我が家のラジオ (中島 節) -2004.11.27-



 我が家には真空管ラジオを含め5台のラジオがある。 真空管ラジオは受信可能だが図体が大きく使用に不便で今は書斎の一隅に飾り物、 いや宝物のように鎮座している。安給料から無理して買い求めた当時流行のハイファイラジオ。 摘まみ周辺の汚れは長い間お世話になった証で、私の家庭生活史を物語っているようでもある。 学習用に買ったテープレコーダー(オープンリール式)は既に時代遅れで昨年処分したが、 この真空管ラジオは捨てられない。

 その他のトランジスターラジオはそれぞれに使い分けされ稼動中である。 話しの都合上これらを1,2,3,4号機と命名しよう。 1号機はダイヤルをNHK 第1に設定され私の枕辺にある。 毎朝5時半ごろ電源を入れ、床の中で静かに国内外のニュース、健康ライフ、音楽、 天気予報などを聴いている。

 6時半になると1号機から、左手を伸ばしサイドテーブル上の2号機に切り替える。 このラジオはNHK第2、つまり「基礎英語3」用である。 2台のラジオがベッド周辺に置かれている理由は、 暗いところでダイヤルを合わせる面倒を避けるため。 物質に恵まれた日本ならではのわがまま、ちょっぴりの贅沢かもしれない。 この2号機はCDカセットラジオだが、CDに利用することはほとんどない。 15分間の英語学習がすむと再度1号機に戻り、 7時近くまで経済ニュースを聞くことになる。

 起床するとお勝手兼食堂にある3号機にスイッチを入れニュースを聞きながら朝食の支度をする。 これは短波放送も聞ける次男が使い古したラジオで、いつもNHK第1にセットされている。 そして8時近くになると同じ部屋にあるテレビに切り替わる。

 ここでちょっと横道にそれてみたい。radio=ラジオは本来無線一般を意味する単語。 これがいつの間にか日本語では「音声放送の受信機」に変貌してきたが、 英語では a radio set というのが正しい。 ラジオは現代の若者にとり過去の機器であり、 真空管、中波、短波などもうお蔵入りしている単語であろう。 ラジオ放送を最初に始めたのはアメリカで1920年のこと。 それから5年遅れの1925年(大正14)にわが国でも放送を開始した。 私が小学1年生のころ、村には数えるほどのラジオしかなかった。 幸い叔父から頂いたラジオはあったが、当時は雑音が多くあまり聞いた記憶はない。 でも終戦後間もなく小川芳男基礎英語、 平川カムカム英語に接することが出来たのはこのラジオを通してであった。 私にとり英語学習の貴重な恩人の一人に数え上げることが出来る。

 さて4号機はどんなラジオか?この出番は夕方の7時5分から45分までで、 NHK第2にダイヤルは設定されている。 写真で分かるように我が家では一番小型なラジオ。 今年1月の入院時に仲間入りし居間に陣取る新参者である。 「英語リッスニング入門」続いて「英会話レッツスピーク」の学習にあてる。 晩酌、夕食は1年を通しこの時間帯に間に合うように努めている。 最近、学習中なぜか(?)一瞬寝込んでしまうこともある。 この後は居間か食堂のテレビを見ることになる。

 という訳でラジオは私の日常生活に深く深く根ざしており、 この「文明の機器」なしには私の生活は成り立たない。(2004, 11、27)