ゼロからの発進。純粋なスポーツカーに追い求めたもの。
7年半に渡って生産された初代RX-7は、そのスポーツカーとしての地位を日本はもとより、アメリカでも確固たるものにしていた。2代目のRX-7に求められたものは、この初代によって築き上げた名声を高めつつ、さらにピュアスポーツとしての進化を遂げることであった。驚くことにコンセプトの提示は、初代登場後1年半ほど経過した時期にすでに行われている。 ゼロベースで「スポーツカーとは何か?」という基本的な視点に立ち返って、前モデルとは直接的な関係を持たずに、計画の原案をかためていくことから始まったのである。 そもそもスポーツカーの歴史を振り返ってみると、誕生した時点から、クルマはより速さを求める方向にあり、それは他のクルマと競争したいという欲求へと展開する。それは100年前の自動車発祥の頃、すでにイデオロギーとして確立していたものである。 こうしたいわば哲学的なスポーツカーへの取り組みは、コンセプト設定直後に結成された『スポーツカー勉強会』の中で確認されたことであった。 「参考となるものなら、どんなクルマでも肌で感じあえるところまで乗った」と当時のメンバーは振り返る。その中のコンセンサスは、当面の競合車ばかり見てはいけないということだけで、むろん従来のRX-7(SA22C)にこだわらずに、未来に通用する新しい価値観を創造することであった。 意志統一は、「心地よい緊張感が感じられるクルマ」。
当時の『スポーツカー勉強会』のメンバーは語る。「古いスポーツカーは、実際のスピードは遅くても、それをコントロールする場合に、いわば乗って興奮する領域があったから、スポーツカーはそれなりの魅力を持っていたのではないか」。 とすれば、ドライバーの感性的な領域を充分に残しておくことが必要だ。しかもその限界を高いところに設定したものでなければ、すぐに飽きられてしまうのはいうまでもない。スポーツカーである以上、単に直進安定性を追求したものではなく、クルマを操縦する場合、そこには『心地よい緊張感』が確実に存在することが重要なのだ、とする意思統一が図られたのである。 新開発の13Bターボ搭載。さらにスポーツ色を強めた2代目。
このような哲学のもと、1985年10月に登場した2代目サバンナRX-7(FC3S)は、さらなる高次元スポーツカーへと進化を遂げていたのはいうまでもない。突起部を減らした張りのあるボディ、幅広タイヤを収めるブリスターフェンダーがその存在感をアピールする2代目RX-7は、初代モデルが持っていた小型・軽量のスポーツカーというイメージからぐんと重厚味を加え、より洗練されたスタイリングに成熟されている。またそのポテンシャルもより高水準なところを目指した。ボディサイズは、旧型SA22Cターボと比べると、やや短くなったものの、幅広でやや高くなっている。 このモデルチェンジによって、エンジンは従来の12Aから全車『13Bターボ』へと換装され、よりパワフルに生まれ変わった。654cc×2の排気量に空冷インタークーラー付きのターボチャージャーを組み合わせたエンジンは、ネットで最高出力185ps、最大トルク25.0kg-mを発生する。その結果、2代目のパワーウェイトレシオは6.54kg/ps(GT)となった。 前後の重量配分は50.5対49.5となり、フロントミッドシップの走りにもさらに磨きをかけた。シャープでクイックなハンドリングとハイスピードクルージングにおける圧倒的な安定性を両立するために、サスペンションは、フロントがマクファーソンストラットにコイルスプリング、リアはセミトレーリングアームにラテラルロッドとコイルスプリングを組み合わせ、スタビライザーは前後に装着される。さらに、リアのサスペンションは、トーコントロールハブの採用で方向と大きさの異なる入力に対し、全てが車両運動を安定させるトーインとなるようコントロールさせた。 よりスパルタンな2座仕様、アンフィニを限定発売。 翌86年8月には、特別仕様車∞(アンフィニ)を300台限定で発売。この∞は、RX-7としては初めて2シーターとなり、BBS社製アルミホイールや専用ダンパー、そしてアルミ製ボンネットの採用などで、よりスパルタンなスポーツ色を強めている。ちなみにこの∞シリーズは、その後91年までに小変更を含め、6回の限定販売が行われた。 また、まったく新しいボディバリエーションとして87年8月にはカブリオレを追加。ルーフ形状はフルオープン、タルガトップ、クローズドの3タイプが選べ、座席後方にはフルオープン時の室内への風の巻き込みを抑えるエアロボードを備えている。89年のマイナーチェンジでは、圧縮比アップ、ターボの改良などにより、205psへのパワーアップを果たし、さらにエンジン各部の軽量化によって、レスポンスの向上も図られた。一方テールランプも丸形3連に変更されたことにより、より迫力のあるリアビューとなった。 |