新聞の記事からひろったがん内科医の「独り言」である。 抗がん剤(細胞毒性抗がん剤)は第2次世界大戦で毒ガスとしてつかわれたマスタードガスが起源だという。 詳しくはそれぞれの興味でお調べ願うとして、開発された抗がん剤は毒をもってガンを制する。 従って副作用は避けられない。抗がん剤はがん細胞にも正常細胞にも毒として作用する。 がん細胞を死滅させる結果、がんが小さくなる、治るという効果も表れるというのだ。
抗がん剤は正常細胞をも傷めてしまうのだ。現実とはかくも厳粛なのだ。 がんについて、まだまだわかっていなかったと反省する。 かの副作用は人それぞれらしい。 S字結腸がん(昨年10月手術)のわたくしの場合、がんのマーカー(判定値か)はプラス5。 最も高い数値が分析の結果として示されている。
抗がん剤の服用は昨年12月6日から。 主な副作用をまとめてみると、@胃のムカムカ A目がかすむ Bのみ続けると次のようなことが起きてくる。 歯茎にハブラシが当たるとヒリヒリし始める。手足の爪の生え際のささくれがひどくなる。 ささくれに何かがふれると痛みが走る。からだのあちこちに針でついたような痛みが時々走る。 カゼ、ノドの痛みの症状が頻繁に出るなど―。どうしてかはわからない。
これに腸を手術した便通やオナラの問題が加わる。ささいなことのようだが、どうしても神経質になってしまう。 しかし、半年以上ものみ続けて同じような症状が続くので、便通やオナラ以外は「副作用」だと思っている。
7月12日、病院でCTを撮る。17日、診断。がんの転移はなし。 しかし、抗がん剤の服用はもう少し続けましょうと医師。 ふつうは半年ぐらいで、他に転移がなければ抗がん剤の服用は終わる。 だが、「プラス5」は油断がならないというのだ。もちろん、反駁する何の材料もない。
抗がん剤をのみやすくするため、医師は胃の働きを助け、正常に保つよう薬を出してくれている。 胃のあたりの不調に対し、仮に胃を切る(手術)ような事態になっては、 それこそ正常細胞が毒に負けてしまうことになると思うからだ。 それを医師にわかってもらえるよう、“意思表示”を忘れないようにしている。(了)