格安ホテル (沼田 吉治) -2011.2.9-


学生時代は演劇部に所属しており、その仲間と2年に一度くらい 集まっていましたが、 年とともに回数が減り今では同じ年の仲間だけ数人で細々と続けております。

昨年11月の末、その仲間5人と近場の奥久慈に一泊で行ってきました。泊まったのは ホテル奥久慈館、2年ほど前いま話題の伊東園グループが引き受けて低価格路線の宿 として再スタートしたものです。前は多分農協関係の経営の築40年くらいになる施 設で、山の会の納会や日帰り入浴で時々利用したことはありました。

さて、そのお値段ですが一泊2食でなんと6,800円(税込)、これが最近は「飲み放題」 までプラスされました。今回は同行の仲間が割引券を持っていたのでさらに5,800円と いう安さです。

ではそのサービスとは一体どんなものかと現役時代にサービス業の一端に属したものには 興味津々でした。まずチェックイン、フロントで前金を払います。結局この金額以外は 1円もかかりませんでした。フロント脇には、浴衣のサイズLとSが置いてあり、M以外の 人は自分で持っていくことになります。分かりにくかった部屋を、聞く従業員が見当たらず、 やっと探して入ると5人分の布団が既に敷いてあり、すぐにびっくり、部屋片付けの時に 敷いてしまえば一度で済むとしぶしぶ納得、早めのチェックインでしたのでまず乾杯…部屋の 冷蔵庫は空っぽ、持込のものを入れるようになっております。何度か来ている仲間の助言も あり途中のスーパーで仕込んできたボージョレや缶ビールを開けてもうミニ宴会になりました。

さて5時半から夕食はもちろんバイキング、一番気になる飲み放題の部分です。飲み物カウン ターは従業員なしの全部セルフサービス、生ビールもグラスをセットすれば機械が上手くついで くれます。燗酒しかり、水割り類は自分で作ります。料理は高い食材を使用したものは皆無、 しかしそんなに食べない年代には、このフリードリンクシステムが気に入り生ビール2杯と 燗酒3本ですっかりいい気持ちになりました。この広い食事場所全体でも従業員は2,3名、 すべて客のセルフです。

やがて2時間もすれば我々年代の夕食は終わり、館内唯一のレジャー空間といえばカラオケ ルームが3つ、そのひとつは元クラブらしく小さな舞台のある広い部屋に入りました。バー カウンターもありますが勿論従業員は誰もいません。勝手に曲を選び勝手に唄い、部屋から アルコールやつまみを運んできて盛り上がります。他のグループもどんどん入ってきて、 その中の女性客と踊ったりデュエットしたり年を忘れて大騒ぎ、結局我がグループだけでも 25曲も唄いました。

そうこうして11時近くまでの大騒ぎを終えて無事に就寝できました。興奮の後の布団の中 で考えました。従業員に会ったのは、フロントの女性二人と食事会場の2,3名だけ、いかに 人件費を節約しているかがひしひしと分かります。設備も引き継いだ時に大きな改装はして いないようで、ほとんど元のまま、壁やカーペットには汚れが見えます。お風呂は前から気に入って おりましたのでいいとしても設備の古さは目に付きます。しかし、この料金を考えるとまあ こんなものかと納得せざるを得ません。結局はサービスを取るか価格を取るかということです。 少しくらいの不満はこの価格の前には解消してしまうから不思議です。

徹底した合理主義は、最近利用している1000円理容もまたしかり、髭剃りや洗髪は自分でできるし、 その分時間が短く価格が安くなればこれに越したことはないと、ここ十年以上お気に入りです。 ボーナスなどと縁がなくなってはや十年、価値と価格との攻め合いが後者にすっかり軸足を 移している昨今です。

話題は変わりますが、4月から私の住む団地の町内会長の順番が回ってくるので、いま水戸市の 地域リーダー研修会に参加しています。江戸に学ぶというテーマで、2月5日は都内に出かけました。 水戸藩上屋敷の大名庭園「小石川後楽園」は都心の真ん中に今でも70,000平方b、どこからカメラを 向けても背景に高層ビルや東京ドームなど写ります。梅がほころび始めていました。(了)