通勤快読 〜Books for Subway
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「箱庭」 内田 康夫
講談社文庫 \695 1997.03.15初版 ISBN4-06-263369-8
- 浅見光彦シリーズ!(^^) 相変わらず、かっこいいです〜。今回は、浅見光彦の義姉に届いた脅迫状めいたものに端を発し、追っていくうちに大事件に巻き込まれていくという話なのですが……今回はやられました! まさかこんな、どんでん返しが待っていようとは(^^;; 驚きの、急展開があります。あと、今回初めて知ったのですが、浅見光彦シリーズにはほぼ毎回、ヒロイン(寅さんで言うところのマドンナ役 ^^;)がいるそうですね。今回はバレエインストラクターの岡村里香という女性が登場して、浅見とくっつくか?と思わせたのですが、いつもくっつきそうでくっつかないのが浅見光彦なのだそうで……。ハンサムで女性にももてるのに独身だなんて、まさに女性ファンを掴んで離さないところでしょう(笑) 文句無し、おすすめの一冊です! (2000.05.23)
「七日間の身代金」 岡嶋 二人
講談社文庫 \552 1998.07.15初版 ISBN4-06-263824-X
- こちらもまさしくヒトゴロシ物。そして、誘拐物です。弟と義理の息子を誘拐され、身代金を渡しに行った女性がその場で殺されたことから事件は始まります。その女性の知り合いで、相談を受けていた千秋と要之助の二人は、素人探偵となって事件を追っていくのですが……被害者同士の奇妙な人間関係や、密室のトリック、次々と出てくる行方不明者など、謎は山積みです。それでも、鋭い着眼点で真実を追って行く様は、読んでいてとてもわくわくしますね。何より、二人の微妙な(?)関係も、推理とは別の次元で楽しむことができました。本当に、ぜひともシリーズ化してほしかったところですが、残念ですね。 (2000.05.19)
「後鳥羽伝説殺人事件」 内田 康夫
角川文庫 \470 1985.01.25初版 ISBN4-04-160701-9
- その名の通り、ヒトゴロシ物です(笑) 山陰・山陽を旅行中の女性が、何者かに駅の連絡通路で殺された事件を、一人の刑事が追いかけていく、といった形で物語は進んでいきます。最初、この野上刑事が主人公なのかと思ったんですが、中盤を過ぎる頃に、被害者の学生時代の友人(彼女も被害者なのですが)の兄として登場した、浅見光彦がどうやら主役のようで……。素人探偵を名乗る彼は、野上刑事に協力しながら事件を解決に導いていきます。それまで野上刑事の視点で一緒に捜査を進めてきた読者にとって、浅見の登場はとても頼もしく感じられるようにと思います。そして何より、かっこいいんですよ。浅見光彦が!(笑) まさに「好青年」で、愛敬もあり、好感が持てます。これが浅見光彦シリーズの第一作目のようなのですが、その後彼がどんな事件をどのように解決していったのか。大いに期待したいと思います(^^) (2000.05.17)
「そして扉が閉ざされた」 岡嶋 二人
講談社文庫 \544 1990.12.15初版 ISBN4-06-184816-X
- ご無沙汰しておりました。久し振りの「通勤快読」です(^^;; 実はこの本も、随分昔に読み終わっていたのですが、レビューを書いている暇が無くって……ええ、言い訳ですね(笑) というわけで、久々のこの一冊。今回も借りた本でのレビューです。(いの。ありがとう♪) 事故とみなされた娘の死を信じきれない母親に、当時一緒に旅行していた友人の男女四人が密室に閉じ込められるところから物語は始まります。この中に娘を殺した犯人が必ずいるはず。それを白状させてやる……という母親の思惑通りに、この四人はシェルターの中で推理を進めていく、というのがあらすじですが、さすがにシェルターに閉じ込められているという舞台設定のため、全編を通して事件当時の回想・検証と推理で構成されています。誰も犯人でありえない。でも、誰かが犯人のはず……。事件の当事者である主人公達と同様に、読んでいる私も頭を悩ませました。そして、意外な事実が! ……と、その先はご自分で読んでいただくとして(笑)、推理というのはこうやって進めていくものなんだと、原点に立ち返ったような気がしました。登場人物のキャラクターが、ちょっと典型的過ぎるかな?という感じもありますが、推理小説ですしそこまで求めるのは贅沢ですね(^^;; 本格的推理を味わいたい方はぜひどうぞ。 (2000.05.04)
「らせん」 鈴木 光司
角川ホラー文庫 \648 1997.12.01初版 ISBN4-04-188003-3 シリーズ
- 怖かったです……ほんとに。そしてやっぱり、面白かった! 「リング」に続く、シリーズ第2作目です。ですが、全てにおいて前作を上回っていますね。「リング」から始まった一連の事件は、思わぬ方向に展開を見せ、やがて前作とは比べ物にならないくらいの、人類全体の危機へとつながっていく。その中での山村貞子の復活と陰にいる意外な人物……。全て読み終わった後で伏線に気付くのは、いつも読者として悔しい限りなのですが、またしても鈴木光司にやられました(笑) 今回は遺伝子や医学についての専門的な記述が多かったのも、より一層物語にリアリティーを与え、身に迫る恐怖として読者に感じさせる効果を生んでいるように思います。実際、リングウイルスの顕微鏡写真を見た時には、背筋が寒くなりました(^^;; これは文句なし、お勧めの一冊です。読んでいない方はぜひ! (2000.03.20)
「十角館の殺人」 綾辻 行人
講談社文庫 \580 1991.09.15初版 ISBN4-06-184979-4
- この「通勤快読」始まって初!の、人から借りた本でのレビューです。別に、だから何が変わるという訳でもありませんが……(笑) 久しぶりに読んだ本格派ミステリーです。このHPを始める前に、一時期江戸川乱歩にハマっていたことがあったんですけれど、それ以来かな? ネタバレになるのであまり詳しくは書けませんが、ラストのどんでん返しではびっくりしました。まさかあの人があの人だったなんて……(何のことやら ^^;;) しかも、最後に自首するような感じで終わりましたが、それが無かったら完全犯罪ですし。なかなか楽しめた一冊です。 (2000.02.29)
「リング」 鈴木 光司
角川ホラー文庫 \540 1993.04.24初版 ISBN4-04-188001-7 シリーズ
- 記念すべき2000年一冊目……のはずが、こんなに遅くなってしまいました(^^;; 大変申し訳ありません。今が旬の「リング」の原作です。一言、面白かったです! 怖いというよりも、謎解きの面白さの方が私の中では勝っていた感じですね。映画やビデオだったら、きっとビジュアルからの怖さがあるのだと思います(実は、まだ観ていないんです ^^;) しみじみ思ったのは、やっぱり鈴木光司はすごい、ということでした。ストーリーの構成や、アイデア、読みやすさ、そして人間味あふれる登場人物。流石です。ただ怖いだけのホラーではなかったんですね。映画から入った方にも、ぜひ原作を読むことをお勧めします! (2000.02.19)
「ねじまき鳥クロニクル 第3部 鳥刺し男編」 村上 春樹
新潮文庫 \705 1997.10.01初版 ISBN4-10-100143-X シリーズ
- 1999年最後の一冊。「ねじまき鳥クロニクル」シリーズ読破しました。事態に一応の決着がついたものの……やっぱり最初から最後まで難解な物語でした。難しくて不思議で、でもついつい先を急いで読んでしまった感じです。結局、綿谷ノボルが妻がいなくなった原因であった訳ですが、他にも不思議な力を持つ人々や、戦時中の出来事、現実世界と精神世界などが複雑に入り混じっていて、とても一言では言い表せないくらい、奥が深い物語です。きっと読んだ人や、年齢によって、幾通りもの解釈ができるでしょうね。でもその中でも、主人公の妻を愛する気持ちや、最後まで真実を知りたいと願う気持ちは、とても好感が持てました。最後、希望が持てる終わり方なのもいいです(^^) (2000.01.04)
「ねじまき鳥クロニクル 第2部 予言する鳥編」 村上 春樹
新潮文庫 \552 1997.10.01初版 ISBN4-10-100142-1 シリーズ
- うーん、やっぱりよくわからない……(^^;; この巻での出来事は、おおざっぱに言うと妻のクミコが突然家を出ていってしまって、そして主人公が枯れ井戸の中に入って(途中からは閉じ込められて)不思議な体験をするという、ただそれだけです。……こう書いてもわけがわかりませんね(笑) 目に見える出来事としてはこれだけですが、次第に核心に近づきつつあるように思います。主人公も読者も、何も訳がわからないままいろいろな事件に巻き込まれて、戸惑いの中物語が進んでいる感じなのですけれど、主人公も言っているように、思ったよりも問題は大きく、根が深いものなのかもしれません。一体それは、何なのか? 果たして妻は戻ってくるのか? ねじまき鳥に隠されたメッセージは? まだまだ謎は山積みです。 (1999.12.17)
「バラバラの名前」 清水 義範
新潮文庫 \400 1998.01.01初版 ISBN4-10-128217-X
- 深く考えさせられる小説の合間に、気分転換に読むには清水義範は最適ですね(笑) 久しぶりに、何も考えず肩の力を抜いて読める本でした。短編集です。表題作の「バラバラの名前」は、ご察しの通り「薔薇の名前」のパスティーシュで、徹底したドタバタ喜(悲?)劇です(^^;; その他にも、食事の時のごはんとおかずの食べ方の配分に始まって、人生の全てにおいてきちっとした配分を考えてしまう男の話など、とても面白かったです。こういう人、どこかにいそう……(笑) (1999.12.15)