平成23年の事始め:漢字  (中島 節) -2011. 1. 5-


 新年明けましてお目出度うございます。

 正月早々からお堅い話題で失礼します(漢字拒否症の方はこの段落だけ結構です。せめて最後の写真をご覧下さい)。 昨年の茨城を表す漢字に「飛」が選ばれ年末に発表されました。 茨城空港の開港と縣への希望「飛翔」をかけて決められたようです。

ところで「飛」の語源、筆順などをご存じですか?
詳しいことは漢和辞典に譲りますが、飛ぶ鳥を描いた象形文字が語源になっています。 さて筆順を言葉で説明するのは厄介ですが、精一杯努力してみます。
先ず右へ伸びる三画の字(横に引く一画目に〃と付けた)を上下二個と、中間の縦棒二本の三部に分割します。 最初に上の三画字を書き、次に縦棒の右側を書いてから左側の縦長イを書き添えます。 そして最後に下の三画文字を書き足し「飛」が完成します。

ついでに昨年晩秋、話題になった一点シンニョウか二点シンニョウ問題に触れてみます。 中高の入学試験などにも影響するので議論百出、 結局は現状追認ということで 次の三文字だけに二点シンニョウが温存されました:遜、遡、謎。 一般人には余り関係のない文字で、どうでもよいことですが。(削除、追加があり新常用漢字は前より少し増加し2136字になりました)

実はこのシンニョウ問題は古く漢字本家の中国にもあったそうです。 「通」には三種類の文字(一点と二点シンニョウの他にシンヨウが L に簡約されたもの) が存在したので官吏登用の科挙試験の混乱を避けるため一点シンニョウに統一した。 しかしその後正しくは二点であるとなり、 中国でもっとも権威のある勅令で編纂された「康煕(こうき)字典」(1716)では全てのシンニョウを二点に統一するようになった。

漢字については我が国でも中国と異なる問題を色々抱えているが、一刀両断で雌雄を決することは無理、いや不可能のようである。 同一漢字がワープロ、PCの機種により表示が違っていることが多い。 今これを統一することは金銭的にも労力的にも全く無理、また無意味であろうと言われています。 確かに試験を除けば、現状で日常生活に不便、支障を感じることはない。

でもこれで今回の原稿が終わっては面白くないから、矛盾を含む身近な漢字を数語挙げて見ましょう。
  1.弗。佛は簡易文字で仏、拂は払になったが、沸、費はそのまま
  2.蜀。獨→独、觸→触になったが、濁はそのまま
  3.專。傳→転、轉→転になったが、專は専

もっと漢字について知りたい方には『戦後日本漢字史』阿辻哲次 新潮親書をお勧めします。 きっと漢字が好きになれることでしょう。 「好」の語源も面白いよ。また女と子が左右入れ替わっていた時代も在ったそうです。

写真説明:チロリアンランプは晩秋に撮ったものですが、今でも庭先に咲いています。 赤い実は鉢物の錦木に付いたものです。(了)


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