コンポステラ番外編        


コンポステラ巡礼路をトボトボ歩きながら、印象に残ったことを少しばかり ・・・







◆ BMI 35 超

◆ MOLINO (モリノ) というスペイン語

◆ エンドウ豆のこと

◆ スペインの家

◆ これは誤訳か、冗談か?

◆ 良いご旅行を ・・・・ ?













◆ BMI 35 超

 ヨーロッパでもアメリカでも、われわれ日本人からすれば常識外れの、まこと人間はここまで太れるのか、といった感慨さえ抱かせる超肥満の男女を数多く目にすることができる。 日本でも昨今、メタボが話題になっているが、欧米の本格的メタボたちと比べると可愛すぎて、ほとんど数のうちに入らない。 うーん、がんばれニッポン、と叫んで応援したくなるほどである。

 

 巡礼路の上り道で、立ち止まって小休止する女性を見かけた。 近くまで行っても、まだ立ち止まったままであった。 コンポステラ巡礼路の全体を通じて、こうした肥満の人が歩くのをあまり見掛けなかった。 この女性も、完歩は難しいように思う。

 


上はサンチアゴにて。 こういう体型の日本人はあまりいない。 頭は普通の大きさなので、異様なアンバランスである。

 

 上はフィニステーラにて。 あちこち探し回って彼らを撮ったのでない。 歩いていればどこででも、簡単にこうした超肥満者は見つけることができた。 経済が傾いていると囁かれて久しいスペインにおいて、である。

 BMI とはボディ・マス・インデックスの略。身長の二乗に対する体重の比で、これが 22 のとき、成人病の罹患率が最も低くなるとされる。 上の写真の人たちは、ひょっとして 35 を超えているぐらいかもしれない。

 もちろん、22 以下の痩せすぎでも罹患リスクは増大するとされる。 私の場合、20 そこそこしかないので、そんなに威張ってもいられない。







◆ MOLINO (モリノ) というスペイン語

 私の苗字、モリノは、アルファベットでは MORINO と表記しているが、実際の発音は MOLINO である。

 その MOLINO の表示を、コンポステラ巡礼路のあちらこちらで見つけることができた。

 

 左の建物に EL MOLINO、右は LOS MOLINOS という名のカフェ。 MOLINO とは水車で、フランス語だと MOULIN 。

 ずっと前に、多治見市にある花博記念公園で、MORINO という名の、黄色いバラの大輪を見つけた。

 そう、モリノというのは、すでにインターナショナルな名前なのである。





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◆ エンドウ豆のこと

 スペインでは何日歩いても、周りの景色が変わらないことが多い。 麦畑だけでなく、エンドウ豆畑もそうである。

 

サッカー場が何面も取れるような所で、冬の前に機械で種をまき、そのまま春まで放置。 トマトも同じようにして作る。

 

サンチアゴ・デ・コンポステラに着いて、市場を訪ねてみた。 建物の中は広く、塊の肉やハム、それに色とりどりの野菜が。

 

大きな籠に入れられたエンドウ豆。 わたしの大好物で、これを籠ごと買い入れて日本に持ち帰りたい気分であった。

 チュニジアでも事情は同じで、100円ほど出せば、食べきれないほどのエンドウ豆が手に入った。 私は勇んでこれを大量に買い入れ、豆ごはんや卵とじにしたが、一向に美味しくなかった。 エンドウ豆特有の、あの匂いも香りもない。 それに豆を被う薄皮が恐ろしく硬く、一度試しただけでやめてしまった。 まあ、一本いっぽん、支えを拵えて育てる日本のエンドウ豆とは、質が違うようで、世の中、そんなに甘くないぞと思い知らされた。

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 上述したチュニジアのエンドウ豆について、チュニジア滞在中の日記を以下に掲載する。 おそらくスペインのエンドウ豆も、これと同じで美味しくはないと思う。

2012/01/01

 今日、スーパーのカルフールで初めて、えんどう豆を手に入れることができました。 1キロが120円で、300グラムほどを購入。味の方はこれから確かめますが、なにか、このチュニジアにやってきた目的の一つが達成されたような気がして、なかなかいい気分です。 いずれエザハラ駅の木曜市に行って、主食にできるぐらいどっさり買ってこようかと思っています。



2012/03/26 えんどう豆に関する当面の結論

 1月にえんどう豆を買ってきて食べたが、さっぱり美味しくなかった。 期待していただけに、ちょっとがっかりであった。 でも、あれは寒い冬のことで、まだ実がよく熟成してなかったせいかもしれない。 と、そう思い直して、暖かくなってからまた買ってきた。 以前よりちょっと粒が大きくなったような気もする。それが下の写真で、随分たくさんある。鞘から豆を取り出すのに小一時間かかった。 それでもこれで100円するかしないかである。



 日本でえんどう豆を買うと、少量でもめちゃくちゃ高いから、そうそう頻繁に食べられるものでない。 そうして、たまに豆ご飯や、えんどう豆の卵とじが出されると、わたしはその美味しさに、声を上げんばかりに感激したものである (実際に声を上げたかもしれない)。 こういう場合、肝心の豆は家族みんなに平等に配分されているかどうか、つまり、自分は他の家族と豆の数において差別されていないかどうか、というのが気になってしまい、思わず周辺の茶碗やお鉢をそっと観察したりしてしまう。 それだけに、チュニジアのスーパーや市場で山のように置かれているえんどう豆をはじめて見たときは、本当に遠いアフリカまで来た甲斐があったと感激したものである。

 というわけで、春物はひと味違うのではないかという期待のもとに、このえんどう豆で、先週は卵とじをつくり、今週は豆ご飯を炊いてみた。 やはり美味しくない。 チュニジアの果物や野菜は日本のものに比べて勝るとも劣ることはないと思うのに、えんどう豆だけは違うようだ。 まるで似て非なるもののようで、そもそも鞘から豆を取り出しても青臭い匂いがまるでしない。 あるいは炊きたての豆ご飯をお茶椀によそった時の、あの独特の豆々しい香りがちっともしない。 卵とじにしても、出汁の味付けはうまくいってるのに、肝心の豆の味がさっぱりである。

 チュニジアでえんどう豆の畑を見たことはないが、スペインのコンポステラ巡礼路を歩いているとき、サッカー場ほどのえんどう豆畑が道の横に広がっているのを見た。 日本では1本1本の苗を支柱に導く手間ひまをかけるが、もちろんスペインではそんなことはせず、苗の1本1本は絡み合いながら地べたを這っていた。 冬前に耕運機かなんかで種をざっと直播きして、そのまま年を越して大きくなるまで放置しておくのだろう。 多分チュニジアでも同じやり方をしているに違いなく、そういう栽培方式の違いがそのまま、味の方にも出てきているのだと思う。

 まあ何事も、いいことづくめにはありえない。 とにもかくにも、これでやっと、チュニジアのえんどう豆に諦めがついた。







◆ スペインの家

 

コンポステラへの巡礼路を歩いていて目を惹いたのは、住宅の豪華さである。 

 

建築中の建物を見ると、柱が異常に細い。チュニジアと同じで、地震がないからであろう。
免震対策に気を使う必要がないから、その分、同じ費用で家屋を豪華にできるのかもしれない。

 

建物に遊び心で描いた絵があったり、壁全体を出窓にしたりしていて、何とも羨ましい。







◆ これは誤訳か、冗談か?

 巡礼路を歩いていて、道路工事を知らせる看板を見つけた、 西語、仏語、独語、英語、そしてなぜか日本語で ・・・



 見ての通り、日本語は 「危険は働く」 となっている。

 思うに、これは英文を翻訳ソフトに入れた結果であろう。 フランス語は名詞のみだから、「危険な工事」 と出てくるはず。 しかし英語の DANGER WORKS の場合、翻訳ソフトは後ろの単語を名詞でなく、動詞の三人称単数形と判断してしまったのだ。

 とはいえ、これは冗談としても立派に通じる。 それを見ながら、思わず一人笑いをしたものであった。







◆ 良いご旅行を ・・・・ ?

 巡礼が1000人ほど泊まれる大宿泊施設があるモンデ・ド・ゴゾに、縦長の大きな看板があった。

 日本語を含む七カ国語で書かれている。

 面白いのは、世界中のどこにでもいるはずの、あの中国人に向けて書かれた言葉がないことだ。 それはそれで理由のないことでなく、コンポステラの巡礼路では一人の中国人も見かけなかった。 ただ歩くだけ ・・・・、という、そんな実利も実益もないアホらしいことに、彼ら中国人民はまったく興味を示さないのであろう。

 


 ところで、ここにある日本語は、「よいご旅行を」 となっている。

 いかにも直訳的な日本語で、普通の日本人なら誰かを見送るのに、そんな言葉づかいはしないだろう。 Have a good trip や Bon voyage を日本語で言うなら、やはり 「お気をつけて」 ぐらいにしてほしいものだ。

 ましてやコンポステラの巡礼たちは、単なる 「旅行」 をしているのではないのだから ・・・・。