かぷりこーんでの出会い  (中島 節) -2008. 7. 15-


   梅雨明けが待ち遠しい昨今、皆さんお元気ですか。土浦は今月に入り雨なしの空梅雨、夕立が欲しいところです。 今回は老後を元気に生きている人たちのレポートです。

 私のよく利用する裏磐梯曽原湖畔のペンション「かぷりこーん」に宿泊すると色々な人との楽しい出会いがある。 2,3年前に出合った中年女性は九州の方で自家用車を駆使し 一か月かけ撮影の旅を楽しんでいた。また昨年秋に 合った初老の男性は裏磐梯が撮影には一番と言って愛知県から来ていた。

 そして今度の3泊4日の「撮影ガイドと さくらんぼ狩り」に参加した人は 私達を除き4名。その一人ははるばる奈良県から四輪駆動でやってきた70代前半、 長身の男性。高速道路のサービスエリアに駐車し、車内で2泊しながら、ここ数年来、年一度はこのペンションに 顔を出すという豪快な男。車内には毛布はもちろんのこと、大口径のレンズを始めカメラのアクセサリ一式から椅 子まで搭載されていた。

 痛風の持病があり、耐え難い痛みのため 以前自殺を考えたことがあるという彼は酒とたばこは手放せないようだった。 昔商売をしていたというだけあって、今もって付き合いが広いようだ。友人からお土産を買ってくるよう事前に依頼も あるらしく、さくらんぼ、こんにゃく、ジュンサイ等のお土産はたくさん買い込んで帰った。

 もう一人の方は70少し前の小柄なお坊さん。長岡市の由緒ある浄土宗の住職、今は代理人に勤めを任せ フォルクワ―ゲンの 高級車で撮影三昧の優雅な生活を送っているようだ。朝など携帯電話で仕事の連絡を取り合っているのを見かけたこともある。 家から新潟経由で磐越自動車道に乗り 2時間半という地の利もあるが、とにかくこの宿に年数回お世話になっているという 裏磐梯通のひとり。撮影ポイントに行ってもカメラを出さない理由を聞くと、この前ここで撮ったばかりだからと煙草を吹か している鷹揚なお方である。

 今年はこれで6回目、次回の予定は10月とか。昨年は県展に入選・受賞、賞金5万円を貰ったことを披露してくれた。中越 地震で被害甚大な古志方村へは自宅から車で7分、毎朝カメラを持ち撮影を続けているという。この執念深さがカメラマンには 必要不可欠な資格である。敷地8,000坪の屋敷には年中庭師、ボランテェアをお願いし花壇、樹木の管理に当たっているとか。

 酒は飲まないが、たばこは大好きでよく紫煙を楽しんでいた。たばこは一時止めた時もあるがまた始めたという。酒は19歳の時急性 アル中で人事不正になり入院した苦い体験があったと告白。父親も学校に呼び出されだいぶ絞られたらしく、その後は飲んでいない。 飲まないというより、体質的に飲めないらしい。でも父親は底なしの酒豪だったという。

 彼はまたツル、ワジロワシなどの鳥類撮影もする。極寒の北海道まで何度か出かけ、ツルを撮る時は一回にフィルム15本も 使い切るような物量作戦を繰り返しているようだ。体力、集中力、熱意、金力それに時間の余裕など全てが揃っているこの お坊さんの現人生には五色の花々が咲き誇っているように思える。

 最後に紹介する老人夫妻は 松戸から電車を利用して参加。私達と同じように写真の趣味を共有し 毎年当ペンションを利用して いるという。ご主人は80歳、少し足腰が不自由らしく、車から降り時は 必ず後ろ向きになって足を地面につける。また奥さんは 行動の遅い主人を何かにつけ手を貸すという微笑ましい姿も何度か見かけた。

 奥さんは絵でも習おうかと思っていた矢先、写真を一緒にやらないかと主人から誘われ 数年前からこの趣味に入ったという。 とにかくどこへ行っても真面目に粘り強く写真を撮り続け ているお二人の姿が印象的だった。(了)

  

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