する。
こども達からみた炊事とは
キャンプにおいて、もっとも具体的目的性を持っていて、全員がその目的遂行に全精力を傾ける場として、
こども達がいったいどのように炊事を見ているのだろうか?
  1. みんなが“ゴハン”を作るという目的で一所懸命にしている。
  2. キャンプに来て、炊事々々と追いまくられていたが、キャンプファイヤ−の火と同じように、家に帰ってからも忘れられない“火”になると思う。
  3. 煙に泣かされて、みんな真黒けになってゴハンを作っているから、いくらゴハンが固くてもおいしい。
  4. 初めて自分でゴハンを作ったが、家でのゴハンと同じように、ふっくらとしたゴハンが真黒になった飯盒の中でできてくるというのが、面白い。
  5. みんなが好き勝手なことばかりしていると、いつまでたってもゴハンができない事がわかる。

キャンプの中で一番色々な事がわかるのは、ゴハンを作る時だと思う。こども達は野外炊事について、このように感じているのである。野外炊事をもう一度考え直してみても良いのではないだろうか!

野外炊事をプログラムとして
野外炊事をプログラム化する方法として、いろいろあるが、例をあげてみると…
◇クッキングラリ−◇
炊事の早さを競うものである。炊事にあたり、グル−プがどれほど和があるか、役割分担がしっかりできているか、また技術の程度を見るのに良い。
◇クッキングコンテスト◇
炊事の中に創造工夫を加えたものであり、リ−ダ−が技術を教えるのに使えるプログラム。なるべく大勢のグル−プが参加する方が楽しい。
◇ハンディキャップクッキング◇
キャンプ中の他のプログラム(オリエンテ−リングやポイントハイクなど)によって採点した点数や、グループ活動の状態(就寝・起床・集合状態等)から、炊事の時の材料を削ったり、増やしていくようにする。このプログラムの場合、完全に料理の工夫が必要になってくる。しかし、リ−ダ−が気を使わなければならない点は、栄養面である。炊事の材料以外に調味料を削るのも一つの方法である。
◇味付けコンテスト◇
各グル−プ毎に食事をセットし、メンバ−はどのグル−プの食事を食べても良い事とする。料理が早くなくなったグル−プが一番味付けが良いことになる。
野外炊事をプログラムの一つとして
思い出に残る楽しい食事をメンバ−に