小難しい日本語  (中島 節) -2014. 3. 1-


 先月はまれに見る大雪(8日の残雪、まだ道路の日陰に若干)、そして冷え込み、皆さんその後如何ですか。 さて恐縮ですが、今月もまた文字の問題を取り上げます。

 最近「日本語の難問」宮腰賢を読んだ。 少し難しい説明もあるが、似通った日本語表現を取り上げ、その微妙な差を解説した本です。 96例を扱っていますが、その内の4例を簡略にして挙げてみましょう。

 四は漢字読みすると次のように「よ、よっ、よん」と三通りあるが、これは単なる慣習で規則性はない。
よ:四時、四次、四児、四隅、四次元、、。
よっ:四日、四日市、、。
よん:四冊、四本、四文字、四千、四周、四駆、四輪、四番目、、。
ちなみに中国語では「し」以外の読みはなさそうです。

 隣(となり)の席、横(よこ)の席、側(そば)の席 は同じ場所の席を表現することも出来る。 しかし 隣、横の場合は左右の席だけを意味するに対し、側の時は前後の席を表することも出来る。 では これに敬語の お を付けたらどうでしょうか。お隣、お側の席は可能だがお横の席は不可能。 という訳でこれらの違いを文法的に説明することは不可能で 慣用的と言わざるを得ない。 次に慣用例を数個挙げておきます。
1.隣(横、側)近所、
2.隣(横、側)の芝生、
3.横(隣、側)から口を出す、
4.横(隣、側)並び、
5.横(隣、側)車を押す、
6.教わる側(隣、横)から忘れる。
( )内の用例は不可能です。

 次に「大きい」と「大きな」の例を取り上げてみます。 グループ A は意味の差がほとんど無い例、B は「大きい」が不自然な例を示します。  
A: 
1.校庭には「大きい、大きな」銀杏の木が植えられている、
2.彼はとても「大きい、大きな」家に住んでいる、
3.「大きい、大きな」川がある、
4.「大きい、大きな」土砂崩れ、、、。
  
B: 
1.母親の「?大きい、大きな」愛情を受けて、
2.彼の「?大きな、大きい」人柄、
3.地球規模の「?大きい、大きな」プロジェクト、
4.「?大きい、大きな」夢を持っている。

 最後に「〜始める」、「〜出す」の使い分け。
1.話し(始める、出す)、
2.降り(始める、出す)、
3.聞こえ(始める、出す)、
4.動き(始める、出す)
などの例を読むと、急激な行動を表現するには出す、緩慢な行動表現には始めるの用例が多い、 だが 最近の例からは必ずしもそのような使い分けはされていないと述べています。 (2014- 3- 1)


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