<不連続日記>1999-08-前半

暗くも怖くもない帰り道。


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 続8月15日(日)「追加」(99.08.15/22:00)

●シーマン終了。2日前に。

●なにげに今月ドリームキャストでガンダムものがでるじゃん。

●INSIDEウェブの掲示板がどうにも不調。とりあえずの仮措置としてTCUPの掲示板を設置したのでご利用のほどを。あくまで仮、あくまで予備ですけど。

ウルトラランキングのアクセス解析を見たら大森望さんとこの伝言板のURLが。行ってみたけどウチへのリンクなんぞありゃしない。どういうことやねんウルトラランキング。もしかして直前に見ていたページが表示されるのか?えー。つーか大森望さんとことウチをハシゴにするヤツなんているの?

●買ってきた同人の奥付を見ると連絡先が千葉や愛知や長野だった(一冊は不明。まあ東京だろうけど、サンライズだし)。皆さん遠くからお疲れサマです。千葉は住所を見ると会場からめっちゃ近かった。

●人気サークルにできた行列の最後尾を見ると「ここが最後尾」との札を掲げたヒトが。関係者?と思ったらさらに後ろに並んだヒトに札をリレー。なるほど。しかし会場内の混雑回避とはいえこの炎天下に外に並ばされるのは辛そうだ。

●コミケはジベタリアンの宝庫のよう。ジベタリアンて死語?しかしみんな大量に買うのね。30センチ近くも積み上げられた本は傍目にも壮観。でもエロ同人をその場で広げるのはどうかと。

●ウェーブかかりまくりの金髪可憐の少女マンガのお客は、マンガの主人公に負けじとフリフリの装いをされておられました。巨漢。「漢」は違うか。

●「少女人形」というタイトルの同人を買わなかったことを今後悔。俺は買うべきだった。たとえ売り子の姿にヒクものがあったとしても。

●夏ということもあり女性の薄着に眼を惹かれ。わーいムネムネ巨ムネムネ。手を引く男に思い余って殺意が芽生え。つーかホントデカイよキミ。ボクを悶え死にさせる気ですね間違いなく。ちょっとその爆弾を見せなさい。いいからいいから、ホラ早く!ええい邪魔するな!!

●コミティアという創作系オンリーの即売会が今月あるらしい。今回で調子に乗ってしまったので行ってしまうかも。


 8月15日(日)「困憊」

 私は本日コミックマーケット、通称コミケに行って来ました。いやはや疲れ果てました。精も魂も汗を流し過ぎてヘロヘロです。私にとって生まれて初めてのコミケ、ウワサに違わぬ凄まじさでした。ヒト、ヒト、ヒトで広大な会場が埋め尽くされている様子はとんでもないです。その熱気で東京ビックサイト上空に上昇気流が発生するかもしれないと思えるほどでした。

 なんとなく一度コミケに行ってみたいと思った理由はなんだったのか、リーフのコミックパーティーをプレイしたせいか、ネットで巡回しているサイトたちでコミケの話題に触れているうちにその気になったのか、たんにヒマだったからか、今一つ定かではありませんが、気がつくとスッカリ行く気でした。しかし行動を共にするその手の友人を私は持っていないので何の前知識も無いまま単身乗り込むのはいささかならずとも不安でした。本来なら電話帳のように分厚いカタログを入場券代わりに前もって購入していなければならないようでしたが、それすらも買わず、ただ3日目が創作系だというのだけネットで確認して後はブッツケで行って現場で途方に暮れるのもまあよかろうと思っていました。そもそも開場と閉場が何時なのかも知りませんでしたから。

 駅から徒歩7分でありながら会場であるビックサイトの異様は一目瞭然で迷いたくても迷いようが無く、人波に流されるまま12時頃会場入りしました。既に中はヒトで溢れかえっていて吹きつける熱気に額から汗が流れ始め、以後会場を後にするまで止まることはありませんでした。

 とりあえずヒトの流れに逆らわずに入った東ホールで最初に眼にしたのはエロ同人の山とそれに群がる客たちでした。見ると知った絵柄の作品が多く、エロマンガ家の多くがこのイベントに参加しているという知識の裏付けが取れました。テーブルの島々を適当に覗きつつ移動していくとやがて人込みは薄れ、テーブル上の本の絵柄とキャラが見たことの無いものに変わりました。どうやらその場所が創作系のようでした。目的の場所に着いたもののお目当てのサークルなどあるはずもないので、時間はかかりますが端から順々に見ていくことにしました。しかし初めてのコミケ、立ち読みするのも気後れしますし、表紙の絵柄だけでは良し悪しの判別などできようはずもなく、されども一々中身を確認して回れる程少ない数でもないのでやはり表紙の絵を好みの基準で見て、気に入れば中身を確認し、中身も良さそうならば買うことにしました。消極的過ぎるかとも思いましたが、現場でそれ以上の方法を思いつきませんでした。

 そうして1時間かけて2冊の本を買い、通路を挟んで反対側のホールへ行き、そちらでもやはり1時間かけて2冊の本を買いました。まったく休まずに行脚した結果、その頃にはもう疲れきっていて帰りたくなっていましたので、会場内で方向に迷いつつなんとか帰路についたのでした。後学のためにも観ておこうと思っていたコスプレ会場へ向かう元気はもはや残ってはいませんでした。まあ人込みや売り子の中に幾人ものコスプレイヤーの姿を観れたのでいいです。「To Heart」の女子制服に身を包んだ男女(!)とかナデシコの女性艦長らしきコスプレをした体格のいい男性だとかはちょっと感動でした。なんのキャラか分からないのも多かったですが、それは私の勉強不足なのでしょう。

 では購入成果を以下に書きます。

サークル作者タイトル
ガソリンSAI2CO来なかった終わりと来なかった始まり
ALCATRAZ山崎貴一風見ヶ丘
鎧骨堂暮松真柄君の声僕の耳
yoshitoshi ABeT.prevue ver0.9
(上記の情報はすべて本に記載されていたもの)

 しめて1,600円のお買い上げ。アラお安い。交通費の方が倍はかかってら。やっぱ表紙の絵を最初の手懸りにしてしまうと引っ掛かるモノは少ないです。今後はネットである程度情報収集してから行ったほうがよさそうです。反省。ガソリンさんは真夜中の巡回路にもあるガソリンさんです。端から舐めていったら見覚えのある絵に当たったのでした。もしかして売り子はご本人だったのでしょうか?2百円と云うのを、え?百円?と聞きなおしたのが私です!ってここに書いてどうする。コピー本というヤツらしく小さくて薄かったですが表紙からしてアイデアがあって嬉しくてニヤケてしまいます。「風見ヶ丘」はピュア系。あとがきによると作者は商業誌に描かれることもあるようです。なるほどの完成度。「君の声僕の耳」は創作物だと思って買ったら実はドラえもんモノでした。表紙のやおいチックな美少年2名がのび太とドラだとは夢にも思えるはずはありませんよ。これは再録本というヤツらしく実は4年も前の作品ということですが、今私が読んでも充分面白いです、くだらなくて。私の中に最初に入ってきた同人誌のイメージに一番近いです。「T.prevue ver0.9」は見栄えのいい絵に惹かれて買ったんですが、中はラフ画集で、説明書きによるとこれは「現在製作中のある企画のためのデザイン」だそうで、いずれなんらかの媒体で眼に触れることになるもののようです。奥付けを見ると「プリント サンライズ」となっていました。体力さえ許せばもう少し色々見たかったです。後ろ髪引かれまくりですでに後悔してます。

 以上で本日のコミケ報告を終わります。いやホント疲れた。今後この手のイベントに参加することがあったらもっと短くまとめるようにします。今回はコミケデビュー(客としてだけど)ということで少々気が張ってしまい長くなってしまいましたことをここにゴメンよう許してくれいというワケでした。でわ。


 8月14日(土)「雨後」

 降り続いていた雨の窓ガラスを叩く音がいつのまにか消え、カーテン越しにも分かるほど日差しが強くなっていた。外へ出るとまだ空には雲が広がってはいたけれど、もう雨は上がっていて、風の巻く音とセミの合唱が空気を震わせていた。ボクは買い物をする為に自転車を走らせた。風が露出した肌を撫でて気持ちがよかった。昨日から沈みぎみだった気分も心なしかスッキリとしてきて、自転車を走らせているということを差し引いても自然と視線は持ち上がり、まわりを見渡せる余裕が生まれた。田んぼの上に渡された鳥よけのロープが風に煽られビュンビュンと唸っていた。稲穂が複雑に傾きあって眼に見えない風の姿を顕わしていた。ビュルビュルと風が巻くたび、ペダルはボクにもっと力を要求した。伸びてきた髪を振り乱しながらボクはそれに応えた。身体が熱を帯びても風がすぐにさらってくれた。気持ちがよかった。しだいに雨が風に混じり始めた。遠くが白く煙ってゆく。弾ける雨とねぶる風に細胞が示すみずみずしい反応はボクを高揚させた。

 土曜の昼間、広い駐車場を持ち、郊外に展開するビデオレンタルも行うその本屋は客で賑わっていた。天気のせいもあってかボクのような自転車の客はほとんどなく、車で訪れた親子づれの姿が目立つ。父親は母親に子供を託しひとり好きなジャンルへと向かう。母親は子供をまとわりつかせたまま棚の間を遊泳する。客数のワリにレジの女性店員はヒマそうだった。店内には子供とその母親の声、それと店員のお喋りが響いていてそれは店のどこに居ても聞こえた。たぶん有線もかかっていたと思うけれどまったく意識にはのぼらなかった。母親が子供にその本やめなさいと云っていた。子供がどうしてと問い返しても母親はその本やめなさいとだけ繰り返した。子供が何の本を手にしていたのかは最後まで見えなかった。ボクはマンガとPC・ゲーム雑誌の間を立ち読みしながら3往復くらいした。小説の場所も覗いたけれど食指を刺激するものはなかった。結局30分くらい本屋に居て買ったのはコミックバーズ9月号だけだった。外の風にもう雨はなかった。

 ボクはマクドナルドへと向かった。今日はまだ何も口にしていなかったから一旦頭の中に広がってしまったポテトのイメージは鮮烈で抗い難かった。ドライブスルーに何台も車が連なっているのが見えた。店に入るとレジの前に客が溢れていた。レジも店員もフル回転していたけれど客の列に途絶える気配はなかった。ボクは店で食べるのを諦めて持ちかえることに決め列に並んだ。足元の隙間を子供たちがするすると走る。ここも親子づれの姿が目立った。どうやら今日のボクの行動は小さな子供を抱える一家のささやかすぎる家族サービスと重なってしまっているようだった。賑やかな子供とその父親の露出したスネを見ると少し厭な気分になった。どちらも無意識に過剰な何かを周囲に撒き散らしていた。口調は事務的に、行動は機械的に、そして時々浮き出る素の感情に表情を歪ませるバイト店員はボクにこちらで召し上がりますかと尋ねた。足にこどもの手が触れた。ボクはいいえ持って帰りますと答えた。

 風に吹かれず地面から立ち上る蒸気に蒸されながら帰路につく。気分の針は振幅を止め平常に戻っていた。普段もっともボクを悩ませイラつかせる羽虫たちは葉陰で身を潜めているらしく、まったく姿が見えない。ただ山からセミの絶望的な声だけが聞こえた。あの小さな身体であれだけ鳴けばあっという間に死んじゃうのもムリないよね、そう云っていたヒトが居たことを思い出した。ボクの中は少し静か過ぎると思った。農作業のいでたちをしたオジさんひとりとすれ違っただけで、ボクは部屋へと戻った。


 8月12日(木)「俗」

 ReadMe!登録サイトレビューをされている細田さんにうちのサイトのレビューを頂けたので以下にホソキンズルゥムより転載します。ReadMe!参加登録からおよそ2ヶ月。ついについにこのときが!

DRYBOX おすすめ
   文化的消費活動記録にこだわってみたいかたの日記があります。毎日とても饒舌だけど俗物な感想と意見が一杯です。オタク臭はあまりありませんが、ネット人臭がします。
 

 だそうです。「毎日とても饒舌だけど俗物な感想と意見が一杯」ってたぶんスゴイ鬱陶しいってことだと思われます。たぶん細田さん俺みたいなヤツのことキライなんです。いやむしろどうでもいいんです。居ても居なくてもどうでもいいんです。でもこれは自己評価に近いので別に文句ないです。ただ自覚していてもハッキリ指摘されるとやはりショックなのは「俗物」の文字。「俗物」って言葉にいいイメージって持ちにくいもんなあ。無学・無風流の無粋者、名誉や利益のことしか頭にないつまらないヤツ、まあ良くて普通のヒトってトコだもの。しゃーないやねぇとは思うけどチト悔しいのもまた事実。キー!チクショウチクショウ!でも云われてちょっとスッキリもしました。

 俗物かあ、そうかぁ俗物かあ。ぶつぶつ……。

 だた分からないのはこんなコメントなのに何故かついてる「おすすめ」の文字。これが俺を混乱させる。これはいったいどうゆうことなのでしょう?フォロー?なワケないよな。じゃあさらしものデスカ?みんな見てみろよ俗物がなんか書いてるぜ?俗物斯くあるべしにて俗物諸氏必見のこと?研究素材にどうぞの俗物標本?折々の贈り物に俗物セット詰め合わせ?俗に浴しては俗を垂れ流し粋を虫食む俗々虫?あなおそろしや俗っとな?俗もおだてりゃ木に登る?今週の俗物メカ?被支配階級一人旅?俗人斯く語れり?俗人ニーチェ?「おすすめ」の文字の前に「ある種」の文字が見え隠れ?うえーん。

 とりあえずカウンタぐるぐる回ってるみたいなのでいいや。一見さんいらっしゃーい。ようこそDRYBOXへ。本日はご来場ありがとう御座いました。楽しんで頂けたならもっけの幸い。またここでお会いできたならさらに幸い。去ってしまうアナタの両手に五寸釘。爪の間に針一本。悶えたところを押さえ付け、首の後ろに輪を通し、ぐいと引き寄せ繋ぎ止めてしまいたい。そんなこんなでまた明日。そいじゃ。


 8月10日(火)「アニメ」

 明け方帰宅のニッキ更新劇。そりゃテンションもオーバードライブさ。

 セガのアニメBBSで「ガンダムは『逆シャア』で終わったと思う」というツリーがあって、『逆襲のシャア』以降の作品はみんなガンダムじゃないというヤツとそれに反論するヤツ、それに『逆襲のシャア』自体のデキについて話が逸れて行くその他のヤツの書き込みを観てゲラゲラ笑う。元発言のヤツはたんに根拠の明らかではない曖昧な自分の主観を云いたいだけらしくディスカッションする気など毛頭ないようだ。「その書き方はちょっと…」みたいな風紀委員にレスつけるヒマがあるんなら自分の文章ちったあ見直せよ。自分の思ってるガンダムの定義をまず最初に明らかにしろよ。それからだろうが意見をいうのは。私スキー僕キラーイじゃ話になんねえだろうが。オメエが某有名サイトの掲示板に毎日書き込みしてるなんてことは知ったこっちゃねえっつーんだよ。つーか某有名サイトってどこだよ。某だとか有名だとかいわれたって分かんねえし、そこの基準をセガBBSに持ち込んでどうすんだよバーカ。……などと自戒を込めてNAKI君は思うのでありましたとさ……なんて云って矛先を曖昧にしようという逃げは蛇足だね。

 ゲラゲラ笑いながら他のツリーを観ていると『少女革命ウテナ』の再放送が始まったとのツリーが!さっそく番組表をチェックするとすでに昨日のことだった。どうやら映画版に併せての一挙再放送らしい。昨日の放送は第1〜6話まで。うわーん見逃しちゃったよーチクショウテメエコノヤロウなめんなコラ。番組表を観ると来週も同じ時間にやるらしい。これは必ず観ないと!観ないと!だってリアルタイムの放送のとき最終話を含めて後半かなり見逃しちゃってるんだもの。クヤシイったら!でも今回は一挙放送。ヤリイ!ヒャッホウ!昨日はしくじったけど8月16日からの分は絶対大丈夫。見逃さらいでか!と意気込んだ直後、他のツリーで今回の再放送分は第12話までですってというのを観て意気萎え萎え。どうやら生徒会篇のアナザーストーリーである映画版に併せての話数配分らしい。お目当ての後半部分なんてやりゃしねえのよ。ミッチーの声に惹かれて映画版から入るヤツのことなんて気遣ってんじゃねえよう。全話再放送しろよう。テレ東のバカバカ。ううう……畜生グレてやる。男26にして非行に走ってやる。見苦しい大人の生き様を見せてやるぞ畜生め。……と思ったけどどうグレたものか。ビデオ全巻大人買いとか?ウテナのエロ同人買い漁るとか?うわわ。怖気づいたのでヤメます。ポシャポシャ。

 あ、テンション下がった。それでは寝ます。おやすみなさい。


8月9日(月)「子供」

小学生3人がミニスクーターで事故。
電柱に激突。1人死亡、2人重体。
真夜中の惨事。
夏休みの想ひ出。
よかったね、宿題やらなくてすんだね。
生き残ったヤツ、一生このことをネタにできるね。
この苦境を乗り越えてミニスクーターは危険なんつって、
将来不買運動でも起こしてくれ。
もしくは電柱の存在することが悪いってことで、
電柱撤去運動でも起こすといい。

小学生3人が近所の店で花火を万引き。
逃亡。俺が清算している隙に。
殴りてえ。全然知らないガキどもだけど。
気を失うほど殴り倒してえ。
このクサレ小学生め。
花火で大ヤケドでも負うといい。
一生のキズを負うといい。
そんで将来花火不買運動でもするといい。
もしくは小遣いが少ないのが悪いってことで、
しけた親でも弾劾するといい。

ウチは母親が厳しかったので、
夕飯以降外に出歩くなんてことは出来なかったのです。
そういや俺も小学生のとき万引きしました。
なんて悪ぶってみたりして。
気持ち分かるヨーなんて云ってみたりして。
でも俺はどうにも要領が悪く成功したためしがないのです。
そのたびにこっぴどく叱られたのです。
全然悪ぶってないや。
どっちにしてもヤツラの気持ちなんて分かるワケが無いのです。
そんなこともあってか、
今の小学生は嫌いなのです。
気に食わないのです。
はて小学生が好きだったことなんて今まであったか?
はてさて。
なんにしても今は嫌いなのです。
だから子供なんて作らないのです。
きっと自分の子でも気に食わないのです。
気に食わない生き物などどうしてワザワザ増やしますか。
嫌いだから、疎ましいから、鬱陶しいから増やしはしないのです。
というワケで世の小子化傾向は必然なのです。
ガキどもが可愛くないのは生まれながらにして自分たちが疎まれていることに気付いているからなのです。
それはヤツラなりの世界への反逆なのでしょうか?

真っ白い紙の上に円を描いてみる。
始点と終点が結びつかない。
何度やっても結びつかない。
世代は重ねるごとに、血は費やすごとに一層大きくズレてゆく。


 8月8日(日)「捨てる」

 今日は雑誌を縛って束にする作業をした。さすがにそろそろやらないとマズイ状況だった。溜め込み過ぎて量が半端では無く、半端で無いが故にその作業を面倒臭がって先延ばしにし続けた結果、少女が憧れの美少年を目の当たりにしてパニックになりワケの分からないことを口走って口籠ってしまい恥ずかしさの反動でついキツく接して心ではそうじゃないのこんなの本当の私じゃないのにと思い目を覆い顔を赤らめ逃げ出してしまいたくなるような心地になるという青春の一風景に陥るほどに膨大な量になってしまったのだ。ゴメン、ワケ分かんないです。とにかく多かったんです量が。もしこれを毎日一冊づつ電車の網棚にでも放置して資源ゴミとして出さずに済まそうとしたら幾日かかるのであろうか、もしこれを郵便配達夫か新聞配達夫を装い家々の郵便受けに投げ入れたとして何件回らねばならないのだろうか、これはどういう罪になるのだろうか、などと無駄に考えてみたりする。もし心ない者が俺の部屋に侵入したならこの雑誌の山を見てつい火を放ってみたくなるかもしれない。ただでさえ俺の部屋には紙媒体が多く綿ボコリが隙間を埋めているうえ、精力的に稼動し続けるエアコンによって湿気も抑えられているからとてもよく燃えそうである。俺でもつい燃やしてみたくなることがある。自分の部屋なのに。いや自分の部屋だからかも。要らないモノはすべて火にくべて無かったことにしてしまえ。浄化せよ!浄化せよ!恥ずかしい自分を汚い自分を浄化せよ!そうだ!ヒトに火をつけられるくらいならいっそ自分で…。

 そういうワケで暑い中縛り作業開始。30センチ強に積み上げ縛る。面倒なので雑誌の大きさは揃えない。汗を流してはその汗を拭き水を補給する。時々吹き込む清涼な風に顔を綻ばせてながらも延々と縛り汗を拭く。自分という存在が清浄な水を汚濁する逆濾過器になったように感じる。なにもわざわざマイナスのイメージを抱かなくてもいいのに。本を片付けているときに陥りがちなワナ、つい手に取った本を読みふけってしまい気がつきゃこんな時間というミニ浦島効果も暑さと作業量の多さに意識が忙殺されて起きようもない。結構なこと。結局1時間半ばかり掛かって出来た束が23。縦に積み上げたとしたら7メートルくらいになるだろうか。ブブカだって飛び越せない。スゲエだろ、ハハハ。…虚しい。これでもしこの部屋が燃えたとしても火勢も少しは弱まろう。一仕事終えシャワーを浴びてビールを飲む。はあぁ。時計を見るとまだ午前中だった。今日の俺ってば早起き。なんか恥ずかしいな。健康的な生活を恥ずかしいと感じるのは俺の精神が腐っているからだろう。起きたらもう夕方でしたなんてほうが俺は安心するのか。おバカな自分を演出して安心するのか。ネタになるような自堕落な日常生活は本来忌むべきものなのに。大変いけません。


 8月7日(土)「ゲーム」

●本日のお買い物。

清水洋三『Wonder School Boy』6巻
OKAMA『スクール』
藤田和日郎『からくりサーカス』9巻
せがわまさき『鬼斬り十蔵』2巻
おおしまひろゆき作品集『美姫−うつくしひめ−』
ナムコ『ソウルキャリバー』

 上記の通り『ソウルキャリバー』を遅れ馳せながら購入。遅すぎて『シェンムー』体験版はすでに配布終了していました。色々店を回りましたがダメ。唯一置いてあった店も本体購入者用しかないと云われました。悔しいので誰か厭きたらボクにください。郵送しろなんて云いません。何月何日何時頃どこそこのポストの上だとかあそこの右から3つ目の電話ボックスだとかに置いておくと云って下されば取りにいきますよ!ええもう取りに行きますとも!きっとね!たぶんね!五分五分でね!いや七三でね!もちろん「取りに行く」が三だけどね!もし行って置いて無くてもハチ公ばりに待ちますから。もう来てくださるまではたとえ雨が降っても傘もささずに濡れそぼりながらも待ちますから。ただ来たら一発入れてやろうと拳を血が滴るほど堅く握り締めているかもしれませんけどそれはご愛嬌ってことで!テヘ!そんなボクを草葉の陰から見つめながら嘲笑してくれてもいいから譲って下さい!ボクの目の前の水溜りに投げ入れて「ホラ拾えよ欲しいんだろ?手じゃねぇ口で拾うんだよ!カエルみてえにさ!オラ這いつくばれっつってんだろうがボケ!聞いてんのかこのカタツムリ野郎!……お、おいなんだよその拳は……やめろよ、へへ………暴力沙汰なんてお互いゴメンだろハハハ、ハハハハハハ……あ…コ、コイツホントに拾ってやがるぜ、へへ、みんな見てみろよ……ヒャハハハハ」と云ってボクの頭をバッシュで踏みにじってもいいですから譲って下さい!そんなワケで譲ってもいいと仰るハンサムボーイorプリティガールはぜひ当方までご連絡下さい!待ってますよ!いつまでも待ってますよ!シェンムーが発売されても待ってますから!特に特にプリティガールのご連絡を特に!別にシェンムーの体験版持ってなくてもいいからさ!とりあえずボボボボクとコンタクトを取りましょう!ええぜひ取りましょうまず取りましょうともさ!でも自称プリティガールのヒトは3人以上の推薦が必要としますね!あと10年前はプリティガールのヒトはゴメンネホント!また次回ってことで!それじゃあまた!

 それじゃあまたじゃない。それで『ソウルキャリバー』なんですけどね、いや素晴らしいです面白い。まあ俺なんぞがいまさら喚かなくてもネットで軒並み好評価ですから皆さんご承知でしょうけど。ナムコエライですスゴイです。もしここでお茶濁しでいい加減なモノを出してたらセガファンどころかゲームファン全体に拭い難い不信感を植え付けていたかもしれなかったもんな。なーんだナムコ、やっぱりセガへのお義理だったんだって(まあこれで打ち止めなら同じだけど)。イメージ的にも今後の商売的にも『ソウルキャリバー』のクウォリティの高さは素晴らしいものであると云えるのではないでしょうか。

 えーとそれから俺はパッドで頑張っております。パッドで充分です。ぷるぷるするし。難易度ミディアムならコマンド知らなくてもキャラ何使ってもだいたいストレートでエンディングまでたどりつける易しさなんで格ゲー苦手な俺も満足ですが、重度の格ゲーファンの方には易し過ぎないのかな?ああでもそういうヒトは対戦プレイで燃えるからCPUの強さは別にいいのか。対初心者・対お子様としては大変グッドでしょうね。こういうトコもキッチリと決めてウマイよなナムコ。

 今現在はミッションバトルをやっていてなんとか159枚の絵を集めたところです。以後も継続。



気持ちは本質の象徴。言葉は気持ちの象徴。そしてあらゆる表現は言葉の象徴として存在する。象徴を象徴でもって顕すという行為。方法は欲求を満たせない。ダメだ。


繰り返されるディフォルメ。シンプルへの高圧的な要求。切り落とされる情報。観察者の自由な思考を許さない徹底的なディフォルメ。反抗心すら計算の大きな眼の内側にぺっとりと張り付く。不可逆なディフォルメ。氷山は水面下の部分を捨ててしまった。いらないんだって。そんなものはいらないんだって。ただ在るかのように匂わせるだけでいいんだって。そしてシンプルを夏のムシのように過剰に撒き散らすんだって。


作用する重力の歪み。光が重力によって捻じ曲げられるように、有り得ない方向から観察者に届いてしまう。誤差修正を加えられない視線では、本当に光のそそぐ方角を見誤る。そっちじゃないのに。本当はこっちなのに。あびせられる侮蔑の言葉。本当は知っていたクセに。そう導いたクセに。バカめどうせヤツラにはわからないと叫ぶ。


シンプルを体現しながらも本質へは辿れない。糸の切れた凧のようにただ風に流されるだけ。徴はすべて捨ててしまった。腹を割いてみても、そこにはただスペースを埋めるだけの言葉の綿しかない。本質へ辿り着くにはどうしたらいいのだろう。わからない。考えてみてもわからない。創造者にだって、わからない。俯瞰の視線の背中にあるもの。そこにはいったい、なにがある。


8月5日(木)「需要と供給」

それは唐突に始まりました。




「自分の物差しで他人を測るな」

はあ。

「自分の考えを他人に押し付けるな」

はあ。

「自分がされて厭なことはヒトにもするな」

はあ。でもそれもまた自分の物差しなんじゃないですか?自分にとっては厭なことだとしても、他のヒトも同じように厭だと感じるかどうかなんて分からないです。

「分からないのはお前が悪い」

はあ、そうですか。

「この社会不適合者め」

そりゃどうも。

「良いと感じることよりも悪いと感じることの方が他人と相通ずる可能性が高い」

そうですかね。

「人間関係を円滑に運びたいのなら」

や、私の場合円滑だとか険悪だとかいう以前に人間関係自体をうとましく思っているので。

「では山にでも籠れ」

困ったな籠れないですよ。社会から外れたら生活できる自信なんてありませんもん。自給自足なんて絶対ムリ。それにムシとか嫌いだから山奥の生活なんて考えられないです。

「生物的な生を繋ぐことの容易さに慣れきっている」

コンビニは20世紀最高の発明です。

「にも関わらずお前は今の社会生活を厭うている」

そうですね。

「社会に在っては社会を厭い、山に在っては山を厭う」

うーんそのとおり。山に在ったことはないけど。

「仏に逢うては仏を殺し、祖に逢うては祖を殺す、羅漢に逢うては羅漢を殺せ」

わお禅。

「心頭を滅却すれば火もまた涼し」

ほほう。

「教外別伝、不立文字、直指人心、見性成仏」

「いつまでもあると思うな除夜の鐘」

はあ?

「死して屍臓器移植」

うーん4点。

「10点満点で?」

100点満点で。

「………」

あっはっは。

「煩い。もういいお前我慢してろ、ただひたすらに我慢し続けてろ、ぶつぶつ云うな。堪えて堪えて堪えて堪え続けろ。みんな社会が悪いんやとか思ってろ。そうしろそうしろ。もし我慢が厭なら我を通してまわりのヤツラに我慢させてろ」

それじゃヤなヤツじゃないですか。

「そうだ」

ヤですよそんなの。

「それはただのワガママだ」

そ、そうかな。

「じゃあひとり部屋に引きこもり極力ヒトとは触れ合わずテレビや本やゲームが見せる虚構の世界に浸りきりネットでのかりそめの自分を演出して満足するという腐った生活でも送るがいい」

それは今やってます。仕事と買い物以外はまったく外出してません。

「ええいこのウジムシめ」

ひどいなあ。

「このダメ人間め。ああ鬱陶しい、ああ面倒くさい、ああ殺したい」

殺したいって云われたの初めてだ。嬉しいかも。

「死ねよこの蚊トンボ」

わーい。

「この×××が!」

わお。

「×××してしまうがいい!」

おおお。

「つーかお前××××じゃん」

うひょう。

「そんで××的に××者で異常××者の×××フィリアだろ。あれに××しちゃうような××なんだろ。×××だからその程度のこともわからねぇんだよ!この××!!」

ウホホ!スッゲエ!スッゲエ!××?俺××?

「××××よ!×××××せよ!××××!さあ立て!××××××××たちよ!!」

ヒャハハハハハ!スゲエ!スゲエよ!最高だよアンタ!もっと云って!もっと云ってくれよ!ヒャーシビレルー!ゲラゲラゲラ!


 8月4日(水)「想像は軽やかに以前どこかで見たステップを刻む」

 なんでも今『マジック・ザ・ギャザリング』の世界大会が日本で開催されているそうで。日本人のヒトやら日本人じゃないヒトやらがふたりで向かい合ってカードを出し合っている映像をニュースで観ました。なんか『ヒカルの碁』でやってる「国際アマチュア囲碁カップ」みてえなだなとか思いました。俺はこのコレクション色の強いカードゲームについてほとんどなにも知らないです。ニュースでは「ポケモンカード」の元祖ですみたいな感じで紹介されていました。あと『遊☆戯☆王』のコミックが画面に出て、このマンガでもこのカードゲームが行われていますってアナウンサーが云ってたけど、『遊☆戯☆王』のカードって『マジック・ザ・ギャザリング』なんですか?ホントに?俺ジャンプは買ってるけどいつも読み飛ばしているんで知らないんですよ。

 でもまあそんなことはどうでもいいんです。興味無いもの。そのとき私はへーとか云いながらボリボリ腹を掻いていたと思います。興味を引かれたのは優勝賞金3000万というアナウンサーの言葉。3000万てスゲエです大金です腹なんか掻いてる場合じゃありません!世界大会とはいえカードゲーム大会の優勝賞金が3000万とは正直ビックリ!スゲエ欲しい誰かくれ。いーなー俺もやろっかなあなどど羨ましさにまかせて思ったりしますが多分絶対やらないと思う。まてよアナウンサーのヤツ金の単位を云ってたか?まあもちろん円なんだろうけど。ペソとかウォンとかルピーでしたなんてオチは誰も期待してないし。もしドルなら俺関係ないのに狂喜乱舞しますよ!なんて俄然興味深々なのは俺が間違いなくゲスだからです。

 でもホントにスゴイなあ3000万。もっと一般に普及してこんな金額の大会がいくつも増えればそのうちプロとか出てくるんじゃないかな。『マジック・ザ・ギャザリング』のプロ。何人もプロが生まれてきたらそのうち「なんとか流」とかいって道場開いてさ、そんで高い入門料とって何人も弟子とってさ、戦法にいちいち名前付けたりウチの流派には代々伝わる秘伝のレアカードがあるとか云ってハッタリかましたり、そのレアカードを求めて道場破りが来たりするようになるって予知はどうでしょう?楽しそうな未来像だね、ありきたりだけど。テレビで観たやってるヤツの顔も楽しそうだったもの。もちろんこんな貧困な想像をしてる俺の頭が一番楽しそうなんだけど。

 そうそう2000ヒット目踏みました!って報告がまだなんですけど。どうかさったんですか踏んだヒト。待ってますよワタクシ。今なら記念ヒット記録のご芳名のヨコにフェイスマークをもれなくお付けします。

(サンプル:(@ε@) (`_´メ) \(^O^)/
      (>_<) (T_T) (^_^; φ(_ _)
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 8月3日(火)「犯罪の帰属する場所」

 医学生が女性に暴行して退学処分だとか、TBS職員がまた痴漢だとか。そういうニュースを観るといつも思うのはなぜ学校やら会社やらが管理責任を問われたり、刑罰とは別に処分を加えたりするのかということ。なんで学校や会社が生徒や社員の学業や仕事にまつわらない行動にまで責任を問われにゃならんのですか?痴漢をしたらダメですよぉ、女性とは合意の上でセックスしましょうとか教える義務があるんですか学校や会社には。そりゃ小・中学校なら勉強の他に一般的な社会常識やらマナーやらを教える義務はあるんでしょう。まあ実質的に準義務教育である高校にもそれはあるとしよう。でも大学もそうなの?ましてや会社にもその義務があるんですか?大学は学問を教えるところで問われるのは学力、会社は働くところで問われるのは仕事の能力じゃないんですか?そう私は思っていたんですが違うんでしょうか。つーことはお守賃込みで私らは授業料や労働を学校や会社に差し出していたワケですか。へーそりゃ知らんかったね。

 それと犯罪者である生徒や社員は、刑罰という国家が犯罪者に科する制裁をすでに加えられているのに(医学生は示談だったけど)なにゆえさらに退学やら停学やら免職やら降格やらの制裁で社会的に抹殺させられねばならんのですか?それとこれとはまったく話が違うと思うんですけど。女性に暴行することと医学の勉強をすることに何の関わりがあんの?痴漢と仕事ぶりに相関関係でもあんのか?刑に服している間業務を滞らせるからクビだとか、授業料滞納するから退学っつーなら分かるけどさ。それとも刑法が甘すぎて罰として妥当じゃないからこっちでさらに罰を加えちゃるってこと?確かに刑罰は軽すぎると思うけど。罰金制は刑務所満杯になってもいいからヤメロって思うしな。懲役なんかより百叩きとかのほうが罰って感じがするからやってほしいと思うし。心神喪失状態とか考慮する余地ないと思うし。なに云ってんだ俺は。

 なんて書いたけど分かってはいるんですよ、混同するヤツが多いからだって。犯罪するヤツと勉強や仕事するヤツが同一人物でもわけて見ることができない、犯罪した生徒や社員と彼らが属する組織をわけて見ることができない、ひとまとめにして同じイメージで見る。TBSのヤツ隠していやがったみたいなこと新聞に書いてあったけど、隠すに決まってんじゃん混同すんだから。やったのは個人なのにそいつの勤めてる会社のイメージまで悪くすんだもの。まあ今TBS不祥事連続してて叩きやすいってのもあるんだろうけど、そういうヤツが多いから学校や会社のエライヒトがカメラの前で頭を下げて彼らを刑罰とは別に処分して誠実さをアピール、マイナスイメージの払拭をせねばならなくなる。貴重な時間を割いてわざわざ一般常識を教えなきゃならなくなる。当校の生徒として相応しい当社の社員として恥ずかしくない言動を心掛けましょうなんて云わなくちゃならなくなる。小・中・高の時間はなんだったのか。それともそっちこそが純粋な学業の時間で、大学や会社に入って初めて一般常識の時間になるってワケなのだろうか。馬鹿みてえ。

 話は変わりますが2000ヒット目踏んだのは誰ですか?名乗り出てはくれないのですか?悲しいです。


 8月3日(火)「昔話−その2−かぐや」

 生い茂る草々を掻き分ける音と踏みしめる音が真っ直ぐこちらへと近づいてくる。それでいつも目が覚める。音はさらに近づいてくる。道外れに人知れず佇むこの小屋の存在を知る者はひとりしか居ない。

 爺だ、爺が来た。

 「おはよう」

 がさがさ ぎゅっぎゅっ

 「変わりは無いかい」

 がさがさ ぎゅっぎゅっ

 「よく眠れたかい」

 がさがさ ぎゅっぎゅっ

 「ほれ喰え喰え、朝メシだぞ」

 がさがさ ぎゅっぎゅっ

 「かぐや、こっちへおいでかぐや」

 がさがさ ぎゅっぎゅっ

 「かぐやかぐやかぐやかぐやかぐや」

 がさがさ ぎゅっぎゅっ

 草を掻き分ける音、草を踏みしめる音。
 あの音は草が立てているのだろうか。
 それとも爺が立てているのだろうか。
 きっと爺が立てているのだと思う。
 だからあれは、爺の音だ。

 爺は毎日ここへ遣って来て、私を愛でてくれる。堅くてガサガサした手で私を撫でてくれる。ひびのようなシワが無数に走った手は鎌を握る手だ。鎌は怖い。刃が怖い、空気を凪ぐ音が怖い。あるときそう爺に云ったら、鎌を私の目の届かない所へ隠してくれた。次の朝からは小屋の外壁に鎌を置いて中へは持ち込まないでくれるようになった。でも目に見えなくてもそこにあると思うだけで少し怖い。でも隠してくれたのは嬉しかったので爺にそれは云っていない。
 鎌は怖いけれど爺の手は好きだ。撫でられると皮膚を引っ掻かれるみたいに痛くて、爺の帰ったあと見るといつも赤くなっているけれど、爺の手は好きだ。
 爺はいつも朝の湿った空気の中をやって来るから、着物はいつも冷たく湿っている。寒い寒いというので暖めてあげると云うととても喜ぶ。抱きしめると青草の臭いと、なにかすえたような臭いがする。これは爺の臭いだ。
 襟口から伸びる首の上のシワだらけの顔はたいてい横に間延びしたように微笑んでいる。でもなにか切羽詰まったような、息を吸うのを我慢しているような、そんな余裕の無い顔をしているときもある。そういう顔をしているときの爺はあまり喋らない。ただじっと私のことを見ている。たぶん私の首を見ているのだと思う。以前爺が首は命の通り道だって云っていた。身体の中のすべてのモノはそこを通って行き来しているのだそうだ。私の声も爺の声も、爺の音も、爺の臭いも、首を上から下へ、下から上へと通って外に出ているのだろう。でもなぜ爺が私の首を見ているのかは分からない。少し落ちつかない気分になる。
 そして日が空の天辺にかかる頃帰って行く。来たときと同じ音を響かせながら遠ざかって行く。手には鎌を握っている。

 がさがさ ぎゅっぎゅっ

 あれは爺の音だ。あの音は爺のシワでたるんだ首を通って出てくるんだ。

 (つづく)


 8月1日(日)「昔話−その1−」

 むかしむかし、ある所にお爺さんとお婆さんが居ました。ふたりの間に子は恵まれず、寂しくも慎ましやかに暮らしていました。
 いつものようにお爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。お爺さんは鎌をぶら下げよく踏みしめられた道を暫く行くと、突然道を外れ草を掻き分けずんずんと傾斜を登って行きました。すると林立する竹やぶの奥に一軒の小屋がありました。そこは下の道からは傾斜と竹に巧妙に隠れて見えない場所でした。お爺さんは小屋の入り口の前まで来るとなんの躊躇も無く戸を開けました。そして狭い小屋の中を観回し見付けました。そこに居たのは見目麗しいひとりの幼女でした。
 一方その頃、川へ洗濯に向かったはずのお婆さんはカゴを抱えたまま川沿いの道を上流へ向けて歩いていました。洗濯場はとうに過ぎていましたが、お婆さんは迷いの無い足取りでずんずんと進んで行きました。そしてやはり突然道を外れ藪の中へと踏み入り、そしてやはりそこには小屋があり、そしてやはり躊躇なく戸を開けました。そしてそしてやはりそこには美しい少年がひとり居ました。

 実はこの老夫婦、ふたり揃って幼児性愛者であり、ふたり同じように愛する稚児を囲う仮面夫婦であったのでした。近所の村人はひとりとしてそんな事実は知らず、ふたりだけの生活を寂しかろう不便であろうと哀れんでさえいましたが、老夫婦はその実、己の欲求を思うままに満足させ人生を最高に楽しんでいたのでした。ふたりは「愛すべき人生の伴侶」「苦楽をともに分かち合う者」であると同時に「同好の士」「世間を欺く共犯者」であったのでした。当然ふたりの間に性的な関係は今に到るまで無かったのですから子供に恵まれるワケも無く、かといって年老いたとはいえ幼児性愛そのものは失われはしませんでした。そして人生も晩年を迎えた頃、ふたりはお互いの秘密の欲求を充足させうる宝物を手に入れたのです。それが先程の美しい子供たちでした。

 ふたりは年経るにつれお互いに自分たちが回りと違う欲求を抱えていることを意識せずにはいられませんでしたから、相容れない者たちの中で自分を取り繕っているよりも同様の苦悩を抱える相手と行動と時間を共にするようになるのは至極当然のなりゆきであったと云えるでしょう。そういう相手が小さい村の中で近しい歳を持って生まれたことはふたりにとって幸運というよりほかありませんでした。年頃になると当然のようにふたりは婚姻を結び生活と共に苦悩をもより共にするのでした。
 親近感によるお互いの結びつきはそんじょそこらの夫婦とは比べ物にならないほど強固でしたから、あるいはこれは性欲を含めない純粋な愛の姿と云えるかもしれません。しかしふたりの結びつきのキッカケがお互い以外に向けられた性愛にあるのですから、やはり「愛は性を媒介する」「性の無い愛はない」と云うべきかもしれませんが。

 さて、ここで老夫婦の愛の被害者たるふたりの幼児を紹介しましょう。

 女の子の名を「かぐや」

 男の子の名を「桃太郎」

 それはそれは美しくも愛くるしい幼子たちでした…。


 (つづく)

***

 どーもNAKIです。今日はなんとなく上のような話を書いてみました。一応続きものとして書きましたが、本当に続くかどうかは甚だ自信がありません。あんまり先のことは考えず書いてしまいました。ですから次の日、そのまた次の日の不連続日記が今日の続きであるという保証は一切ありません。皆さんが忘れた頃にその2を掲載するかもしれませんが、それも一ヶ月を過ぎてなんの音沙汰も無ければ諦めてください。私も諦めます。書き逃げ御免。うまいことまとまったら『虚妄の説話』のほうに移そうと思います。