酒は直ぐ分かるように、三水と酉から造られている文字。 水は流れている水の様子から生まれた象形文字で、本流の左右に小さな流れを入れ、三筋になって流れている川を表現している。 そして文字の編に使うときは、シに簡素化し、河川のほかに液体の性質・状態などを表す文字を造語できるようにしました。
一方酉は 蓋付きの酒壺の象形文字から発達したもので、 酉の中に書き添えられている横棒一はそこまで液体が入っていることを示している(西と間違わないように)。 そして酒の入った壺から、酒の意味するように変化してきた。
醫(医の旧漢字)はなぜ酒と関係があるのか。 醫の上半分の部分は「濁らないで澄む」を意味し、醫は「澄んだ酒、つまり清酒」を意味するようになった。 そして 医学が未発達の頃は、清酒を薬の補助とし使用したらしい。 そこから 病気を治す人を醫と呼ぶようになったとのこと。 そういえば少年時代、かすり傷に清酒を消毒剤代わりに使用すると良いと父親から言われた記憶がある。
酋長でなじみ深い文字 酋が酒と関連しているとはこれまた驚きである。 酋はハと酉を組み合わせた漢字で、ハは湯気を表現する抽象文字。 それで 酒壺から香気が湧いている有様、つまり酒が熟していることを表現した。 そこから 酒の醸造をつかさどる官、役人の意味になり、さらに転じてかしら、酋長を意味するようになったと言われている。
醉(酔の旧漢字)は酉と卒の合成語で、卒には「おわる」の意味がり、酔は一定量の酒を飲むと酔いつぶれることになる。 また 卒には砕(くだく)、散乱するの意味があり、酒に酔って心が乱れることを意味するとの説明もある。
酷は酉と告からなる合成語で、告には引き締めるの意味がある。 つまり 酷は きゅっと口を引き締めさせるような味の濃い酒から転じて、きびしい、はげしい、ひどいを意味するようになった。 そこから 酒と直接関わりのなさそうな酷暑、酷評、冷酷などに使用されるようになった。
時 あたかも 菊の季節、杯に黄色菊の花を浮かべた菊酒を飲んでみては如何ですか。 ほんのりと菊の香りが漂う酒も乙なものである。最後に川柳一句。
酒と医が 親戚と知り 杯進む (了)