不整脈の治療(2) (中島 節) -2012.10.16-


 入院3日目。朝の検温、血圧、脈拍などは順調。朝食のサービスは7時10分からで、茶と食膳をベッドまで運んでくれる。 パン2切れ、箱入り牛乳1本、野菜2皿、グレープフルーツ3切れ。全部綺麗に平らげる。 9時頃、院内診察で医師団来室、異常なし、順調ということで、30分後看護師によってやっと待望の尿道カテーテルが外され一応自由の身となる。 早速、点滴スタンドを押しながら10階の廊下を隅みから隅まで百メートルほど歩いてみた。 疲れも痛みもないが、何とも味気ない散歩であった。

 10時20分、術後の検査を受けるよう連絡があり、また点滴スタンドを押し、 1階に降り、心電図、心磁図(別節で説明)をとり、X線撮影を済ましてきた。 後は自由時間、読書、川柳作句などしながらのベッド生活。昼、夕食は朝食同様、食事係が喜ぶほど、何一つ残さず食べ尽くす。

 4日目。朝6時に点滴完了、早速左腕から注射針が抜き取られが、これで完全な体の自由を得たわけでない。 心電図のモニターが心臓部の上に取り付けられた。 モニターの大きさは昔の筆入れ位、ベッドを離れたり、ベッド上に起き上がるときはこれをパジャマの胸ポケットに入れるか、手に持たねばならない。 10時30分、入院中最後の検査となる内視鏡検査に呼び出される。 心電図モニターを外して貰い、足どりも軽く1階へ降りて行く。

 検査は外来患者と一緒のため、待ち時間が長く、終わった時は12時を少し回っていた。 結局、昼食は一般患者より遅く1時過ぎとなる。 食事中に突然、看護に来てくれた妻に、予定通り翌日退院してよろしい旨の正式許可が出たことを知らせ、喜びを分かち合う。 術後の脈拍は正常になり、我ながら手術の効用に驚き、拍手をしたいほどであった。関係の主治医、医師団どうも有り難う。

 5日目。急ぐことはないので、昼食を済ませ午後から退院することにした。 朝食後、入院費の支払い法申請書提出、退院手続きの説明を看護師から受ける。 10時30分、最終回診。予定通りの退院OK.医師は手術を頑張ってくれ有難うとの謝意を添えて部屋を出て行く。 間もなく心電図モニターを取り外して頂き、やっと完全な自由を取り戻すことが出来た。 この開放感は患者でなければ知り得ない貴重なものであろう。妻の迎えを受け3時過ぎ、無事病院を後にすることが出来た。

 高齢者の手術について。80歳を過ぎた高齢者への手術は原則として勧めないようである。 しかし 主治医は「中島さんは年齢より若作りですから、もしご希望なら手術は可能です」と診察してくれた。 当然、諸検査の結果を見てのことと思うが、ドアをノックし僅か数歩の動き、話し方などからの結論のようでもあった。 経食道心エコー(次節で説明)の検査技師は、80過ぎて手術しようとする方の心臓は綺麗ですねと独り言を漏らしていた。

 アブレーション治療に先立ち、実施される聞き慣れぬ諸検査について:

  1. 経食道心エコーとは胃カメラと同じようなやや太い管を飲み込み、心臓の真後にある食道のなかから心臓内部を観察する超音波検査。 肺、骨などの障害物がなく鮮明に心臓内部を観察できる。
  2. 心臓CT検査とは電気回路隔絶に役立たせるため4本の肺静脈の太さや走行を出来るだけ正確に把握するめのCTによる検査。
  3. 心磁図検査は照明を切り真っ暗にした小部屋で行われる。 心電図検査と同じように電極を体に数カ所貼り付け、直径40センチほどの円筒の下に横たわり、10秒ほど呼吸を数回止める。 その間に磁力を使って心臓周辺に起きた磁界、電気回路を調べる検査。
 その後。入院中の不整脈は前述通り一度もなかったが、 退院翌日から、少しずつ体を動かすようにしたためか、時々不整脈がまた頭をもたげ始めた。 不整脈のない日より、ある日が多くなり若干心配になったが、散歩、身の回りの雑事を増やすように努めたが特に支障はない。 退院後 3週間した頃、試験的に缶ビルー350ccを口にしてみたが、美味しく、脈拍に特別な影響はなさそうなので、以後夕食前350cc続けている。

 そして10月15日 退院後初めての受診。 「今日の心電図では心臓は全く正常ですから、暫くこのまま様子を見ましょう。 来週、24時間ホールターで検査してから、次の処方を考えてみましょう。 薬は今まで通りプラザキサを朝夕2回 飲み続けて下さい」ということで、まだ多少余塵がくすぶっているのが現状。 また右下腹、股の付け根2,3センチ上に静脈溜が少し突起しているので、ヘルニヤではないかと尋ねてみると、 これを否定し、そのうち へこみますから心配いりませんとのことでほっとする。(完)


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