<不連続日記>1999-07-後半

暗くも怖くもない帰り道。


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 7月30日(金)「意識の電圧」

 嗚呼眠い。弛緩する顔、手から零れるマンガ本。意識はとろけて散ってゆく、集中力はどこへやら。滲む視界に遠ざかる音。情報が制限されてゆく、うるさいものが消えてゆく。エアコンによって必要以上に冷やされた部屋は布団の価値を復権させる。掛け布団と敷き布団の隙間が色気を放つ。枕が私を呼んでいる。滑り込む脚、覆われる身体、なんという優しい感触。嗚呼幸せ。まだ日も変わっていない、読もうと思っていた本もやろうと思っていたゲームもあればビールだって飲みかけだけど、瞼と意識はどこまでも落ちて落ちて落ちて落ちて落ちて止まらない…。

 …のはずだったんだけど、コレ書いてたら眼が冴えました。ありがちだなあ。

 シーマンシーマン元気かえ。早く大きく育っておくれ。そんでオイラと遊んでおくれ。沈む夕日に照らされた、真っ赤な世界を歩こうや。でない厭きてデータを消しちゃうぞ。根気を俺に期待する、それは大きな間違いだ。

 やっぱり寝よ。意識なんて黒く塗り潰しちゃうに限る。そんで明日になったならさらに上から白く塗ればいい。


 7月29日(木)「ヘドロ海遊泳」

●永野のりこ『電波オデッセイ』1巻
 ギャクマンガタッチの絵でラッピングしてはあるけれど、他のどんなマンガより深く私の芯の傷に突き刺さってくるストーリーは痛すぎて読み進むのが辛いです。閉鎖的で凝り固まった価値観で構成される世界から受ける疎外感であるとか、薄い表層を覆う膜のような実存が内圧と外圧の板ばさみによってさらに薄くなっていく様子であるとか、膜の内側に降り積もってヘドロのように凝る負の感情であるとか、そーゆー私にとってキッツイところをビシバシ突いてきます。こーゆーの読むと私が普段やっている自虐的作業は本当に痛いところを無意識に避けていたんだと自覚させられます。これから2・3巻も読みます。

 
 「もっともっと沈殿する感情のヘドロのサルベージ作業を行わなくてはいけない。沈殿するヘドロは水面を上昇させ、しまいには頭まで浸かって呼吸もままならなくなってしまう。浮き上がろうにも足は沈殿物で埋まってしまって動かないんだ。もっと背が伸びないとこのままでは沈んでしまう。ヘドロの中で呼吸するすべや、ヘドロを肴に一杯ひっかけるような適応も悪くはないけれど、そんな適応はしなくていいならしたくない。不自由さえしなければしたくない。成長なんかしなくていいならしたくない、オトナになんかならなくていいならなりたくない、賢くなんか、利口になんか、器用になんかならなくていいならなりたくない、強くなんかなりたくないんだ。そう不自由さえしなければ、必要さえなければ」

 「如才なく振舞って適当にヒトをあしらって満足?自分も他人も誤魔化してオールオッケー?ホラ私は傷つかないでしょう上手いもんでしょうって喜ぶの?なにそれ違う、全然違うよ。なんでヘドロは溜まるもんだって決めつけるのさ。それは仕方の無いことだって諦めるのさ。価値観による抑圧の根底にあるのはなに?根底の根底はなに?それを見極めないで現象だけを追っかけていたらいつまでたっても追いつかない。今の対処療法的なやり方じゃヘドロはいつまでたっても無くならない。おっつかないんだ。いつか頭まで沈んで窒息してしまうんだ。…あ、だからかな、だからなのかな、ヒトに寿命なんてものがあるのは。身体がもたないんじゃなくて心がもたないからヒトは死ぬんだ」

 なーんてことをかつて思ってたことを思い出した。あーでも根っこは今もたいして変わんないや、こーゆー気持ち。

***

 シーマン購入しました。現在水槽の中を幼魚が8匹泳いでます。孵化の様子は観ているだけで顔が綻びました。まだ幼すぎて会話は成り立たないけど笑顔と笑い声がステキなのでいいです。でも早く変態してほしいと思っています。


 7月28日(水)「変更」

 なにげにインデックスページを変更しました。つっても2日前の話なんですが。画像を下敷きにしてこの熱帯夜を乗りきる一陣の涼風を取り入れるべくメニューを縦に広げ風通しを良くしました。ついでにコンテンツの説明文も簡潔にしました。そうそう新しいタイトル画像のテーマは「揺れる心」です。揺れてるでしょう?実際。模様はマントラではなく乙女心のアヤを象徴しています。どこに乙女が居るかって?居るじゃんここに。俺俺。知らなかった?俺乙女よ胸キュンよ、憧れのヒトを思いあまってラッチングしてもどうしていいか分からずついつい穴掘って埋めちゃって淡い想い出の世界に追いやってしまうほどの乙女ですよ。やたらと野草に詳しくってこれは食えるの食えないのを常に友人にアドバイスして実家の庭を無数のブロッコリーで埋め尽くしてしまいたいと涎を垂らしながら夢見るほどの乙女ですよ。乙女に性別なんて関係ないんです。頬赤らめ瞳に銀河をキラめかせていれば。そう目は大事、見た目は大事よ。だから涼しげな中にも通俗性を取り入れて世間に媚びたインデックスページにしてみました。どうですか皆さん。なーんてウソでーすテキトーでーす後づけでーす今考えましたー実はなーんにも考えてませんでしたー。ホントは赤っぽくして暑さを強調しようとか思ってました。でも出来あがったのはあんなんでした。まあいいやとか思って更新しました。そもそもインターネットに涼風なんて吹きやしないと思いました。風が吹いてそこかしこで吹き溜まってるのがHPだと思いました。そんなワケでこれからも一吹き溜まりたるDRYBOXをどうぞご贔屓に。


7月27日(火)「終了」

暑いですね。

お元気ですか?

体調にお変わりはありませんか?

身体の節々やスジに痛みはありませんか?

胃腸に嫌悪感はありませんか?

排泄物に異物が混じってはいませんか?

味覚に変化はありませんか?

視界に黒点はありませんか?

まぶたを閉じても光が明滅してはいませんか?

鼻の粘膜に突き刺さるような痛みが常時あるのではありませんか?

いけません、それはいけません。

今すぐ病院へ、検査を。

はい。

世界には音が過剰だとは思いませんか?

世界には色が余計だとは思いませんか?

世界には細長いものが多すぎるとは思いませんか?

木に葉が多すぎるとは思いませんか?

アナタは情報を処理しきれていないのではありませんか?

過剰さと多様性を好むフリをして、その実、憎んでいるのではありませんか?

アナタは平気なんですか?

見失ってはいませんか?

いけません、それはいけません。

今すぐ手術を、前頭葉の切除を。

はい。

お脳のほうの調子はいかがですか?

茹だってはいませんか?

蒸されてはいませんか?

痛くはありませんか?

痒くはありませんか?

ゴリゴリはしませんか?

ガサガサはしませんか?

その違和感は日々場所を移動しているのではありませんか?

そうですか。

これは何本?

はい。

これは何?

はい。

アナタは何?

……。

はい。

すっかり元気になられましたね。

とても元気。

そう思うが肝要ですよ。

以後は一層のご自愛を御心がけなさい。

(カラッポ終了)


 7月26日(月)「ゴキ」

 ゴキ襲来。いったいどこをどう巡って来たのか綿ボコリを全身にまといヤツはパソコンの上に居る。5センチくらいか。そそけ立つ。しかし凶悪さをもって鳴るヤツの蠕動は鳴りをひそめ、もはや老体なのか、はたまた飢餓に喘いでいるのか、理由は定かではないがその歩みは覚束無い。そう思って見れば気色の悪さを際立たせる筈の身体のツヤも鈍い。いやそれはホコリのせいか。ヤツはこちらに尻を向けジワリジワリと前進する。触覚が微妙に揺れる。さて観察もよいがいつまでもヤツの跳梁跋扈を許すワケにもいかない。ここは俺の部屋なのだ。ちっとやそっとで壊れはしないとはいえ精密機械たるパソコンの上、雑誌でぶん殴るワケにも行かずスーパーのビニール袋で捕まえることにする。見れば見るほど動きはトロい。予想どおり呆気なく捕獲。潰すのは厭なので包んで縛って外に捨てた。フー。一件落着、心底安堵。敵は弱り目であったとはいえゴキのブリ。鼓動も早まり思いのほか緊張していたらしい。やれやれ。しっかしゴキの呪いは本体が去っても俺を呪縛する。部屋にある食い物という食い物が汚染されたかのような心地に陥り間食もままならない。ヤツはいったいどこをどう這いずり回ってから俺の前に現われたのか。誰か教えてくれ。こんなとき思考は余計に回り悪さをし俺を悩ませる。嗚呼厭だイヤだ嫌だ。虫なんてゴキなんて大嫌いだ。ヤツラは何故ああも足が多いのか。何故ああも場所の縦横を問わず這いずり回るのか。何故外骨格なのか。何故ああも汚らしい汁を身に湛えているのか。嗚呼なんて汚い、なんて汚らわしい生き物なんだ。死ね死ね死ね、死んでくれ、消えて無くなれ、頼むぜオイ。生態系が崩れてもそれでも俺は構わないから。


 7月25日(日)「ルール」

 自転車で走っていると前からも自転車がやってきた。このまま進むとぶつかってしまうかもしれない。さて貴方ならどうする?

 (1)右によける。
 (2)左によける。
 (3)止まる。
 (4)相手の動きをうかがう。

 俺の答えは(2)。こういう場面、俺は必ず左に寄ることにしている。それも相手よりも先に動き「俺は左だ、左なんだよ」という意思を強く示し、相手の選択肢を制限する。衝突したくなきゃお前も(2)を選ぶんだよ、分かってんだろうなアアンってワケだ(脅迫ともいえるな、いやたんに云い方だけか)。そうすると相手はほぼ間違いなく俺から見て右へと動いてくれる。よって衝突は回避される。ある程度の距離がある時点で相手の存在に気付けばいいのだが、曲がり角などで突然相手が数メートル先に現われた場合など迷いは禁物だ。相手よりも先にこちらの動きを固定させてしまえば相手はおのずと俺を避ける方向へ向かってくれる。なぜ左なのかといえば「人は右、車は左」というのを皆さん習ったはずなのでそれほど違和感なく動作してくれるであろうから。ただ大事なのは「俺はこっちだ」という意思を相手に伝わるようハッキリと示すことなので、別に右でもかまいはしないのだ。もし相手に先に意思表示をされてしまった場合は相手の意思に従うことにしている。云っておくがこれはあくまで自転車での衝突回避の話ですよ。このやり方をなんにでも適用しているワケではないです。それとこのような場合に対する公式ルールみたいのがあるのかどうかを俺は知りません。

 今日自転車を走らせていると前方より女の子の駆るチャリがやってきた。高校生であろうか、いや中学生か、待て待て小学生かも、まったく、私服じゃ全然わからない、でもまあどれであってもオリャー全然かまわねぇけどな、ゲハハハ若さ最高!!、などと許容範囲が広いんだか狭いんだかよく分からないことを考えながら上に書いたような俺ルールに従いその彼女より先に左へと寄った。すると直後彼女は俺との衝突コースへと寄ってきた。あれれ?おかしいな?まあでもこのまま左ポジションを堅持すれば彼女も諦めて右へと動くことだろう、俺のが先に左に寄ったんだし、そう思いそのまま前進する。しかしどうしたことか彼女は動かない。あれれれれ?なんでなんで?瞬く間に距離は縮まり目前でお互いにブレーキ。キキキィ。俺も彼女も停止してしまった。バツが悪くなり「おっとっと」とか云いながら俺の方が彼女をよけて自転車を走らせ通りすぎた。ただよう敗北感。

 逃げるように自転車を走らせながら俺は考えた。どうやら彼女は俺と同じで、相手の方が衝突を避けて動くのを期待するタイプだったようだ。しかし寄ると決めた方向が彼女は右だったのと、相手に先に意思表示をされた場合の動作が彼女はそれでも右に寄るのを押しとおすだったのか何も考えていなかったのか、とにかく俺とは違ったようだ。これでは衝突する。俺の中の約束事は彼女には通じなかった。やれやれ。
 は!もしやそれとも………

 ……自転車であわや衝突!あぶない!キキキキキィ!ガシャーン!(ドラマチックな出会い)

キャッ!
大丈夫ですか!
ええ大丈夫です、すみません(あら素敵なヒト)
ああ、服に草がついてます
え、ああ、ありがとうございますすみません
いえボクも不注意で申し訳ない
そんな…
この辺りにお住まいの方ですか?
あ、はいそうです、…アナタも?
ええすぐそこなんです
そうなんですか…
ええ
……
……
…暑いですね
そうですね、本当に暑い
……
……じゃあボクはこのへんで
あ!…ええとあの…よ、よかったらウチへきませんか?
は?お宅へですか?
え、ええ、お詫びといってはなんですがウチで麦茶でもと思いまして…よろしかったら……
お詫びだなんてそんな、お気になさらないでください
あ…そ、そうですか……
……
……
……いいんですか?
…え?
突然お邪魔して
も、もちろんです、全然かまいません、ぜひ
そうですか、ではお言葉に甘えさせていただこうかな
あ、はい、こっちです、私のウチ

 (彼女の家にそのとき家族は不在であった、振る舞いを受けしばし他愛のない歓談のあと訪れる沈黙、所在なげに漂わせる視線、俯く彼女、辺りの音が増幅されてゆく、ふたりへと交互に風を送り続ける扇風機、すすっと伸ばす手、飛びあがるような反応をしめす彼女、風にゆれ肌に張り付く黒髪、絡めあう指、ぬめる肌、艶めく空気、とろけるような熱い視線が近づく………涼しげな風鈴の音、遠くに響く虫の声、子供たちの戯れる声、喘ぐ女の声、食いかけの西瓜、麦茶の入ったグラスから流れる水滴に濡れるテーブル、落ちる蚊取り線香の灰、するすると伸びる煙、畳を這いずる女の白い足、放り出された団扇、屋外に並ぶふたりの自転車、背中に真新しい爪あと、汗つたいわななく首スジ、嗚呼日本の夏!

 ………という夏のドキドキ☆アバンチュール大作戦!青春激闘篇を期待しての彼女なりの猛烈アタックだったのでは。そうか!そうに違いない!チクショウなんてこったい!きっとコレを書いてる今もそのへんで彼女は道ゆくチャリ男にあわや激突作戦を繰り返しているに違いない!ああ俺のバカ俺のバカ俺のバカアァァァ!すぐ出かけて出会いからもう一度やり直そう最初からやり直そうゴメンね彼女!今行くから待っててネェェ!

 まあいいや。取り敢えずこれより先は「相手より先に左に寄る」という俺ルールに「女子の猛烈アタックの気配を敏感に察知する」を加えることにしよう。貴重な出会いを失しないように。

***

 うだるような暑さ、照り付ける太陽、そして薄着の女子、薄着の女子、薄着の女子、嗚呼夏真っ盛り。


 7月23日(金)「隙間を埋めるモノ」

 身体のどこかに空いた穴から何かが流れ出てしまった。「何か」、そう大切な何かだ。それは物理的なちゃんと形のあるモノであったような気もするし、なにか観念的な「想い」のようなモノであったような気もする。とても大切なモノであった筈なのに、それが何であったのか一向に思い出せずイライラするばかりだ。欠落感、喪失感が胸中を満たし、溢れる飢餓感を癒す水も無く、何も考えられなくなって早数日。今日ここに至って私は思う。
「失われたモノは放っておけ、それはいずれ失われるモノであったのだ、早いか遅いかの違いだけだ。気を引かれたところでもう戻りはしない、それが本当に失われたモノならばな。それよりもなによりも、なによりもかによりも、そのポッカリと空いた隙間は埋めてしまわなくてはならないだろう、早くなにかを見付けて塞いでしまえ、でないと真っ黒なその隙間からとても厭なモノが湧いてきてしまうだろう」

 隙間は埋めてしまわなくてはならない。なによりもまず。ああだから…だから私は、今日もまた散財するのだろうか……。

 つーワケでマンガを3冊ほど購入する。以下のとおり。

・桜玉吉『幽玄漫玉日記』2巻
・原作/真刈信ニ 漫画/赤名修『勇午』12巻
・井上雄彦『バガボンド』3巻

 それと『ソウルキャリバー スターティングガイド』なる雑誌を買う。体験版GD−ROM付きだ、ウキャキャキャキャキャ。結論から云うとスゲェですやっぱ。格ゲー苦手だけど買い決定です。デモのシャンファの演舞だけですでに決定ですけど。体験版用超簡単難易度なんでもの足りませんがまあ仕方ないでしょう。なんか飢えさせられてます、8月5日よ早く来い。でもオリャー来週『シーマン』買うけどな。

 なんか今日はスゲェ文章がテキトーになってしまいました。いや内容もだけど。ああ恥ずかしい。だから顔を上げられません、よってモニターが見えません、キーボードだけを見て打ちます。これもある種ブラインドタッチでしょうか?


 7月21日(水)「インタビュー」

 ようこそ!ようこそいらっしゃいました、ここは地の果て宇宙の片隅、デジタルの大洋に漂いし木片DRYBOXであり、管理者兼統治者兼先兵兼将軍兼参謀兼道化師であるところのNAKIの頭蓋の中。ヒトの名付けし虚構の愛名を不連続日記と申す場所で御座います。既知の方も初見の方も御見知り置き頂ければこれにまさる幸福なぞこの世には御座いますまい。まさしく幸福のかいなに抱かれるような心地とでも申しましょうか、なんと申しましょうか、なんとでも申せましょうが、まあなんでもいいです。とりあえず今私カラッポなんで御見せできるもんがないんですよ。今日は読み終わった本も無いので感想もないです。ごめんね、せっかく来て頂いたのによ。ワリーワリーカンベンな。取り敢えず笑っとけや、ガハハハ。てな感じで口調の振幅で行数を稼ぐしか能がないんです。こんなふうに取り敢えずなんか書いとかないと際限なく更新が止まっちゃいそうなんです。ぶるるる。あーみっともねぇ、生き恥生き恥。倦怠のうちに死を望むって心境です。

***

 今日の『筑紫哲也NEWS23』でこんな街頭インタビューをやってました。国旗と国歌と国についての質問です。

「日の丸と聞いて貴方が思い浮かべるものはなんですか?」
「貴方の家に日の丸はありますか?」
「(有る無いに関わらず)なぜですか?」
「貴方は日の丸の赤は何を象徴するものだと思いますか?」
「貴方は日の丸を法律によって国家のシンボルとして定める必要があると思いますか?」
「貴方は日の丸はどこに飾るのがもっとも美しいと思いますか?」
「今後貴方が日の丸を振る機会があるとしたら、それはいつどのような理由によってだと思いますか?」
「貴方は君が代を唄ったことがありますか?」
「今ここで唄ってみてもらえますか?」
「貴方は君が代の『君』とは何を指すものだと思いますか?」
「貴方は次に生まれ変わるとしたらどこの国の人として生まれたいですか?」
「貴方は国のために命を捨てることができますか?」

 普段考えないようなことを質問されるとドキッとします。私なんぞはゾクゾクしました。テレビの前で座っていただけなのに。インタビュワーの硬質の声がさらにそそります。質問に対しどんな答えが返ってきたかは書きません。これは皆さんの想像の範囲内だと思って間違いありませんでしょうから。実はもうひとつ質問があってその結果は番組内では放映されず、8月13日だかにやるTBS特別番組で扱われるそうです。ここまで書いたのだから今日は筑紫哲也の手先となって最後まで書きましょう。以下が最後の質問です。

「貴方にとって日本人の誇りとはなんだと思いますか?」

 さーてなんだろうねぇ。誇り、誇りっと。


 7月20日(火)「作り手の意図するところ」

 カラッポ中。そんな中でも私の精神にひっかかったマンガの感想。

●よしもと よしとも『コレクターズ・アイテム』
 名前は知っていたけど読むのは初めてなよしもと よしともの作品。タイトルからなんらかの選集であることはわかっていたが、続いている作品の第二部だけの収録となる『東京防衛軍』なんてのもあって少々びっくりした。絵柄を観て最初に思い浮かんだのは吉田秋生だった。…と名前をあげてみても、マンガ事情に詳しいワケじゃないから、作者の世代がどうとか誰それの影響が窺えるだとかは云えないのだけれど。内容の方はというと、リーゼントだとかRCサクセションだとか女子のスカートの丈だとか大麻をパンツの中にだとか建設中の都庁だとかイカ天だとか哭きの竜だとか話の絞め方だとかに時代を感じずにはいられないけれど、それでもなお差し迫ってくる寂しさと理不尽な思いのようなものは今でも共通するものだと私は思うのだがどうだろうか。個人的には『優雅で感傷的な世紀末麻雀』の運だけで勝ちつづける世界一の男の話が痛快で良かった。読んでいて私は、この作者はディテールの時代性に左右されない作品を描こうとしているのだろうと思っていたのだが、あとがきで「時代の変化に対応できなかった典型的な作品」と作者自身に語られてしまってあららって感じだ。それって現実のディテールの描写から想起される意識の共通項、ええとつまり時代的記号が思ったように機能しなくなっているということだろうか?ううむ、難しいな。でも私が作者の意図したような効果を受け取れなかったとしても、これらの作品は充分に面白いと思うのだが。まあ作り手としてはそれじゃあ満足できないか。唯一の新作となる『あひるの子ブルース』にしても、読み手である私には違和感や嫌悪感を感じられなかったコマの描写に関して「嫌いだ」と云っておられる。この作品は「ウミ出し」だとも。作者の積み重ねられた思いとその一部分を垣間見るしかない読者の思いにズレが生まれるのは当然ではあるけれど、作者の意図を汲み取れない自分は感性が鈍いんかなぁなどとつい思ってしまうことも。普段は書き手の意図なんて関係ねぇなんていってるのに。私は読み手としては甚だレベルの低い、テーマよりもストーリーを追いかけてしまいがちな一読者に過ぎないのだけれど、正面切ってマンガに立ち向かう作者の姿勢はかっくいーと思うので、いずれどこかで読めるであろう最新作を期待してます。

●伊藤潤二『うずまき』1・2巻
 黒渦町で巻き起こる渦巻きの奇跡物語。渦巻きにとり憑かれついに自らも渦巻きへとなってゆく人々……。ホラーなんだけどその思考のねじれ具合は次第に笑いへと向かう。スゲエスゲエ。髪の毛が誇らしげに渦を巻き、巻髪同士の対決にまで到る『巻髪』や、いじめっこもいじめられっこも蝸牛へと変態し交尾までする『ヒトマイマイ』なんてギャクじゃなきゃなんなんだ。これは作者も意図的なんだろうな。なんでもかんでも渦巻きのせいにする主人公の彼氏の強引さもスゴイ。まるでこの彼氏が呪っているかのようだ。思うに恐さにしても笑いにしても強引さという部分では共通するのでしょう。それにしても絵だけで笑えるってスゴイよ。そこには通常のギャクマンガが忘れた種類の笑いがある、…って笑いばかりを強調してしまったけれどもちろん恐いのや気持ち悪い話もありますよ。特に最初の3話は絶品です。『うずまきマニア』のオヤジの最後なんて凄まじもの。あの絵だけでも読む価値ありです。しかし3巻あたりでお終いかな。それ以上続けても辛くなるだけなんじゃないだろうかと思うのはプロを舐めた素人考えだろうか。

 
 …上の文を読み返してみる。………。カラッポ中といえど自分の文章を見て悲観的な気分に陥るのは変わらないようです。うべなるかな。


 7月19日(月)「カラッポ」

 カラッポです、カラッポ。何がって私が。昨日今日と思考が停止してます。普段なら雑念妄想あることないこと、とりとめも無く浮かんでは消え、消えては浮かんでくるんですがどうも調子が悪い。本を読んでもゲームをやっても観たもの聞いたものがそのまますっぽり入ってくるだけで何かを連想したりすることがない。なんともつまりません。そんなもんだから日記のネタもなくて書くことがなーんにもない。じゃあ休んじゃおっかなぁとも思ったけど、どうせならカラッポってことをネタにして流そうかと思います。後で読み返したとき「ああこのときカラッポだったんだ」って思い出すのも良いかもしれないし。イェーイ、カラッポでーす、バカでーす、ハハハ……はぁ。

 しかしなんでカラッポなんだろう。暑さのせいだろうか、それとも暑さに抵抗するために日夜運転を続けるエアコンのせいだろうか。ああエアコン怪しい。見るとフィルターがずり落ちそうだ。ますます怪しい。きっとヤツが撒き散らすカビの胞子が鼻腔から肺、肺から血流に入り込み脳にまで到達してるんだ。俺の右脳を中心にカビのヤツが侵食してるんだ。ほら、左手がなんか痺れるような感じがするよ、きっとそうだ、きっと今の俺の脳ミソはカビカビなんだ、真っ白なんだ、チーズ化してるんだ、穴ボコだらけなんだ、ほら聞こえるよ、シナプスの切れていく音が、ほら「プチプチ」って、ほら見えるよ、カウンタがものすごい勢いで回ってゆくのが見えるよ、すごいすごい、たった1日で開設から今日までヒット数を超えちゃったよ、うわわわどうしようどうしよう、夢なら覚めないで!覚めないで!

 覚めた。ああダメだ。そういや前にも書くことがないってので引っ張った日があったな、2日ばっかし。俺ってば成長してないのね。無駄に文章を水増しできるようになっただけじゃん。あ、「だけじゃん」のとこ「だけではないか」にすればさらに文字数を稼げるな。さらにこっから自虐ネタに展開していけばもっと稼げる。そんで最後は買い物記録だ。ウケケ。はあ、なんかつまんないの。そうだ辞書で「からっぽ」を引いてみよう。

 からっ‐ぽ【空っぽ】
  中が空虚なこと。中に物がないこと。から。
  「―な頭」「―の箱」

 空虚。ははは。使用例なんて今の俺そのまんまやん。さすが広辞苑!…ってこともないか。「からっぽの頭」かぁ、うーんすばらしい。脳ミソくりぬいた頭蓋の中をカメラとかで覗けたら面白そうだなぁ。内側から見た眼球の動きとかギョロギョロしてそうで面白そう。「からっぽの箱」ってのもそそるなぁ。あ、もちろんイメージをね。DRYBOXのBOXとも繋がるし。


 7月17日(土)「蛇性」

 読書中。三島由紀夫『禁色』。まだ極序盤。その麗しき文章に心奪われ気もそぞろ。眼前をたゆたう羽虫も気にならない。私という存在は、行間字間に身を引き伸ばし、絡みまとわる性の汚き一匹の蛇だ。とろける視線でべんろりと文章を舐め回し味わう者だ。愚か者と云われるやもしれないが、私にとって三島とはストーリーでもテーマでもない、文章そのものなのである。愚か者おおいに結構!本懐なり。

***

 財布の紐をゆるめましょう。財布の底をはたきましょう。財をばらまき塵あつめ、こねて固めて並べて積んで、妄執のすみかをこしらえましょう。塵といえどもたらふく喰らや、腹の蟲も誤魔化せましょう。ああ、ああ、それでも一晩過ぎりゃ、またも騒ぐよ散り散り蟲が。遣え遣えと泣き喚き、逡巡する間も与えてくれぬ。(作・俺『散り散り蟲の詩』)

 要は買い物話やね。気にすんな、聞き流しぃ。

●マンガ
 作・夢枕獏 脚本・生田正 画・くつぎけんいち
 『怪男児』1巻

 大暮維人『天上天下』3巻

 森永あい『山田太郎ものがたり』10巻

 『コミックビーム』8月号

 『コミックバース』8月号

 『快楽天』8月号

●小説
 京極夏彦『百鬼夜行−陰』

●CD
 槇原敬之『Cicada』

●エロゲー
 『続 月花美人 -桜花の頃-』

 『コミックビーム』を買ったのは初めて。とあるところで桜玉吉『幽玄漫玉日記』がすごいことになっているというのを観て猛烈に読みたくなった為購入した次第。普段買ってないのは近所の本屋にゃ置いてねぇから。定期購読にはいまひとつ踏み切れない。だから出かけたさ電車で。クソ。レールを滑る震動を身体で感じながら居住地域の中央からの距離によって文化的に虐げられている実態を再確認。くやしー!革命せよ!革命せよ!誰かある!誰かある!つーか俺が引越せばいいんじゃんか。なーんだそうかそうかぁ、引越しゃいいんだ、はっはっはっ。ムリだよ。
 えーと結果『幽玄漫玉日記』はホントにすごかった。つーかヤバイよマズイよ面白いけどさ。鬱鬱で迫力満点。描き込み過多の背景とのっぺりした生気のないキャラ絵は水木しげるっぽく感じる。買って良かった。桜玉吉サイコー。ところで桜玉吉はなんでこんな鬱んなってるんだ?ヒロポンもさ。もうすぐ発売の2巻を読めばわかるのかな。

 追記:店頭デモで『ソウルキャリバー』が動いているところを初めて観る。うーわー。ナムコ様ばんざい。