壱萬円のコロナ (沼田 吉治) -2004. 3. 9-


 運転免許を取ったのは23歳の時、就職した新聞が主媒体の広告会社が何かと仕事に必要だからと 当時24,000円くらいの費用は出してくれたように記憶しています。 強烈に覚えているのは、教習所の教官の横柄な態度、何度か切れそうになるのを我慢しました。

 その頃、教習仲間で親しくなった人が国鉄水戸管区の人事関係のトップ、 私と年があまり違わないいわゆる東大出のキャリア、 身分が分っていたのか教官たちのこの人に対するトラバーユを願っての態度は私とは雲泥の差、 彼もこんな扱いに慣れていて私のことも優遇するように教官たちに言ってやると言われたのですが、 さすがに断りました。

 当時の仕事はデスクワークでしたが、たまに打ち合わせに出るときのクルマ利用で何となく実践を体験し、 26歳の時、弟が勤めていた会社でクルマ購入の部署にいて、 廃車にしようとしたコロナがまだ1年車検があるから、廃車価格の10,000円で買わないかといわれ、 考えてもいなかったマイカーを手に入れることになりました。

 乗り心地は良かったのですが、コラムシフトのギヤが噛んで動かなくなる欠点があり、 そのたびにボンネットを空けてリセットしました。 たまたま繁華街などで起きた時は悲惨でしたが、 当時は車もよく道端に故障しているのが見かけられる時代でした。 結局このコロナは1年乗ってなんと5,000円で売れました。

 その後34歳の時にやっと会社で私専用のカローラ1400の新車を買ってもらい、 始めてのそして何故か最後の新車に乗ることができました。 というのは、それから半年あまりで退社することになり、 そのクルマを退職の際に功労賞として頂いたのですが、 当時の若さから過去を忘れて心機一転と気取り、 売り払ってコロナの中古に乗り換えてしまいました。

 そこからは、経済的事情もあって中古車ばかり、 通勤のほか仕事にも目一杯のレジャーにも使い月2000〜2500キロくらいと結構走るので、 少し程度の良いのを買って乗り潰すという主義から、 潰されたのは3代目のコロナ、カリ−ナ、ビスタ5ドア、ビスタセダンと乗り継ぎ、 今はウインダム、これももう遥かに10万キロを越えていますが、 来年の6月まで車検があるのでそれまで付き合ってもらえるかどうか。

 それと、普段は家内に乗せていて、山道走行の時に使うレガシ−4WD、 こちらも10万キロ超車です。 しかし、今の車は故障が少なく、走行距離が増えても安心して乗れます。 昔は寒い朝の始動なんか、大変だった。 チョークの引き加減、独自のクルマ毎の癖を読み取って、 あやすように掛けたものですが今ではどんなクルマも一発。

 ところで、クルマとの信頼関係も何かと同じ、 故障なんかで裏切られるととたんに信頼できなくなり、 買い替えを切に考えるようになるから不思議です。 買い替えられるのがクルマだからいいのですが…。 いずれにしても、100%近く輸入に頼っていて、 しかも無限でない石油資源を使って、 1トンを遥かに超える大きな物体を動かす…しかもほとんど一人の乗車で…、 こんな勿体無い無駄は余り気にせずその恩恵には充分浴してきたと思います。

 約40年の運転暦で、軽微な違反が2件、 軽い物損事故(どちらも相手が100%)というのは運転マナーが良いのか、運が良いのか、 これからも充分注意したいと思いますが、ただ白状しますと、 運転で生ビ−ル1杯までは清涼飲料という気持ちがまだありまして、家内にいつも怒られています。

 今の夢は、ジープ型の4輪駆動車、 これは年金生活+アルバイトの身では宝くじ当選でもなければ完全に夢で終わりそうです。(了)