研究目的
宇宙ステーションなどの閉鎖環境において、藻類・藍藻類は酸素源、栄養源として注目されています。藻類の培養には光、無機培養液及び二酸化炭素が必要であり、培養終了後には増殖した藻体、酸素、廃培養液が生成します。現在廃培養液は一部が液体肥料として利用されているものの、ほとんどは廃棄されています。しかし、廃培養液には利用可能な無機塩が多量に含まれているため、閉鎖空間のゼロエミッション化の観点から、培養液の再利用は重要な課題となっています。
本研究ではChlorella pyrenoidosa及びその無機培養液を用いて廃培養液による培養実験を行
い、藻体の増殖に伴う消費により不足する無機栄養塩の影響などを実験的に検討します。また、その培養液を新規培養液の結果と比較し、培養液の再利用の可能性を検討していきます。
培養
供試藻体としてChlorella pyrenoidosa IAM C−104株を用い、改変ブリストール培養液(pH6)で培養を行いました。培養にはル式瓶を用い、温度303K、照度4klxで一定としました。孔径0.45μmのフィルターを通過させた空気により通気撹拌しました。
実験経過
1.廃培養液による培養実験
廃培養液(88日間培養したものから藻体を除去)に藻体を植え継ぎ、一週間ごとに藻体濃度を調べました。
→ほとんど増殖しませんでした。廃培養液を処理せずに再度培養に用いることはできないようです。
2.廃培養液の分析
廃培養液の無機塩の現存量を調べ、新規培養液のそれと比較しました。
→いくつかの無機塩が減少していました。
特に硝酸イオンはほぼゼロで、窒素の不足により増殖が停止したのではないかと考えられます。
3.無機塩を添加しての再培養
2で減少していた無機塩をさまざまな順番で加え、藻体の増殖速度の変化について調べました。
→硝酸イオンを加えると、増殖がはじまりました。
しかし、硝酸のみ加えたものに比べ、硝酸以外の無機塩も加えたものの方が増殖速度が大きいようです。
硝酸だけでなく、他の無機塩も必要なようです。
4.硝酸カリウムを除いた培養液での培養
硝酸イオンの重要性を調べるため硝酸イオンを除いて培養液を作り、そこに藻体を植え継ぎました。
→現在進行中です。