水戸の梅まつり (沼田 吉治) -2004. 3.18-


 2月20日から3月末日まで水戸では梅まつりが開催されています。 現在梅の花はほぼ満開、3年ほど前から60名位いる市民観光ボランティアの一人として、 主に偕楽園で観光客の案内、説明をやっていますので、 この欄で梅の情報を少しお届けします…香りまでお届けできませんが。

 偕楽園は、よく日本3名園と言われますが、 岡山後楽園、金沢兼六園と大きな違いをまずお客さんに説明します。 他の2つはお殿様の庭でお城に隣接していましたが、 偕楽園は水戸藩9代藩主斉昭(烈公)が1841年に領民の休養の場所として造営したということ、 そのため嬉しいことに今でも入園料はただです。

 二つ目は、偕楽園は造られた庭でなく、自然の山林、周りの借景を生かした自然回遊庭園であること、 当時の入り口である表門から入ると鬱蒼とした杉ばやし、孟宗竹林の陰の世界を経て、 梅林と千波湖や対岸の山を借景とした明るい陽の世界に入ります。

 ところで、この借景などすべてを入れると総面積300Ha、 これは都市公園としてはニューヨークのセントラルパークに次いで世界第2位ということを、 水戸市ではいま盛んに自慢していますが、「えっあそこも入れるの」というような所もあっての話です。

 さて、偕楽園の梅は約100種、3000本、 その中でも開園当初の老木は数10本しかなく年々枯死しています。 これは観梅客が柵の中に入り根の周りを踏みつけるせいと言われていますが、 ここではそのことは余り注意しないような現状です。 やはり、「偕楽」(民とともに楽しむ)の精神なのでしょうか?

 梅は早咲き、遅咲きとありますので、40日の会期中何とか花は持ちこたえて咲いています。 近年とみに開花が早くなるのは地球温暖化の兆しのような気がします。 100種の梅はもちろん全部は分らないので、 「水戸の六名木」といわれる品種を説明し、 その香りを実際に嗅いでもらっています。

 これは昭和の始め、園内の梅の中で比較的珍しく、 花、色、気品、香りとも優れたものを六品種選んで命名したものだそうです。

「水戸の六名木」
柳川枝垂 @柳川枝垂(やながわしだれ)
梅には珍しい枝垂れ型。淡い紅梅一重咲き上品な香りです。
開花時期は2月上旬から3月上旬。
A白難波(しろなにわ)
やや早咲きの白色中輪。やや強い香りを漂わせる園内ただ1本の老木。
開花時期は1月下旬から2月上旬。
白灘波
月影 B月影(つきかげ)
緑がかった花色の一重中輪咲き。香りも強く、花の輪郭も美しい。
開花時期は2月中旬から3月上旬。
C烈公梅(れっこうばい)
端正な花弁が離れていて凛とした気品。 水戸にしかない品種ということで、 水戸藩9代藩主・ 徳川斉昭の別称「烈公」にちなんで名づけられました。
開花時期は1月下旬から2月下旬。
烈公梅
江南所無 D江南所無(こうなんしょむ)
遅咲きで紅色の強い八重大輪。杏系ですが、実がつかない花梅の代表種。 中国の江南地方の これ以上のうめはないという意味。 徳川光圀の師であった中国の儒学者、 朱舜水が日本にもたらした品種といわれています。
開花時期は3月中旬から4月上旬。
E虎の尾(とらのお)
虎のイメージで命名されたそうです。八重中輪。
開花時期は2月上旬から3月上旬。
虎の尾

 実はこの原稿は3月10日に作り始めたものですが、途中でそのままにしてしまい、 昨日17日に偕楽園へ行ってみたら、ここのところの暖かさですっかり満開を過ぎてしまいました。 六名木も遅咲きの「江南所無」が今一番の見頃、慌てて文章を追加している次第です。 そんな訳で今年撮り直すこともままならず、昨年撮った写真ですが、 花のイメージが分るかどうか…、ご覧ください。

 以上、遅れ馳せのリポートです。 偕楽園は梅の時期の土、日曜はは混んでいて風情も余りありませんが、 9月の萩まつり、5月連休のつつじまつりの頃は、静かに園内を散策できますので、 どうぞお出かけになってみて下さい。(了)