グループ旅行 (宮城 倉次郎) -2004. 2. 4-
今月は何を書きましょうか。
読んで下さる皆さんの顔を思い浮かべながら、考えました。
最近思うことのひとつに、「どこか遠くへ行きたい」という衝動があります。
新聞の広告欄(商売柄、毎日5紙読みますので、広告もさまざま目に入ります)で、
格安ツアーを見つけると丹念に読んでしまいます。
やはり還暦、どこかへ(はっきり言えば土へ)向かって帰ろうとする真理(心理のつもりでしたが、
パソコンが表示した漢字が気に入りました)が働いているのでしょうか。
とはいえ、時間と金銭に限りがあります。
以前、ご紹介したと思いますが、小生には一緒に出かける旅行グループがあります。
カミさんの妹夫婦(子供の手が離れた50代)、いとこ夫婦(子供のいない60代)です。
三つのカップルが、いとこ夫婦が持つワゴン車に相乗りして、ひんぱんに出かけているのです。
小生の居所は埼玉県、彼らは都内と茨城県で、ほぼ60キロ圏内に住んでいます。
そのため集まりやすく、小生が現在地に赴任した5年前から旅行グループが自然に出来上がりました。
グループは、小生のカミさんが、長女であることや年長者としての威厳といおうか、
小さい時の力関係そのままに、グループを取り仕切っています。
小生は、余計な口出しをしないようにし、見守っているだけです。
ただ、旅行先の歴史や見所、道案内は、小生の仕事として押し付けられています。
1月は、グループ恒例の新年の旅がありました。
行った先は、伊豆高原・泉郷のプラザホテル。
小生の会社の契約施設なので、保険者1泊4000円、被保険者1泊5000円(食事別)。
足立区梅田から朝8:00、ワゴン車で出発し(9日)、
首都高、東名とも空いていたので1時間で厚木インタへ。
その足で寒川神社に立ち寄り、新年の参拝。
そこから南に下り、あらかじめ予約しておいた茅ヶ崎市の住宅街にあるフランス料理店で昼食。
料理店を探す道すがら、開高健記念館を見つけたので、昼食後に見学となりました。
芥川賞作家の開高さん、朝日新聞とも縁が深く、
ベトナム戦争についてのたくさんの記述のほか、釣り人としても有名でした。
大江健三郎さんとともに文学の一時代を築き、華々しく活躍した時代、
ここへ居を構え原稿用紙に向かっていたのでした。
外見からは分からない著作の行き詰まりや苦悩の様子が、
そのままの形で保存されている書斎に、赤裸々に記録されていました。
ご夫妻、長女とご一家全部が、いまは亡き人と、館を守る人から聞き、諸行無常、
何とも言えない気分になりました。
小さな旅は、続きます。
出発の時から、「留守番の老夫婦が体の不調を訴えている」と言っていた妹夫婦が、
自宅に戻ることになり、JR平塚駅でおりました。
ふた組だけになった旅は、湯河原、熱海、伊東と海岸線の景色に慰められながら、車を走らせます。
思ったより、時間がかかりました。
大室山のふもとのホテルについた時には、冬の宵、あたりは真っ暗でした。
宿は、つくりは立派で、眼下に相模湾が一望でき、すばらしい眺めでした。
しかし、天然温泉というのに、風呂にいまのはやりの野天風呂がなく、
外界が見えない構造になっていて、不満が残りました。
翌日、帰りは山の上を走るスカイラインをたどることにしました。
天気が崩れることもなく、一大パノラマを楽しみました。
十国峠では、子供に帰って昔の国々を数え、小田原では隠れ人気の干物店で地物の魚を買い、家路へ。
のんびり、ゆっくりの2日間でした。
男の目から見れば、女性たちは車の中でも休むことなくおしゃべりを続けました。
そのエネルギーは、社会貢献につながっているかどうかは分かりませんが、たいしたものです。
そして黙った時は、車内が突然シンとなります。
それは、彼女たちが居眠りを始めた時なのでした。
月が明けて2月1日、前から申し合わせていた訳ではないのに、温泉に行く話しがまとまりました。
我が家に集合、例によってワゴン車に同乗、群馬県堺の神川町神流川温泉・白寿の湯へ向かいました。
日帰りなので3家族一緒。この温泉は、小生が「一湯入魂温泉」という雑誌で見つけた物件です。
山間の温泉施設には、湧出した源泉をそのまま過熱して掛け流している露天風呂があり、
本に書かれている通り素晴らしい泉質でした。
析出物が柱に丸く付着し、その鉄分を含んだ赤褐色の湯が床をひたひたと流れていました。
こうした湯の使い方は、全国でも最良だと本は言います。
少しぬる目の湯に長くつかっていることが心地よく、
体に感じる湯のさわりとでもいうのでしょうか感触が、大変いい感じなのです。
3時間ぐらいの滞在の間に、2度も入り、楽しみました。入浴料は、600円でした。
(電話0274・52・5585)
グループとしては、今年1年、金沢や信州、阿蘇・黒川温泉、
京都・奈良方面への旅が計画に上っていますが、どうなりますやら。
老夫婦を抱えた家庭があり、自身の老化や仕事のこともあり、無理はきかない世代ですから。
ただ、小生とカミさんは、3月19日から沖縄国立劇場(今年オープン)である
沖縄伝統の組踊り(重要無形文化財)を見に、
旅行会社の3日間格安ツアー(1人38000円程度、レンタカーつき)を使って行く予定です。
旅は、大勢でにぎやかな方がいいと考える年齢になりました。
もし、道中をご希望の方は、ご一緒にどうぞ。
小生の神・カミに導かれる小さな旅でした。(了)
(04・2・4 埼玉県久喜市で職住近接の暮らしをしている宮城)