| 辻井君が撮影した椿 | |
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| 辻井君のHPには沢山の花便りがあり、楽しませてもらっています。
先日は「一本の木から色の違う何種類かの花を咲かせている珍しい
椿に出逢えましたので添付します。」という嬉しいメールを頂き
添付されていた珍しい椿の写真について交歓の機会がありました。 辻井君のHP嵐山・嵯峨野の散歩道/ 地蔵院の散り椿を参照ください。 加藤清正が朝鮮から持ち帰り豊臣秀吉に献上したものがルーツで 現在のものは二世椿、それでも樹齢百年を超えるという名品です。 花満開の実物を是非観賞したいものです。 |
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世代代わりとありますから実生と思われますが、一般に花木の実生で 親木と同じ花が付く事は非常に珍しいとされています。 挿し木や接ぎ木の方法による増やし方が割合簡単なのですが・・・・・・?!。
辻井君から送られた添付写真を見たときにはとても驚きました。 実は丁度16年前の3月に平塚に移り住んだ時の話なのですが、 その時に花木をかなり買い求めました。 大好きな椿も十種類ほど、その中に写真の椿もあったのです。 白、紅、赤、ピンクの単色の花から濃淡の花、中には白花に赤い線を 引いたような花やら紅の塗料を霧吹いたような花が背丈ほどの一本の 木に満開していたのを偶然にも見つけまして飛びつく思いで入手した ときの興奮が思い起こされました。
売れ残っていたものとは思えない一本の椿を手に入れた幸運に気持ちが 舞い上がっていたため造園家の主人がしきりに話し掛けるのも上の空、 すぐに運んでもらい風通しと日当たりの良い特等地に据えました。 大満足の一年目、その後の庭の植栽はこの椿を中心に自己流ながらも 苦心を重ねて整えられました。
期待と心配の入り混じった二年目、大きな蕾が予想以上につきました。 晴れた日の朝の楽しみはその一本の椿の蕾の状態を確かめること、他の 椿の様子は出社時間の都合も有って(?)かなりお座なりになりました。 お彼岸まえには拳程の大輪が色とりどり、まさに咲き誇りを見せてくれ やはり「苦労は報われる」との自己満足も十二分に満たされたものです。
圧倒的な色とりどりの中に混じって幾つかの真紅の花も咲いていました。 その後は普通に手入れをしておけば大丈夫との余裕のような思いもあり 事実、何事も無く過ぎていきましたが気付いた変化が一つありました。 それは年毎に数を増していく件の真紅の花でした。 花自体は混じり気のない真紅のバラのような、とても綺麗な花でした。 数年間はその変化を寧ろ喜んでいたほどでしたが、注意してよく見ると 主幹から枝分れしたその枝には全て真紅の花だけが付いているのです。
十年目にはピンクや混じり、絞りや斑紋等の比較的控え目の花群の中に 強烈な存在感を誇示する真紅の塊群が四つ出来てしまいました。 思案の挙句に、買い求めた造園家の主に相談に行く羽目になりましたが、 「あの時にしつこく注意したろうに!」と嫌味を頂戴しました。 嬉しさに舞い上がっていた自分が上の空で聞いていた忠告を改めて頂き ご指導をお願いして、「んじゃ、ちょっと見てやるよ」のご好意をとり 付けたときは真底からホッとしました。
あの時、振り返って記憶をたどると、「赤は強いから・・・・」とか何やら しつこく聞かされたのを思い出し、後悔しました。 要は赤花が付いたら主幹との分かれ目で切り落とせという事で、それを 放っておくと終いに只の赤花の椿になってしまうという大切な話でした。 何故か用意の選定鋏を振るわれて思いっきりサッパリとされた椿の姿は こんもりしていた以前の筒形とは似ても似つかないスッキリ形と変身し 現在に至っています。
今期は暖冬に始まり年明けから異常な寒気の停滞、連日の冷風とあって 椿達には過酷でした。地表の冷えに止まらず地中温度もかなり下がりました。 水揚げが鈍ったところに連日の寒風、本来なら特等地のはずが逆目になった 始末で葉が寒気焼けでずいぶん被害を受けました。 葉を振るってしまった情けない枝先にそれでも健気に蕾をつけている椿が やっと膨らみ開花を見せ始めている昨日今日です。 (了)