医は仁術それとも算術-名医の診断
  (稲植 俊雄) -2011. 5. 5-


避難生活がいつまで続くのか分らず 落ち着かない日々を過ごしております。 友人との会食などを除き、余り楽しいことの少ない日々ですが、この前、嬉しいこともありました。

昔も今も痛風になったことはありませんが、以前、定期健康診断で尿酸値の数値9が3年間続き、 医者から「このままでは痛風が発症する、最悪の場合、心筋梗塞、脳梗塞になる可能性もある」 と言われ 2004年から尿酸値低下薬2種類を服用し始めました。

間もなく 胃に潰瘍が出来たため胃薬も3種類、合計5種類の薬を飲むようになりました。 この薬は以前住んでいた千葉の家の近所のクリニックから毎月処方して貰っておりました。 1年間に2回 血液検査をして尿酸値を測り、かなり数値も低下しましたが、この5種類の薬はその後も処方されました。

その後、5年前に楢葉へ移り、医者は変わりましたが 薬は以前のクリニックと同じ5種類の薬を処方されました。 今度の医者は血液検査をして尿酸値の検査を滅多に行わず、5年間で2回だけでした。 このクリニックでの最初の検査は2006年でその時尿酸値は既に4.7ほどに低下していましたが、 毎月診察に行く度に、「それではいつもの薬を差し上げます」と言われ 5種類の薬を飲み続けておりました。

その 2年後に行った検査では尿酸値が4.2となりましたが、相変わらず5種類の薬を飲むよう処方されました。 通常、尿酸値7以下が正常値で、それ以上は何らかの治療が必要と言われております。

どうも この医者は患者に薬を沢山飲ませるのが好きなようで、毎月薬を貰いに行く時、血圧を測って貰いますが、 3年前に、どう言う訳か、一度だけ高血圧の数値となり、直ちに高血圧の薬を処方されました。 今回 初めての高い数値なので、少し様子を見たほうが良いのではないかと言いましたが、 医者から高血圧は重大な影響をもたらすので、直ぐ薬を服用したほうが良いと言われました。

高血圧の薬は一度飲むと一生飲み続けなければならないと聞いたことがあり、 心配なので、この薬は飲まずに全部捨てました。

翌月の診察の時、血圧は115−55でした。 これ以来、毎月血圧測定後に、この医者から、「血圧が素晴らしいですね」、と言われるようになりました。 私は普段どちらかと言えば低血圧気味で この時の高血圧以外は以前も以後も毎回125−80以下です。 1回だけ瞬間的に血圧が上がっただけなのに どうして直ぐ薬を出したのか、 検査もしないで薬を処方し続けることと合わせ、医者としてもう少し考慮して欲しいところです。

今度の震災で 東京の避難先に近いクリニックへ行き 5種類の薬を飲んでいたことを話し、 同じ薬を出して貰うよう依頼しました。 医者は血液検査をして、その上で薬を決めましょうと言って、この日は薬の処方はなく、血液検査のみでした。 翌日、血液検査の結果を聞きに行くと、尿酸値は3.9で、医者から、 「今まで服用していた尿酸値低下薬 2種類を 1種類に変えます」、と言われました。 胃薬は しかし従来と同じ 3種類を渡されました。

薬がなくなり、1ヶ月後 このクリニックへ行くと、 医者は胃薬 3種類のうち 2種類は同じ効能の薬なので 1種類減らし 2種類とし、 尿酸値の薬と合わせ、全部で 3種類とするということになりました。 なんと数年間服用していた 5種類が劇的に 3種類に減少したのです。

東京のクリニックへ行くことがなかったら,恐らく今でも 5種類を服用していたでしょう。 同じ医者でも色々なタイプの医者がいるものです。 今まで長年診て貰っていた医者に 少しでも疑問があれば他の医者を訪れることも必要だ、とこの時思いました。

3種類になって今後異常が現れることもなしとは言えませんが、正しい医者の判断として充分信頼したいと思います。 この名医は 50歳の美人の女医さんで、これから毎月このクリニックへ行くのが楽しみになりました。 (了)