個人的に一押しはtissue engineeringによる再生医学とユビキタスがあつい。たぶん、数十年後には身近になっている。
ユビキタス(ubiquitous)
ユビキタスはナノも関係あるが小さいチップを全てのものにつけて、ようするにバーコードみたいにする。今はやりのICチップだから電波で電源やらデータの読み書き可能。
それをでっかいサーバーを作って、管理。とても便利かつリサイクルに向いたシステ
ム。
読書コーナーにある坂村先生が提唱したもの。
ユビキタスは坂村さんははじめ「どこでもコンピューター」といっていた。
ドラえもんみたいでかっこ悪かったと言ってた。
そしたらアメリカ人がラテン語かなんかで「神は遍(あまね)く存在する」という文
でユビキタス(遍く存在する)という
単語が出てくるのでそれを使ってユビキタスといったそうな。
最近よく聞くと思うが、坂村さんは、専門家にはよくあることで誤用が多いという。
駅で見るユビキタス(指になんか血圧とか測るのつけるやつ)はどこでも使えると指
をかけてつけてるだけのもの。
再生医学(tissue engineering)
再生医学は幹細胞(なんにでも分化、つまりなれる細胞、卵細胞のようなの)から
失った臓器を培養して、使う。皮膚なんかはできてるけど、複雑なのはまだ難しい。
去年俺はこれをやってて、普通はディッシュ(皿)で細胞培養するのだけど、
臓器は3次元だから、そこがテーマだった。細胞のシートを重ねる方法もあるが
俺は3次元の足場を作ってた。だけど、細胞はいろんな層があるし、わかってないこ
とも
多いからなかなか難しい。でも、そのうちできるだろう。
ナノテク(nano-technology & science)
ナノというのは数字の位のことでナノ(n)は10-9で、ナノテクとはサイズがナノメートル(nm)の世界のテクノロジー。
そこでは、まず第一にcube square lawというのがあって、それでは1mm以下から
体積と表面積の関係が逆転し、表面積の影響が大きくなるというもの。
ということは体積に相関のある重力や慣性より、表面積の影響が大きい毛細管現象、静電気力、分子の吸着などがとても重要になる。
だからナノの世界では表面の特性が大切。
そして第二に、小さいことの利点は集積です。これは大事。
マイクロマシン(about MEMS technology)
俺のやっているように、半導体微細加工技術(ICチップの製作で発展した)を
マイクロマシンに応用しようという流れが大分前からある。マイクロマシンはアメリカでは
小さいおもちゃを呼ぶ時に使われるためMEMS(micro electro machanical system)と
いう
名前で呼ばれている。
その最大の応用例はDMDというもので小さいミラーを
電気で制御するもの。プロジェクターが画期的に小さくなったのはこのため
で、これは開発に10年くらいかかった。あとは、自動車に搭載されているマイクロ
圧力計。他にインクジェットプリンターのヘッドがある。
今、まだ三例しか大ヒットはない。つまり先に言うと、応用こそが課題!ということは未来があるともとれるのだが、、、先端技術によくあるようにテクノロジー先行
の感がある。
俺が思うに、これからはますます価値の発見が重要になる。
ある技術やものの価値を見出すことはものあまりの時代には特に大事だと思う。
マイクロマシンの2つのアプローチ
小さいものを作る方法は大きく二つに分けられ、一つは従来のトップダウンテクノロジーで彫刻みたいに塊から削っていくもの。
2つ目は次世代のテクノロジーでボトムアップ。
(これらについては物理界の有名人ファインマンの有名な講演がある。"There's plenty of room at the bottom"。他に有名なのはドレクスラー。)
ボトムアップは自己組織化といわれる、分子などパーツの形や環境をコントロールすることで自然に形を作らせる方法。(ちなみに、自己集合は読んで字のごとく、同じ分子が勝手に(これも語弊ありだが)
集合化して二次元、三次元的に広がった構造をなすもので、自己組織化って
いうのは集合化して一つの分子にはないような「機能」を発現する時に用いる。)
これは生物が行っている技術で、ナノオーダーのものづく
りが
できるが、分子間の相互作用の解析が複雑でまだまだ完全にはできない。
できているものとしては、俺らもやっているμCP(マイクロコンタクトプリンティ
ング)がある。
これは、PDMSというポリマーを用いてスタンプを作って、インクとしてSAM
(self assembled monolayer)
という自己組織化単分子膜を使ってスタンプする方法。
SAMはいろいろあり、有名なのは
チオール系で端に-SH(チオール)がついてる。もう一方の端はある程度自由だが、大体メチル基(-CH3)が何個かついてる棒みたいな形状で、これが金表面につけるとAu-Sの結合が起こり(結構頑丈)
金表面に全ての分子が立ち並ぶ(たしか何度か傾いてたけど)というもの。
これで表面を改変(疎水、親水)できるし、金を溶かす溶液(金エッチャント)に対
して金を守るため
マスクとなる。
もちろんスタンプはトップダウンで作った金型で作るのではあるが、簡便に量産可能というよ
さがある。これは組み立て(アッセンブリー)にはほど遠いがまあ、今可能なボトムアップ技
術。
ナノテクの課題
第一は応用。効果的な応用を考え、作り出すこと。バイオは有力候補。第二は量産。ということ。
ナノとバイオの接点(バイオと工学の接点も含めて)
工学のみならず、あらゆる学問が、少し前からバイオミメティック(生物のたく
みな仕組み
を真似、もしくはそれに刺激をうけること)な方に向いてる。
というのは、生物は昔からナノテクなのね。もちろん、化学もそう。
でも、効率性からいったら生物はすごすぎ。
というところでなんとなくナノテクとの関わりが出てくる。
真似と同時に今度は工学の医学応用もかなり広がってきた。血管に流体力学を応用
し、
シュミレーションしたりとか。シュミレーションもかなり重要な分野と思う。
ロボット外科とか。
まあ、話は戻して、マイクロマシンを作ってミクロの決死戦みたいなことはまあ今は
無理とされている。
というのはマイクロマシンというのは実は粘性が大きく影響するので動かすのが大変
なうえに
3Dで作るのはなかなか難しいから、しかしドラッグデリバリーといった分子設計に
より動かすのは
可能だろう。(こういう様に生物みたく自律的に動くものの研究が盛ん。また、動的
な分子の動き
の解明は化学界の今のテーマ)
その上に、部品を作っても組み立てが難しい。そこで出てくるのがバイオミメティッ
クな方法。
生物のアッセンブリーといえばDNAということで、ソニーの研究が出てくる。
DNAを一本鎖にして電界で伸ばす、そしてそこに部品を並べるという方法。
部品はダイオードとかな?まあ、部品にDNAの塩基と特異的に反応するものをつけ
て
並べるということ。まだ、DNAをできるだけ伸ばす段階だが、ソニーもなかなか挑
戦するねぇ。
実際、大企業が手を出しているのを見るとなんか実現の雰囲気がでる。
それは別として、3大テーマのIT、バイオ、ナノがあるけど、成果がかなりでてる
のは
前2つだと思う。で、最後、未来の技術といわれているナノは前の二つと絡む。
ナノは学際だから、俺みたいに欲張りには丁度いい。ナノはあらゆる分野を統合する
と言われてる。
で、バイオナノだけど、いっぱいある。化学ではナノ粒子。物理ではQドット。
何がいいかといえば、まず原子サイズ(要するに一番小さい)に近いということ
と、生物サイズ(μオーダー)を扱えるということが大きい。
俺のやっているのはバイオセンサーだが、生物サイズのものが作れるということで
生体分子と絡んだ研究が盛ん。ただ、応用の確かな見通しはついてないのが問題。
小さいと何がいいか。感度が高い、生体分子一個を見れる。平均というぼやけた世界
でなく
じかに調べられる。省エネ。集積化可能。などがあげられると思う。
バイオセンサーは少量の血液から腫瘍マーカーを検知したりして診断に使うか、
嗅覚センサーで品質管理とか人工臓器とか人型ロボットなどがある。