本日は2000年9月11日(月)。天気は晴れ。気温は17℃〜27℃です。先週から学校も新学期が始まり、朝夕はスクール・バスや子供の姿をよく見かけるようになりました。また、夏物の衣料のバーゲン・セールが開始され、ショッピング・モールはとても混雑していました。今回は、「アメリカ流のビジネスの考え方」に関してお伝えいたします。

○ 郊外型安売り量販店「ウォール・マート」、都心型高級専門店「ノード・ストローム」、2つの企業の共通点は何でしょうか。ショピングがお好きな方や小売業でお仕事されている方はよくご存じかと思いますが、それは「返品自由」という顧客への公約です。これは、購入した商品に不良があった場合はもちろん、購入した人が商品を気に入らなかった場合にも他のものに取り替えるか、返金するというものです。実際に、それらの店舗に行ってみると、多くの人々が専用のカウンターに行って、交換や返金の手続きをしています。

○ 日本においても不良品の交換や期間限定の返金はあるかと存じますが、無条件に交換や返金要求を受け入れる企業はあまりないと思います。この2つの企業が扱っている商品や対象の客層は、必ずしも同じとはいえませんが、成長を続ける優良企業として、多くの人々に認知されています。すなわち、企業にとって、要望に応えるための損失はありますが、顧客の安心と信頼感をとらえているため、買物する人々はいつもその店舗へ来店し、商品を買い続けるのです。「顧客満足が第1である」という小売業の原則を人々に1番分かりやすい形で示し、それを実践しているのです。

○ 次に紹介するのは、「バーンズ・アンド・ノーブル」という書店とコーヒー店舗「スター・バックス」の展開です。これは、書店の中でコーヒーを飲み、ゆっくりと本を読むスペースがあるという形式です。もちろん、購入前の立ち読みならぬ、座ってじっくりと本を読むことも可能です。売りものの本や雑誌を読まれたら、売上が下がるというのが従来の考え方でしたが、この2つの企業はその業界においても、急成長をしている代表となっています。ここでも、来店する人々の立場に立った店舗展開が2つの企業を支えています。

○ いずれの企業も特別な広告やセールをしていません。一時的な売上を伸ばすことより、顧客との信頼関係を築き上げ、固定客をつかんでいくことを、大切にし、成長しているのです。これまでの常識は「企業」のためのものであり、そこに来店する「顧客」のものではなかったかもしれません。インターネットなどを通じ、直接購入が進む中で、「店舗」という場所を通して、商品やサービスを提供する小売業にとっては、今一度これまでの考え方を見直す必要があるかもしれません。

次回は、「エンターテイメント・ビジネスとしてのスポーツ」をご紹介する予定です。

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