待合室で本を広げる真面目な外人青年に惹かれ、言葉をかけてみた。 「日本」というタイトルの本を読んでいるこの青年はスペイン人で、つくばの資源環境総合研究所に3ヶ月滞在する予定と語ってくれた。 つくばは私の隣町、時々気軽に自宅へ来てください、困ったときは何なりと協力しますからと伝えた。 機内に乗り込んでからも、私の所に来て色々話し合う仲になった。
3,4週間経った頃、落ち着きましたら友人でも誘って我が家へ来てくださいと電話で誘った。 友人と言った意味は、外国からの研修生で寂しい思いをしている方を少しでも宥めてあげたいと考えたから。 先ず筑波山をドライブしてから我が家へと計画し、研究所に迎えに行くと驚いたことに友人は日本の女性であった。 とにかく筑波神社にお参りし境内を散策してから、パープルライン経由で帰宅。 その時筑波山は縁結びの神様ですよと軽い気持ちで説明した。
研修終了後、彼は日本の会社に勤務することになり九州に行った。 それから2,3年経った頃、彼女と日本で日本式の結婚式を挙げることにしましたと連絡があった。 後日、モーニング姿でなく和服姿の結婚記念写真を送ってくれました。 それ以降も年賀状は勿論のこと、家族写真を添え子供の誕生(今年の賀状には9歳になった息子の写真)、 転勤などを現在も筆まめに知らせてくれる。と言うわけで、自分が縁結びの神様になったような喜びを味わっている昨今です。
ここで筑波山について一言追加。沼田君は毎年登山しているようですが、曜(日を女と書いた文字)歌(かがい)についての昔話を聞いたことがありますか。 「万葉集」にも詠われ、「常陸国風土記」にも載っていることから、8世頃からこの大らかな恋の風習はあったらしい。 農閑期になると特定の日時に、関東各地から老若男女が集い、 男の神、女の神を祭り、酒を飲み、踊り、求愛歌を交わし性交を楽しんだという。 この場所は筑波山神社より2,3百メートル下の木立に覆われた緩やかな傾斜面に残存し、現在でも見学するのは可能。
| 備考: | 万葉集から: | 人妻に 吾も交はらむ わが妻に 人も言問へ |
| この山を 領(うしは)く神の 昔より禁(いさ)めぬわざぞ | ||
| 今日のみは めぐしもな見そ 言(こと)も咎(とが)むな | ||
| 現代語訳 : | 人妻に 私も性交しよう 我妻に 言い寄ってこい | |
| この山の 神が昔から 許してることなのだ | ||
| 今日だけは 目串はよせよ、咎めるなよ | ||