日英語比較:対語の語順について
    (中島 節) -2009.12.30-


 年賀状と混線しないように恒例の一日を避け投稿します。

さてこの時期に また新年早々、 こんなお堅い話題では酒の味が悪くなると 皆さんにそっぽを向かれてしまうことでしょう。 敢えて投稿する理由は 最近やっとまとめたもので、 最初に皆さんにお見せしたいと思ったからです。

これを調べるきっかけは、ある川柳の会で 語順が話題になり、 英語では日本語と全く逆に並べる対語があることを会員にお話ししました。 興味を示された方が多かったので、後日調査し報告することにしました。 その時は 英語を並列せず、事実だけを簡単に話すことにします。

先ず 対語とは何か?

ここでは「反対の意味を持つ単語が対をなし熟語的に使われている語」と定義をしておきます。 多分中学3年生頃、「あっちこっち は英語で here and there と云って 語順が日本語と逆になります。 また紳士、淑女の皆さんも ladies and gentlemen のように逆になります」 といった解説を聞き 英語に興味を持たれた方も いるのではないしょうか と。 しかし 対語の全てが日本語と英語では逆になるか というと、 答えは No で 逆になる例は少ないです。

 そして日英語 どちらも同じ語順で使われている場合もあります。 また 日本語の語順は固定しているが、 英語では 固定せず 前後の単語を入れ替えても良い対語もあります。 そこで 1.逆になる、2.同じ、3.英語は自由 に分類し、例を順不同に挙げておきます。

  1. 逆になる:
    あちこち=here and there , 飲食=food and drink、遠近=near and far、寒暖=hot and cold、 heat and cold、乾湿=wet and dry、晴雨=rain or shine、新旧=old and new、雌雄=male and female、 貧富=(the gap between the rich and poor)、行ったり来たり=come and go、 東西=west and east、南北=north and south 、前後= back and forth

  2. 同じ:
    濃淡=black and white, thick and thin、大小=large and small、上下=rise and fall, (go) up and down, ups and downs、男女=men and women、生死=life and [or] death、 増減=increase and decrease, rise and fall、開閉=opening and closing[shutting]、 内外=inside and outside, internal and external, domestic and foreign、早晩=sooner or later、 賛否=ayes and cons, pro and con、功罪=merits and demerits [faults]、美醜=beauty or ugliness、 勝敗=victory or defeat、手足=hands and feet、好き嫌い= likes and dislikes、強弱=strength and weakness、 明暗=light and shade

  3. 英語は自由(だが最初の表現が普通でしょう):
    善悪、善し悪し=right and [or]wrong, wrong or right, good or [and]bad 、損得=loss and gain, profit and loss、黒白=black and white , white and black、左右= left and right, right and left 、 日夜=day and night, night and day、老若=young and old (alike), old and young (alike)
この他に 対語でなく3語で固定した表現にも語順の違うものがある。 例えば衣食住は英語で food, clothing and shelter(直訳:食衣住)となる。 また4語の東西南北は 英語で north, south, east and west(直訳:北南東西)の順が普通です。 それから 海、山、川などの固有名詞表現も興味深い。
  1. 日本語と逆になる:
    a)山:Mt. Fuji, Mt. Everest
    b)湖:Lake Biwa, Lake Michigan

  2. 同じもの:
    a)駅:Tokyo Station , Victoria Station
    b)海 The Mediterranean Sea, the North Seaなど。 ただし日本海は the Sea of Japan, 瀬戸内海は the Inland Sea of Japan. と云います。 ただし 川は少し複雑で英語では River が前に、 米語では後に来て the River Thames, The Colorado River のようになります。
 それから 敬称は 皆さん ご存じのように 日英語は逆で Mr.[ Mrs. Ms.] Nakajima、President Obama, Dr. Brown のようになります。なおピリオドは省略しても構いません。

 さてここまで読んできて、長短、高低といった よく使用される対語が登場しないことに気づいたでしょうか。 これらは日英語が うまく絡み合わないので 意識的に避けました。 長短には the long and short of it という熟語がありますが、 これは「(その長いところと短いところを入れて→先端からここまで→)要するに、 問題の要点は」という意味に変化しているので省きました。

また高低から発生した語句、high and low 「至る所で[を、に]」, highs and lows 「栄枯盛衰、浮き沈み」も同じように扱いました。 high and low には「高く低く」の意味で使われることもあるようですが。

 では皆さんよい年をお迎え下さい。平和でありますように!(2009−12−30)