今年もついに師走、8月中旬からパソコントラブルが継続しているせいか私にとっては 殊の外短く感じられた年でした。ところで皆さんにはその後とも、お変わりなく元気に お過ごしのことと察します。年の瀬には不似合な題名になりましたが、決して難しい話 ではありませんからご安心ください。
先月8日午後、とうに還暦を過ぎた教え子数人と一緒に土浦一高にお邪魔し電子顕微鏡を 覗き込んできた。これは、顕微鏡会社の社長が教え子の一人で、近在に住む仲間に呼びかけ、 またとない機会をご利用くださいとの趣旨で実行されたもの。
2010年、7年の旅から小惑星イトカワから持ち帰った微粒子は、この電子顕微鏡があ ってこそ解明できたもので世界中の大きな話題になったことを皆さん覚えていますか。
科学クラブ部員男女十数名を相手に講義中の教室に入り込み、最後尾に席を取る。世界に 冠たる電子顕微鏡が、こんなに小型軽量化され私たちの目の前に2台あるとは想像もしなか った。これは一番小型(45x20x55cm ?)で倍率は6万倍、値段は5百余万円で、最近は高校 でも購入するところが出てきたとのこと。現在大阪大学に設置中のもの(3階建てのビルが 必要)が世界最大で、20億円とか。また今後の課題は検査対象物をモノクロでなくカラー で表示できるようにすることで現在研究中。今までの顕微鏡は光があればどこでも使用でき るが、電子顕微鏡は電子を当て拡大するので、電子に反応しやすくなるように極めて薄い金 箔を検査物に吹き付けるなどを学ぶ。
1時間ほどの講義後、じっくり顕微鏡を操作できるように、講義続行と実習の二班に別けら れる。実習班は髪、消しゴムなどを対象に顕微鏡の使用法を教わり、次々と真剣な面持ちで顕 微鏡を操作する姿が実に印象的だった。日本人でも特殊な研究者以外に電子顕微鏡を使用した 人は未だごく少数であろう。お陰様で私たちも感動と誇りを持って顕微鏡に触れたり、隣のデ スクトップに映し出された画像を見ることができた。同時並行して行われた画像を交えての人 間誕生(精子卵子の瞬間から細胞分裂の繰り返しで、指、心臓、肺臓などができ、胎児へと成 長)の講義も実に感銘的であった。
途中で私たちは一旦実験室を出て、取り壊しを逃れた旧館に残る思い出の3年G組の教室を見 ることにした。また校長も同道してくれ、資料展示室などを説明してくれる。この後また実験室 に戻り、しばらく講義の続きを拝聴したり、トゲが密生しているような髪の画像などを眺めてか らお別れすることになった。
最後にその時詠んだ川柳2句:
八十路過ぎ 好奇で覗く 顕微鏡
八十過ぎて 教室覗く 教え子と
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