6月17日から2泊3日の旅に出た。妻は体調が優れず急遽予約を取り消し、今回は一人旅となる。東京大手町の某ホテルから 無料の送迎バスで、話し相手もなく3時間半揺られ5時少し前、水上のKKR水明荘に到着。
温泉で汗を流し、30分ほど休憩し、2階の食堂へ。意外なことに四人分の膳が食卓に並んでいた。すると明日のハイキング 参加者を一カ所にまとめ、事前に顔見知りになって頂くようにしましたが如何でしょうかとの説明があった。これに納得し熱燗を 一本注文すると、間もなく相手が一人現れビールを注文。彼は逗子から来たOさんで病弱の奥さんは留守番とのこと。二、三分も すると練馬から参加のAさんが着席し、ビールを注文。彼らはその後、酒に換えての自己紹介兼雑談に二時間余、すっかり親近感を 覚える仲になった。両人とも定年退職者で六十歳の中ごろ?
18日ハイキング当日、予定より少々早い10時25分、宿の車で谷川岳ロ−プウエイ山麓駅手前の土合橋まで送って貰う。 ガイド・植物研究家の阿部さん、宿からの付き添い員と私達三名、計五人の小グループ。軽く準備体操をしてからマチガ沢(新道)、 一ノ倉沢(新道)、一ノ倉沢(旧道、勾配のきつい狭い危険な岩道)、マムシ岩(ここで昼食)、マチガ沢(旧道)、ロープウエイ 山麓駅へと説明を受けながらのんびり歩く。Oさんは動植物の防疫関係機関に勤務していた関係上、植物、昆虫についての知識は豊富で、 阿部さんも昆虫に関しては色々と教えを受けていた。こんな訳で私達からの質問は多く、騒音に近いエゾハルゼミの野外音楽堂の中で ガイドさんは終始、しゃべり続けねばならなかった。
歩き出して間もなく、ガイドは道に突き出ている枝に付いている15x10センチほどの白い泡について説明を始めた。モリアオ
ガエルは必ずこのような水溜まりのある道の上に泡状の巣を作り産卵する。約一週間で羽化した蛙はこの水溜まりに落下し、ある程度
成長してから枝葉に登り一生を過ごすとのこと。
また別の水溜まりでは、ここに泳いでいる1センチほどのメダカ状の生物はサンショウウオの幼魚。ある程度成長してから脇の渓流に
移り住む。昔は筑波・加波山の渓流でも見られたが、今は絶滅か?
春の山菜の王者、コシアブラは店頭で見たことはあるが、この時初めて実物と対面することが出来た。カエデ、シャクナゲなどの 植物には色々な種類があり、とても覚えきれない。谷川岳・一の倉沢には1000種を超える植物が生育しているが、今日触れ合えたのは 300余種とのこと。秋は色々な植物の実を試食しななら散策できるから、是非、秋にもお出かけくださいと阿部さんの勧誘。
残存雪渓を眺めながらマチガ沢で昼食、宿支給の握り飯弁当は殊の外美味しかった。空腹、疲労そして12時半を回っていた。ここからの
帰り道は、昔の街道で平坦。気楽に説明、質問をしながら下っていくと、10頭位の猿集団に出会う。頭上には小さな小猿をしっかり抱き
抱えた親猿。逃げずに路上にいる猿は危険だからと言って、ガイドは杖を振って追い払う。この周辺には熊、カモシカ、イノシシなども
生息しているとのこと。当山で遭難死亡した方々の慰霊碑の中には真新しい花が添えられているのもあった。そこから数百メートル下がった
ところでハイキングも無事終了、迎えのバスに乗り込み宿へ引き上げる。
歩数計を持っていたOさんが、今日歩いた距離は一万歩に届きませんと車内で知らされた時は、異口同音ただ驚きの声であった。でも幸いな
ことに、翌日の脚の痛みは全くなかった。部屋に戻り、すぐビールに飛び付かず、先ず整理体操を充分にしてくださいとのガイドの一言が
効いたのであろう。
この時、ガイド阿部さんが珍しい物を見せてくれましたのでご紹介しておきましょう。野鳥の写真が印刷されているB5サイズ下敷きシート 「身近な野鳥」を鞄から取り出し、鳥の頭部近くの赤い点をタッチ式ペンで触れるとその鳥の鳴き声が聞こえてくる。誠に便利な鳴き声付きの 図鑑と言ったもの。この種のシートには「水辺の鳥」、「身近に鳴く虫・カエル」各315円がある。ただしペンは高価で9、000円位で日本 鳥類保護連盟で販売。
| モリアマガエルの巣 | 左から二人目ガイド |
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