志賀高原・高天ケ原温泉
  (中島 節) -2007.10.12-


3/6組の皆さんへ

天気も安定し秋らしくなってきました。
秋の旅計画などはいかがですか。

遅くなりましたが厚顔無恥を承知の上で 8月の旅備忘録を公開しますから
興味のある方に読んで頂ければ幸いです。

旅行記はいつも兄弟、子供たちにだけに公開。
旅行に興味のない方には有難迷惑と妻に注意されています。


 志賀高原・高天ケ原温泉

  のんびり滞在4日間

  平成19年8月29日〜9月1日

 窓より発哺温泉方面を望む               阪神交通社主催


はじめに
 この旅行は次の二つの理由で選ばれた。 一つは8月末にどこかへ出かける慣例の励行。 もう一つは旅費が安く(3万円)写真撮影向きの「のんびり滞在4日間」という歌い文句。 というわけで最初から志賀高原を目的とした旅行ではなかった。

 志賀高原についての知識は極めて乏しく、日程のたてようもなかった。 インターネットで地図を調べてみたが希望の地図が見つからない。 その理由はホテル到着40分後、 志賀高原をいかに観光するかについて小1時間かけての説明会で納得できた。 なるほどこのガイダンスなしにはこの広大な高原を楽しむことは不可能である。

 時期的に台風来襲などの心配も多少あったが、その時はのんびり湯につかっての休養と決めていた。 しかしどうしたことか、月末になると天気は一転し気温は下がり、 時々小雨、秋の長雨に似た予報が出るようになり写真への期待は薄れてきた。 毎夕天気予報に釘づけになり、傘マーク消滅へのひそかな願いも虚しく、 傘、レンコートを詰め込んでの旅立ちとなる。

 先の説明会、また部屋の注意書きにもあった 「周辺に住む野猿が部屋に侵入しいたずらをするから、外出時は必ず戸をロックしてください」 はオーバーのようであった。 幸いにもホテル周辺でまた散策中に野猿を見かけることは一度もなかった。

  第1日目
   「のんびり」あるいは老人を考慮してか行きも帰りも時間はのんびり。 荒川沖駅発9:34の空いた電車に乗り、上野駅で昼弁当を買いこみ 長野新幹線あさま(11:22)へ乗り換える。 所定の席に座るとほぼ同時に、旅行者の方が挨拶、確認にやって来る。 終着駅長野着は12時49分、すぐ迎えのバスで移動することになっているので、列車内で弁当を食べる。 社内販売も回ってきたが、弁当を買い求める乗客の姿はない。

 駅の改札口を出ると、小旗を持ったホテルの係員が「どうもお疲れさまでした」と迎えてくれた。 前日、団体客の人数は130余名と聞いていたので、 これは大変と覚悟していたが 実際は23名のグループでほっとする。 130余名とは、どうやら長野駅まで添乗する客の総数らしく、 旅行社係員はそれぞれのホテル迎え人に私たち旅行者を手渡しすぐ帰京するらしいことが後でわかる。

 近回りをしているのか 田舎道みたいな狭い道路などを右へ左へと曲がりながら、 小布施、中野、湯田中を通り抜け上信越国立公園へ進入していった。 途中、湯田中温泉を過ぎると道の駅で トイレ休憩、純米原酒「縁?」4合瓶を買い込んでバスに戻る。

 その辺りから木々、曲折も多くなり「公園」の標識が見えてきた。 走ること2時間余、概して良好な空模様の中やっと目的地志賀パークホテルに2時45分到着。 お茶もそこそこに4階の浴場へ急行し、汗を流した。 それから3時半、コンベンション・ホールで他グループとの合同説明会に臨む。 この説明をもとに2、3日目の計画を練ることになった。

 山の夕暮れは早く、雲も次第に厚くなり、 夕食は6時からという次第で第1日目はカメラの出番はほとんどなかった。 8時から「試してガッテン」を見てから床に就く。

第2日目
 5時45分起床、小雨が降っている。 窓から湿りがち心境で小雨、ガスに見え隠れするゲレンデ、 峰々、発哺(ほっぽ)温泉、玄関先の様子などをカメラに収める。 朝食は7:30、役百人分の食事を用意している大きな食堂の一番奥まった席は昨晩と同じ(滞在中の指定席)、 迷う心配もなくまことに便利。

 フロントに降りていくと、この雨で昨日予約していた「横手山パノラマコース」の客は皆キャンセルしたらしい。 空も次第に明るくなり、雨も止んできたので 私たちは傘とレンコートを持参し、 予定通り「やまびこコース」(\2,800)に挑戦することにした。

 乗車券をホテルで購入し9時に出発、ホテル近くの高天ケ原駅からリフトで発哺温泉駅へ向かった。 そこでロープウエイに乗り換え約8分下がり蓮池駅へ。 駅近くの志賀高原総合会館に立ち寄り動植物の標本などを見てから 志賀高原で2番目に大きい琵琶池を目指し森の中を下って行ったが、あまり目を引く被写体はない。

 池まで25分ほどの道のりで出会った客は2,3組。 「何も見るものはありませんよ」と言いながら引き返す客。 とにかく池まで行くだけ行ってみたが、池の水際に散策路はなくまた季節的にも花は少なく、すぐ引き戻すことにした。 帰りはずうっと登り道でちょっときつい。

 途中 名の知らぬ山野草などにカメラを向けながらゆっくり駅へ歩いている時、 千葉大学付属養護学校の男女性の一群(教師、父兄を含め約30名)が賑やかに私たちを追い抜いて行った。 出発点に戻って来ると、ちょうど12時近くになっていたので 駅の食堂でビーフカレーの昼飯を食べる。 汗をかいていたせいか冷たい水が特別美味しく感じられた。

 食事直前、小綺麗な野草に取り囲まれた蓮池が駅の隣にあるのを知り、 青い鳥は身近にいることを実感。 昼食、休息をとってからこの小さな池を一周することにした。 水蓮が水面のあちこちに可憐な花を浮かべている。 そして奥のほうには蓮の葉が繁っていた。途中から霧雨が降りだし、やむを得ず帰途につく。 ここから今朝乗ってきたロープウイで発哺温泉に戻り、 4,5分歩き今度は植物園が目当てに東舘山行きのゴンドラに乗り換える。

 駅に直結している植物園に入ると、傘をさしカメラをぶら下げた私たちに気付いてか、 「綺麗な花がいっぱい咲いていますよ」と見知らぬ女性が励ましの言葉をかけてくれる。 確かに色々な花が小雨の中で出迎えてくれたが、照度不足などもあり撮影には不向きとわかる。 トリカブトは雨にぬれひときわ鮮やかにあちこちに咲き誇っていたが、なぜかこの花には名札が付けられていない。 残念ながら園の銀座通りに相当するところだけを一巡し帰途に就く。

 最終の乗り物、高天ケ原行きのリフトに乗るには更に10数分雨風の中を下山しなければならなかった。 このコースを選んだ人は少ないようで前後に人影はない。 哀れっぽい姿で足元に気をつけ一歩一歩駅まで歩く。 135台連結のリフトは傘をさした私たちだけを乗せ雲海の中をゆっくり下降。 3時少し前、やっと無事ホテルに帰着、ある種の達成感を味わいながら部屋で旅装を解く。

 時間的に空いた温泉でゆっくり冷えた体、疲れた体を癒せることを期待し 浴場に急ぐと先ほど生徒たちが 先生たちの指導にもかかわらず大声、奇声を発しながら入浴していた。 脱衣所で先生の指導・苦労に感謝しながら話しかけてみる。 「ご迷惑をかけどうもすみません」に始まり 高校2年になると毎年この時期、 修学旅行(日光、軽井沢、志賀高原の何れか)に出かけるとのことなどを話してくれた。

 酒を一口含んでから しばらく敷きっぱなしの布団の上で横になる。 3日目をどう過ごすかは天気しだい、気のもめる夕暮れとなった。

第3日目
 一晩中かなり強く吹いていた風の収まる様子はないが雨はほぼ止んでいた。 今日は「せせらぎコース」の予定だが気長に天気の回復を待つ。 次第に晴れ間も見えてきたので、9時40分頃宿から片道1.3キロと簡単に歩いていける散策路に出かけた。

 湿性植物に取り囲まれた木道から時々シャッターを切りながら北進。 途中の小川にはイワナ原種保存地区があったが、 物音、人影にすごく神経質らしいイワナの遊泳は息を凝らし暫く待たないと見られない。

 コース終点まで来ると、妻は疲れたからバスで帰りましょうと申し出てきた。 運よくすぐやって来た12時02分発のバスには乗客なし、申し訳ない気分で目的地までバスに揺られて行く。 昼飯はまだであったので、降車すると先ずバス停前の食堂に入り一息入れることにした。

 食事中に空模様が少し怪しくなってくる。 妻は疲れたから宿へ直行しひと休みすることにしたが、折角の時間を無為に過ごすのももったいない。 妻の勧めもあり、昨日撮り残した花々に未練を感じ単独で再度挑戦することにした。 歩いて2,3分の駅に行ってみるとリフトは動いていない。 利用客皆無のためリフトを止め器具を点検中とのこと。 改札掛が大声で「お客さん」と頭上で作業中の運転手に呼びかける。

 雲行きは悪化するばかり、一時撤退の気持ちもちらついたが、 あるいはとの期待も働き1時20分頃リフトの客となる。 トリカブト、ヤナギランなどを見下ろしながら、ただ一人登っていくが頂上駅に着く頃から小雨が落ち出した。 傘を広げ重苦しい心で昨日の道を上り植物園へ。 東屋で雨天にも強いW4のフィルターをレンズに着け、少し天気の回復を待ったが無理と知りぼちぼち撮り始める。

 昨日のコースより少し外れて歩いてみたが期待ほどの花もなく結局は昨日とほぼ変わりないコースを辿ることになった。 観光客ゼロの静寂と小雨が支配する植物園に長居は無用、また妻も心配するといけないから下山することにした。 でも時計を見ると1時間近く撮り続けていたことを知りびっくり。 また傘をさし一人でリフトを占拠しての下山は意気軒高でなく惨めな敗残兵に思えた。

最終日
 最終日は朝食7時半、チェックアウトは9時半と自由時間がない。 朝食前だけが唯一つの貴重な自由時間である。 4時半窓を開けると雲の動きが早く朝焼けの気配、これに勇気付けられ直ぐカメラの用意に取り掛かる。

 昨日苦労した東舘山の両駅、ゲレンデ、発哺温泉、その裏山などが目の前に見えてくる。 高天ケ原駅脇のゲレンデ付近で花を撮るため6時ころ宿を抜けだし 先ず小高い所に鎮座する温泉神社に向う。 眼下にはガスに包まれた中野の街(?)がぽっかり浮かび、 その奥には雪を被った妙高山(?)が雲海から顔を出し朝日に輝いていた。

 一幅の墨絵をほうふつさせる光景に深く感動。 隣の地続きのゲレンデに出ると朝露に濡れた草花、雑草に呼び込まれる。 接写レンズを通し溜息を漏らしながら彼らの美貌を無心になって撮り続ける。 この美の世界に浸っている時の恍惚感はまさに至福の一時。

 妻は離れたところで広角レンズを駆逐し草花、風景を追い求めていた。 1時間余の朝撮りに一応満足し部屋に引き返し美味しく朝食を戴き、最後の帰り支度を済ませチェックアウト。

 予定通りホテルのバスは定刻に発車したが、数分もするとバスは路肩により停車。 客の一人が財布入りのカバンを部屋の金庫に置き忘れてきたので一寸お待ちくださいとのこと。 電話で連絡し合った結果、数分後宿から届けてもらうことで一件無事落着、本人はもとより乗客一同ほっとする。

 途中 湯田中道の駅でトイレ休憩のため停車。 2,3日前、TVで美味しいと宣伝されていた川中島産の桃が店先で私達を歓迎するかのように並んでいた。 この桃があったら買って帰ろうと事前に話し合っていたので、 さっそく品定めし宅配便の手続きをとり、大急ぎでバスに戻った。

 観光客で賑わう(諏訪湖花火大会の客?)長野駅には11時半ころ到着。 バスから降りた目先の古風な洒落たレストランで昼食をとる。 冷房がきき居心地の良い店であったが、いつまでも長居するわけにもいかず適当なところで暑い外に出る。

 最後のお土産「みすず飴」を駅前で買い求めたが 特急「あさま」13:45までにはまだまだ苦痛な待ち時間がたっぷり残っていた。 長野新幹線、常磐線への乗り継ぎも順調にいき 5時少し過ぎ、予定通り無地帰宅する。 まだ陽は高くもったいないほどの早い帰りだが体のためにはこれで良いのであろう。(2007-09-24)

志賀高原略図    赤線が歩いた所