学園ラブコメもの(仮題)

作・おがわさん

「きゃっ」そう言って、横から飛び出してぶつかった奴は、廊下に倒れ込んだ。
 そいつは、しりもちをついて、痛そうに目をつむっていた。
 そしてなぜかは知らないが、男のくせに――スカートをはいて、いや、いい。とにかく、そいつは、セーラー服を着ていた。
 足からは……これもいい。削除。
「痛いじゃないの!」そいつは、言った。
 意外と綺麗な声だったので、いささか、驚いた。
 いやー、「私は美しい」とか何とか言っている仮面をつけた四天王の素顔が、なんと美形だと知ったとき以来の驚きだ。
「気をつけなさいよね!」そう言いながら、そいつは、立ち上がった。「名前は?」
「は?」
「名前って言ってるでしょ?」
「ああ、なまえ。水野」
 すまん。水野。生け贄になってくれ。
「で、クラスは?」
「12ー12」
「そんなとこないわよっ!」
「そうだっけ?」
 オレは、早く、過ぎ去ろうとした。過ぎ去る? 言葉遣いまで変だな。いや、このときを、過ぎ去ろうとした、で、まあ一応あっている。この際限りなくどうでも良いが。
「水野というのも怪しくなってきたわね。生徒手帳見せなさい」
「誰が」
「パンツ見たって、訴えるわよ」
 この男、頭がおかしいのではないか? いや、最初からおかしい。
「訴えられたくなかったら、さっさと見せなさい! 私、生徒会長なのよ!」
 女装した生徒会長など見たことがない。
 オレは気分は極めて、非常に、なぜかグローブをつけて戦うバカの顔より悪くなってきた。ああ、悪夢だ……悪夢? はっ、そうか。これは夢なのか!
 オレはつい叫んでいた。
「夢オチばんざーい」
「何言ってるのよ……」


終わり(^^;


いただき小説、記念すべき第一号です。
おがわさんのページで2000HITを踏んだ時にいただきました。
「学園もの」を依頼したら、「学園ラブコメもの」になって帰ってきました。
まるで放流したサケの稚魚が川へと帰ってくるかの如く。

BACK