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怪しいアジア旅行
          1998/07/23 21号
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こんにちは!
みなさんお元気ですか??
20号で呼びかけたところご意見、はげましの言葉など頂きました。
ありがとうございます。
見やすいように目次なんかあったらと思いましてコーナー別にしようと
思います。
そこで「自分もじいふうのコーナーにでたい」「こんなコーナをつくったら
いいんじゃない?」ってかたいらっしゃったらじいふうまでご一報ください。
みなさんで仲良くたのしくいきたいと思ってます。


《ブルーダンディーさんから頂きました》
・・・アジアではないけれども面白いので掲載させていただきます。

ところであれは2度目の海外旅行だから2年前、1996年の初秋のことです。
30名程度のヨーロッパツアーに参加した時の信じられないお話です。

例によって夕刻、ドイツのとあるホテルに到着。
日本のビジネスホテルクラス程度、まあまあのホテルです。
添乗員の説明を受けた後、各自の部屋に向かうためエレベーターに乗ることとなり
、2台のエレベーターにそれぞれ分乗して7階迄上がる事になりました。

皆さん大きなスーツケースを持っているのでいっぺんにたくさん乗れません。
それでも何とか乗り込み、残すは添乗員の若い女性一人です。
「もう一人何とか乗れるわよ!」..中から誰かの声。
「いいえ、止めときます。ブーなんて鳴りそうだから!」..と笑顔の添乗員。
これが、その後起こる悲惨な出来事の暗示だとは誰も気が付かなかったのです。

何人乗り込んだのでしょう。 私と妻、京都の4人連れ、他に2〜3人。
スーツケースがあるので足は動かせないけど、腰から上は余裕充分です。
誰かがFというボタンを押しました。
笑顔で手を振る添乗員を残し、静かに扉が閉まりました。
グォ〜ン...静かにかかる重力の重み。
と...ガタガタ、ゴトゴト、ゴ〜、ド〜ン..激しい揺れと共にどうやら止まっ
たようです。

...がしかし、扉は開きません。
開くものならもうとっくに開いていいはずです。
奇妙な静寂が続く中、「どうしたの!」と少し緊張した女性の声。
「どうしたんでしょう」と私。
静寂の中での1〜2分はすごく長いものです。
Fのボタンを再度押してみても反応はありません。
これはどうやら異常事態らしい。認めたくないけど。

扉と扉の隙間から外を覗いてみました。
するとどうでしょう。私の目の前に床があるではありませんか。
ちょうど胸の高さに床があるということは、6階と7階の途中でエレベーターは停
止してしまったのか? オーマイゴッド..ジーザスクライス..
私たちはいつ落ち出すとも分からないエレベーターの中に閉じこめられたのだ。
映画かテレビの撮影ではありません。
ダイハードに出演する契約をした覚えもない。

非常ボタンを探しましたが英語ならまだしもドイツ語...
こんな事なら大学でドイツ語を選択しておけば...選択してました。
アーベーチェー、アインツバイドライ、グーテンモルゲン..習った記憶はある。
しかし読めません...25年も前のことです。
それより何より半分パニックなのだ。
非常電話の絵らしきマークもない。

といってこのまま指をこまねいていることは出来ない。
私は指を扉と扉の間にこじ入れ、力のあらん限り引っ張っりました。
すると、なんと30cm程度開くではありませんか。
これなら何とか出られるかも、と思う間もなく2枚目の扉が目に入りました。
2重になっているようです。
これも開けようとしましたがこれはびくともしません。バールか何かないととても
無理です。

残る手段は?
そうです。大声で助けを求めることです。
扉と扉の隙間に口を近ずけて、あらん限りに叫びました。
「ヘルプ ミー」...
「ヘルプ ミー」...
後ろで「ミーやて」という声がしました。
「ヘルプ アス」と言って欲しかったのでしょう。こんな状況下でもえらく冷静な
やつがいるなーと恥ずかしくなり、それからは叫ぶのを止めて扉をドンドン叩き続
ける事にしました。

しばらくドンドンとやっていると、誰かがやってくる気配がします。
フロントの女性が扉の鍵を持ってきて、助けに来てくれたのです。
その鍵のおかげで扉は開き、「ヘルプ ミー」と言った私が先ず飛び出し、みんな
を次々に引っ張り上げましたが、今考えると皆さんを押し上げてから最後に私が出
るべきだったのでしょう。
押し上げるより引っ張り上げる方が効率的であったことは間違いないけど、あの時
はこんな事考えるはずもなくただ無我夢中でした。ごめんなさい。

一方フロントの女性は平身低頭謝るかと思えば、全員脱出後怒ったようにさっさと
何処かへ行ってしまい、事実エレベーターを壊されたと怒っていたらしい。
国が変われば常識も通用しない。
定員オーバーになればブザーが鳴るものと思いこんでいる常識。
ホテル内のエレベーター事故もこちらの責任らしい。

フロントの女性がさっさと消えてしまったので、我々は一体どっちへ行ったらよい
のか迷いました。「こちらです」ぐらい言ってくれよ。
仕方なく右往左往していると、やっと添乗員さんがやって来て説明してくれました


此処でやっと気が付いたのですが、我々は6階と7階の間に止まっているのではな
く、なんと1階のフロアーから地下1階まで落ちていたのです。
我々が脱出し、這い上がった床は地下1階のフロアーだったのだ。
地下2階以下がなかったことが私たちの命を救ったともいえる。

私はというと、その後ツアーが終わるまでみんなからお礼を言われ、一躍ヒーロー
になったのであります。どういうこと?...まあいいや、みんな助かったんだか
ら。

この後、日本に帰ってからもエレベーターに乗る事が度々ありますが、ブザーの鳴
る前から「落ちるよ、落ちるよ」「危ないよ、危ないよ」と叫んで震えているダン
ディーな男性がいたら私であります。

今回は少し長くなってしまいました。ごめんなさい。ブルー・ダンディーでした。

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