
中学生の自分。
高校生の自分。
同じようで、まったく違う。変わらないけど、変わった。
そう、強く思うことがある。
あれほど恐れていた社会と言う現実を、私はこれっぽっちも考えないようになっていた。
やりたいこと、夢にむかって、大学に進み、そして、これを実現すること。
そこには、一点の曇りもないようだった。
私は、当然のように進学を考え、当然のように夢をもった。
進学率100%の環境の中で、社会が、次の目標のその向こうに微かに見隠れするだけの環境の中で、私は初めて、その恩恵というゆりかごのなかで、「夢を持つこと」を自分に許せたのかもしれない。
私の感じた心の変化を、どう言葉にしたら正しく伝わるか、わからない。
「医者になる」
ほんの思いつきではあったけれど、その思いはやがてどんどんと自分の中に膨らんでいった。
中学まで、自分の夢を語ったことなどなかったけど、高校になると、同じ夢を抱える人がたくさんいて、彼、彼女たちとの語らいが、より急速に「夢」をかたちにしていった。
私は、「夢を持ち、夢を語ること」に、なにより夢中になっていたように思う。
だから、夢と現実がどんどん距離を持ち始めた。
「想像できることって、実現できることなんだよ」
そう、私に教えてくれたのは誰だっただろう。
今でも、私はこの言葉を信じている。
あの頃、私には「医者になる」という夢を語りながら、「自分が医者になっている」姿を想像することが出来なかった。
(違う、どこか、違う・・・・・)
そう思いながらも、夢を手放すのが恐かった。
「何も持たなくなる」のが、恐かった。
中学、高校とで、私は大きく変わったように思う。特に、夢をいうことに関して。
中学までは、夢を持つことが恐かった。どうせ、自分のような人間が・・・とあきらめていた。
でも、高校で、あらゆることが「自然」なってしまった。進学率100%、当然大学に進むものという暗黙の了解がそこにはあり、また、どんな夢をもっても、それに向かっていくことができる。
その、揺るぎない自信。
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