三月:花を求めて (中島 節) -2004. 4. 7-



 啓蟄に促されるかのように、私は3月の花を求め動き出した。 本命の35ミリカメラのほかデジカメ、交換レンズ、フィルター、三脚などを持っての出動。 気軽にまた自由に飛び回った3月、今回ほど自家用車の有り難味、利便性を意識したことはなかった。

13日、筑波梅林。

 写真クラブの例会・屋外は運悪く(?)モデル撮影会と重なり、 予想外の車行列で定刻には集合場所に行けなかった。 既に梅の満開は過ぎていたが遅咲きもあり、私もカメラも満足。
 ここの梅林は筑波山の中腹の傾斜面に広がり、 上から見ても下から見ても白、ピンク、赤の配合が見事、 コーラスでも聴いているような錯覚すらした。 梅は普通の花と違って順光で撮ると綺麗に撮れると顧問講師から教えられる。


23日、古河総合公園、桃祭り。

 新聞で桃の満開を知ってから、天気予報を参考にしこの朝の決行となった。 朝方は微量の小雨が降っていたが、 古河近くになり雨は止んだが天気の回復は遅く薄日の援軍はついぞ現れなかった。 情報通り公園はピンク一色、でもどのように何を撮影すべきか暫く妻と話し合った。
 2時間あまり被写体を追いかけシャッターを切ったが満足するものはなかった。 ここにお見せする写真はデジカメで撮った万人向けの分かりやすい公園の一隅です。 古河の祭り会場までは90分弱の道のりであったが往路は混み、 予定時間を少しオーバーしたが帰路は順調にいった。


26日、岩井市・歓喜寺。

 写真クラブの同僚が三分咲きとの情報をインターネットで流していた。 この陽気、晴天なら丁度見ごろかと判断し、早めに昼食を取り、期待に心弾ませ、約1時間車で走った。 でも満開にはあと2,3日というところであった。
 「夕べ、テレビで見頃と放送されたから」と言いながら三々五々近所の人たちが見に来ていた。 客は少なくゆっくり三脚を立てシャッターを押すことが出来た。 問題は枯死している大枝を如何に避けカメラに収めるかであった。 樹形もよく、ピンクが濃くとても綺麗な六分咲きのシダレ桜であった。


27日、龍ヶ崎市・般若寺。

 昼食後出発、30分で目的地へ。 境内内の駐車場は満車、でも運良く近くにホンダが2台駐車している空き地を発見、 その仲間入りをさせてもらった。 樹齢400年、県の天然記念物だけあって威風堂々(コンクリートの支柱が目障り)、 8分咲きの盛りに間に合い最高に嬉しい。 過去二回いずれも花が散った後だっただけに。
 桜の周囲には無言で、あるいは感激しながら花を愛でる人、 せっせとシャーターを切る人など様々である。 そこに焼きイカがプーンと匂ってくる。 下手な合唱が突如始まったように。 連日の撮影疲れ、気になる駐車もあり妻を急かし帰途についた。


29日、A)友部町・完全寺。

 「六地蔵寺のシダレ桜は6分咲き、3/31が見頃」との友人情報を29日朝入手した。 写真入りで地方紙に紹介されていた完全寺も是非見たいと思っていたので、 即刻、同日友部経由で水戸郊外へ飛ぶことにした。 自宅から約70分走り、10時少し回った頃目的地に到着。 宍戸駅に近い完全寺は唯信寺、光明寺に隣接し一番奥の小高い所に遠慮気味に立っていたが 桜は他の寺を圧倒していた。
 樹齢100年の勝利か。 容姿、色彩ともに今まで見てきた内で最高である。 ガードマンを雇っての手厚い管理には驚きと同時に住職の誇りと自信が伝わってくる。 惜しむらくはまだ5分咲きだった。 花見客も桜に気の毒なほどまばらだった。


29日、B)水戸市六反田・六地蔵寺。

 友部から淡い期待を抱いて内原「カタクリの里」に寄ってみたが、 かろうじて1,2本が開花しているだけの春未だ遠い里だった。
 それから一路水戸の六地蔵寺へ。 境内は既に十数台駐車、やっと間隙を縫って駐車。 観客は多く、露天商まで出店していてお祭り情緒が溢れていた。
 「あら綺麗、見事なだね」と異口同音のため息があちこちから漏れている。 樹齢160年、光圀が花見に来たことでも有名な桜である。 このシダレ桜を中央に数本のシダレが咲き競うように、いやそれ以上に美しく咲いていた。 でも満開というわけに至らなかった。
 執拗にも2日後、ひたち海浜公園へ途中再度立ち寄り満開の桜をカメラに収めることが出来た。 (了)