心温まる話 (中島 節) -2006.12. 2-


 先月24日の昼過ぎ、鹿嶋市に住む教え子夫妻が10年ぶりにやって来た。 両人は日立一高定時生時代の教え子、といってもT君との年齢差は5歳、 N子さんは2学年下、見方を変えれば親友です。

 卒業後、彼は学友4,5人と一緒に新婚家庭の我が家に時々遊びに来てくれた。 そして薄給教師を慰めるかのように彼らはいつも酒と肴を持って来た。 教師歴50年の中で一番心に残るほのぼのとした時代です。

 もろもろの話題に花を咲かせ、帰り時間になったころ、 「先生にお見せしたい物があります」と言って日立市長と並んでいる一枚の写真を取り出した。 「二人揃って日立市に生まれ育ち、 古希を迎えた現在も こうして健康で幸福な人生を過ごしていられるのも日立のお陰です。 市の福祉事業に少しでも役立てて下さい」と ご夫妻連名で○十万を寄付した時の写真ですと説明が続いた。

 とても私ごとき凡人には思いもつかないこの博愛心に充ちた崇高な行為に 無言の教えを受けた晩秋の静かな暖かい午後でした。 (了)